心の病が治らない訳

現代はうつの時代だと言われている。抑うつの症状を訴えて会社を長期に休んだり学校を休学したり人が増えている。30年前には考えられなかったことである。うつ病だなんてことを会社の人に知られたら、会社に在籍することさえ難しかった時代もあった。そもそも、うつ病という病気が世間に知られるようになったのも、ここ20年くらいのものであろう。うつ病の診断が普通の内科医でも出来る診断マニュアルが整備され、さらには抗うつ剤が安全でしかも副作用が少ないという売り込みが功を奏したこともあり、うつ病と診断されて治療を受けている患者さんは、爆発的に増えた。

しかしながら、いつも不思議に思うのは、これだけ精神科医療の診断技術が向上して誤診も少なくなり、画期的な治療薬も開発されているにも関わらず、完全に治癒して断薬にまで漕ぎつけた患者さんは、非常に少ないのである。いつまでも治療が続いていて、投薬量も少なくなっているケースはあるものの、完全に心の病気を克服したという例は極めて少ない。たまにうつ病から完全に抜け出せた人のケースも耳にするが、そういう人は例外なく自分の力で治癒させた人である。

多くの精神科の医師の中には、減薬というレベルまでは患者さんを導いてくれている優秀なドクターも存在する。しかし、多くの精神科医は減薬や断薬ということにさえ無頓着で、徐々に投薬の種類も増やし投薬量を増やし続けて行くというドクターさえ少なくない。「はい、あなたはこの病気は完治したので、明日からは通院しなくていいよ」と言われた患者さんがどれだけいるだろうか。昔の精神科の病院はそれこそ笑い話ではないが、患者さんは『固定資産』だと呼んでいた経営者もいたくらいである。通院している患者さんは、大切な経営資産だと言えなくもないのである。

勿論、精神科の医師が意識的に患者さんを完治させないで、ずっと通院させているという乱暴なことは言わないが、精神科の疾患が非常に完治しにくいのは事実である。どうして、こんな残念なことが起きるのかというと、近代西洋医学の矛盾点を一番反映しているのが、精神科医療だからではあるまいか。近代西洋医学はどちらかというと対症療法が中心である。現れた症状を抑えることが主眼になる。勿論、緊急避難的な対応として主症状を抑えることが大切で、その後落ち着いてから原因を究明し、その原因を取り除くことで完治する。ところが、精神科医療の分野では、この原因の特定とその原因を根本から取り除くという治療行為があまり実施されていない現状がある。

そんなことはないし、カウンセリングや心理療法を駆使して、原因を究明して解決する努力をしていると主張する精神科医もいることであろう。だとしても、現実的に治療効果が上がっていないのだから、何をかいわんかやである。とすれば、原因の究明にそもそも誤謬があるのか、それとも原因を取り除くという治療行為が不適切であるかのどちらかである。精神医療の心理療法のレベルアップや技法の進化は相当にしている。しかし、それはあくまでも技能の向上であって、そもそも精神疾患が起きる原因を特定できていないのではなかろうか。

精神疾患になるメカニズムは、例外はあるにしても、脳の器質異常と脳内神経伝達物質の異常な分泌によるものと見られている。そして、この脳内ホルモンの異常や器質的変化は、人体システムの誤作動と暴走によるものであろう。最先端の医学では、精神科疾患の原因は脳の誤作動だけでなく、人体という全体におけるシステムエラーだということを突き止めている。つまり、脳内神経伝達物質を正常にしたり補填したりしただけでは、精神疾患は治らないということが判明したのである。しかるに、殆どの精神科医は脳内ホルモンを正常に分泌させたり、または補ったりする投薬治療を繰り返しているに過ぎない。

さらに言えば、この人体という完全なシステムが、何ゆえに誤作動や暴走をしてしまうのかという視点・観点が欠落しているのである。これは精神科医だけでなく他のドクターも似たり寄ったりである。だから、疾病を完治させられないのであろう。人体の完全なるシステムが誤作動や暴走を起こすのは、本来の人体システムの在り方に反する生き方や考え方を当の本人がしているからなのである。人体には、本来自己組織化というシステムがあり、人間そのものは全体最適と関係性によって成り立っている。この全体最適と関係性重視の価値観に則った考え方や生き方が出来ていないから、病気が発症するのである。いくら治療を受けても治らないのは、こういう理由だからである。

