不登校のお子さんを持つ保護者の方は、不安でいっぱいだと思われる。専門家の医師、カウセラー、セラピストに相談しても、ただ寄り添い見守っているだけで良い、と言われることが殆どであろう。けっして登校を促したり一歩踏み出すように勧めたりしないようにと助言されることが多い。それだけでは、何も変わらないし解決しない。それでも、保護者はただ寄り添い見守っているだけで良いのだろうか。助言通りにしていると、子どもの状況は益々悪化するだけのように思うのだけど、それでも何もしないというのは辛いものがある。
不登校の状況をまずは認めてあげなさい、その状況を受け入れなさいと助言する専門家が多い。それはひきこもりの状況にある青少年のケースも同じである。何らかのアクションを起こしたいと思うのが親として当然なのであるが、専門家は押しなべて何もするなと助言することが殆どである。無理に登校させるようなことはしないようにとか、学力が低下するのを防ぐために勉強をするように仕向けないとか、まるで腫れ物にでも触るような態度で接するように指導されることが多いのである。本当にそれで良いのだろうか。
不登校の子どもたちは好きなことに没頭することが多い。好きなアニメ番組を見たりコミックに嵌まったりすることが日課になる。インターネットに嵌まってしまうことも少なくない。外出することもなく、部屋に閉じこもってしまう子どもが多い。それでも、無理に外出させることを強要してはならないと助言する専門家も多い。本人がその気になるまで待つしかないと助言されるのであるが、本当にそれで良くなるのであろうか。親として、何もしなくて良いのであろうか。子どもが自分で解決して歩みだすことが出来るのか不安で仕方ない。
また、学校に行けないなら転校するとか、フリースクールを選択する保護者も少なくない。また、環境が変われば学校に行けるのではないかと思うのも当然であろう。不登校になっているのは、学校の環境が子どもに合わないせいだと思うのである。学友からの虐めやからかい、仲間外れの仕打ち、教師の不適切指導、というようなことが原因で学校に行けなくなったと、親は想像している事が多い。確かに、そういう事もあるのだが、それは原因ではなくて単なるきっかけでしかないのである。それを保護者も当事者も認識できていない。
不幸なことに、このことを医療専門家やカウンセラー等の支援者さえ認識していないケースが多い。だから、保護者からは何のアクションを起こさず、ただ寄り添うだけで良いというアドバイスになるのである。それでは、保護者はどうすれば良いのだろうか。または、不登校になる本当の原因は何だろうか。子どもが学校に行けなくなるのは、不安や恐怖感からである。不登校になる子どもの殆どがHSC(ハイリーセンシティブチルドレン)なのである。そして、例外はあるにしても、家庭に何らかの問題を抱えていることが多いのだ。
不登校になる子どもの殆どがHSCであり、得体の知れない不安を抱えているケースが多いのである。そして、心的外傷をいくつも抱えているので、偏桃体が肥大化しているケースが多く、それ故にDLPFC(背外側前頭前野脳)や海馬が萎縮しているのである。その根底には、家族どうしの安定したアタッチメントが形成されていないという問題がある。つまり、子どもが不安型のアタッチメントなので、傷付きやすさや生きづらさを抱えているのである。DLPFCや海馬の萎縮によって、正常な判断力や認知能力、記憶力が低下していて、成績も悪くなっているのだ。
不登校の子どもに何もアクションをしないと、脳の器質的異常は益々進んでしまい、固定化してしまいかねない。したがって、保護者は寄り添うだけで良いというアドバイスは間違っているのだ。先ずは、偏桃体の肥大化の原因である不安や恐怖を取り除いてあげなくてはならない。心理的安全性を担保する『安全基地』や『安全な居場所』を確保する必要がある。つまり、ただ寄り添うだけでなく、子どもが安心や安全に思えるようにしなくてはならないのだ。その為には、子どもを変えようとはせず、まずは親自身が変わらなければならない。
※親が急に子どもに対してアクションを起こさなくなると、子どもは見捨てられたと勘違いしやすいのです。今までの対応が拙かった事を心から謝罪し、どんなことがあっても命をかけてあなたを守るし、見捨てないことを事あるごとに宣言することも必要です。具体的には、子どもに対して干渉や介入をし過ぎないことと、コントロールや支配を止めることも肝要です。言葉だけでなく、態度や表情も安心できるようにすることが必要です。子どもを『あるがままにまるごと愛する』ようにする子育て直しが求められているのです。