※明日のブログに続きを掲載します。

PTSDは自分で癒せる

PTSD(心的外傷後ストレス症候群)は、一度なってしまうとなかなか離脱することが出来ず、長い期間に渡り苦しめられると言われている。愛する家族を震災や大事故で失った際に起きやすく、ましてや自分が助けることが出来たのにも関わらず、助けられなかったというようなケースは重症化しやすいという。兵庫淡路島の大震災や東北大震災で家族や愛する人を亡くされた方で、PTSDになられた方が多かったのではないかと思われる。また、予想以上のあまりにも悲惨な出来事に遭遇してしまい、自分の生命が脅かされるような体験をしても、重症のPTSDになりやすいとも言われている。

また、PTSDになりやすいのは、犯罪被害者やその家族である。さらに、公共交通機関を利用している時に事故に遭ってケガをしたような場合もPTSDになりやすい。交通事故のもらい事故も同様である。何故かというと、自分にはまったく非がなくて、理不尽な原因で被害を受けたからであろう。自分にある程度責任や原因がある場合は、この失敗を二度と起こさないように注意すれば、事故再発は予防できる。しかし、不合理な原因や理不尽なことで被害者になるような事件事故は、自分の力では予防できない。したがって、また被害者になるのではないかという不安感や恐怖感はなかなか消し去ることができないのであろう。

ところで、PTSDになりやすい人となりにくい人がいる。同じような辛い体験をしたとしても、立ち直りが早い人といつまでもショックを引きずる人がいる。または同じように理不尽な目に遭って被害者になっても、まったく気にしない人もいれば、不安感と恐怖感がいつまでも消え去らず、PTSDになってしまう人もいる。これは何故かと言うと、おそらくは脳内ホルモン、つまり脳内神経伝達物質が分泌されている量の差ではないかと思われる。PTSDになりやすい人は、オキシトシンやセロトニンの分泌量が少なく、ノルアドレナリンの分泌がそもそも多い人ではないかと思われる。

この辺に、PTSDを和らげるヒントがありそうだ。つまり、オキシトシンとセロトニンの分泌量を増やし、ノルアドレナリンの分泌量を抑制すれば、不安感や恐怖感を払拭することが可能になり、PTSDを癒せるのではないかと思われる。セロトニンやオキシトシン、ノルアドレナリンなどの脳内ホルモンを正常に分泌するには、腸内環境整えるのが良いと言われている。腸内細菌の善玉菌が増えるような食生活が良いだろう。食物繊維の多い野菜や海藻を食べ、発酵食品を摂るのがよい。食品添加物の入った食品は避け、伝統的な和食を勧めたい。そうすれば、交感神経のバランスが取れるし、脳内ホルモンは正常になり、PTSDを和らげることに繋がる。

PTSDを自分で癒せる心理療法もある。それはマインドフルネスというコーピングである。抱え込んでいる心的外傷に心が支配されているから、いつも苦しんでいる。考えないようにすればするほど、そのトラウマが自分の心に重くのしかかる。だから、少しの時間でもいいから、この心的外傷を忘れることが出来たら、人間の脳は活性化する。しばしの時間であっても、トラウマの思考を停止させることで、自分でその解決に向かって進めるのである。言い換えると、自分の心をトラウマの記憶が支配する限り、他の有効な解決策を考えられないが、トラウマを一時的に手放すことが出来たら、冷静に判断できるようになるということである。その方法がマインドフルネス、つまりは他の思考で心をいっぱいに満たすことで、トラウマの記憶を停止させる方法なのである。

勿論、マインドフルネスでトラウマの記憶を完全に消し去ることは不可能だ。しかし、トラウマの記憶を右脳から左脳に移し替えることは可能である。マインドフルネスを実践して、冷静に自分を見つめることが出来て、トラウマの記憶を客観的に観察すると可能になる。トラウマの記憶が右脳にある時は、悲しい、苦しい、辛い、憎い、怒る、そういうマイナスの感情と共にある。だから冷静にしかも客観的に観察できないので苦しむ。ところが、何度もマインドフルネスをすることで、自分の記憶を右脳から左脳に移し替えられる。そうすると、トラウマの記憶に対する不安感や恐怖感も和らげられるのである。マインドフルネスだけでなく、適切なカウンセリングも同じように右脳から左脳に記憶の移し替えができる。ブログや日記を書くことでも可能だ。PTSDは自分でも癒すことが出来るということである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、PTSDを自分で癒す方法をレクチャーしています。食生活もそうですが、マインドフルネスの実践法、右脳から左脳へのトラウマ記憶の移し替え方法、不安感や恐怖感を捨て去る認知行動療法、様々な実践編をお伝えします。これは、ストレス解消法にも通じます。なお、PTSDに苦しんでいらっしゃる方を、メッセージのやり取りでもある程度癒すことが可能です。是非、お問い合わせをしてください。

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パニック障害の原因と対策

パニック障害は、なかなかやっかいな精神障害である。薬物療法によってある程度症状は抑えられるものの、完治するには長い年月を要するケースが多い。中には、完治することなくずっとパニック発作に苦しめられている患者も少なくない。緊急避難的に薬物療法に頼ったとしても、完治するためには適切な心理療法が必要だと思われる。パニック障害の原因は、完全に解明された訳ではなく、通称脳内ホルモンと呼ばれる脳内神経伝達物質の分泌異常だと推測されている。

関係している脳内ホルモンは、次の三つだと言われている。ノルアドレナリン、セロトニン、GABAであり、そのうちノルアドレナリンが過剰に分泌されることが一番影響しているらしい。セロトニンとGABAの分泌は少なくなるという。何故、ノルアドレナリンが多くなりセロトニンが少なくなるかというと、偏桃体が過剰に興奮するからだと推測されている。海馬などの大脳辺縁系の異常も指摘されている。つまり、大脳辺縁系などの脳が誤作動することによるものではないかと考えられている。

何故、脳が誤作動を起こすのかと言うと、自分で処理するのが不可能な急激で巨大なストレスがもたらされたからではないかと思われる。脳のシステムは複雑である。乗り越えることが不可能な強大なストレスやプレッシャーにさらされると、自分の心身を守るために防護システムを作動させる。ところが、その防護システムというのは両刃の剣であり、その防護システムが暴走してしまい、過剰反応、いわゆる誤作動を起こすらしい。これが、パニック障害などの精神障害を起こすシステムだろうと推測されている。

さて、パニック障害を乗り越えるには、この誤作動を正常に戻してあげれば良いのだが、これはなかなか難しい。しかし、けっして不可能ではない。まずは、脳内ホルモンの異常分泌を和らげる方法であるが、腸内環境を改善することで可能となる。パニック障害を起こしやすい人、またはパニック障害になった人の食生活は乱れていることが多い。自律神経のバランスも崩れて、交感神経が異常に興奮しやすくなっている。野菜や海藻が中心の食事、それも食物繊維が豊富な食材を利用した食事を摂るとよい。特に発酵食品が最適である。乳酸菌、特にビフィズス菌などは善玉菌と呼ばれている有用な腸内細菌である。

肉類はあまり摂らないほうが良いと言われている。腸内細菌の悪玉菌を増やすし、自律神経の交感神経を興奮させやすい。肉類を常時大量に取る人は、どうしてもキレやすくなる。粉食を避けて粒食を推奨したい。パンや麺類はなるべく摂らずに、米食中心で伝統的な和食を勧める。特に悪いのはカップ麵である。ジャンクフードやファストフードは避けたい代表的な食品である。添加物が多く入った惣菜や加工食品も避けたい。お酒は、飲み始めの時間は交感神経の副交感神経を優位にするが、2時間を過ぎると逆に交感神経を興奮させてしまう。出来たら、毎日飲むような習慣性の飲酒は慎みたい。

最近になってパニック障害に影響する新たな脳内神経伝達物質が注目されている。それは、幸福ホルモンや安心ホルモンと呼ばれているオキシトシンである。このオキシトシンが不足すると、不安や恐怖感がマックスになりやすい。オキシトシンというホルモンは、別名愛情ホルモンと呼ばれ、愛情不足になると分泌されなくなる。したがって、豊かな愛を実感することで増える。しかも、愛を体感することが必要である。愛する人とのスキンシップやハグ、または手をつなぐという行動がオキシトシンを増やす。それ以上の激しい愛の行為もお勧めである。さらには、見返りを求めないボランティアや市民活動もオキシトシンを増やす。このボランティアは、セロトニンも増加させるから一石二鳥である。

パニック障害になった人は、どうしても将来に対する不安が大きい。何がどうのということではなく、漠然とした未来への不安がある。その不安をないことにしたくて、考えたくないと封印するケースが多い。実は、これが逆にやっかいな突然の発作を起こすのである。本当は、この不安に対して逃げずに向き合い、不安を認め受け容れることが必要なのである。その為には、マインドフルネスという手法を利用したストレスコーピングや、適切なカウンセリング支援が必要であろう。いずれにしても、パニック障害はライフスタイルを抜本的に変えて、認知傾向を変化させなければ乗り越えることが出来ない。逆に言えば、これが実施できたらパニック障害を乗り越えられるということである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、パニック障害の方々に対するサポートをしています。まずは数日間イスキアの郷しらかわに宿泊して、食生活などのライフスタイルを抜本的に変えます。その間、ストレスコーピングの方法や認知行動療法の仕方を学びます。マインドフルネスの実践もします。是非、ご利用ください。まずは問い合わせフォームからご相談ください。

休職による経済損失

最初に断っておくが、こんなブログの題名を見ると、休職者を責めているように感じることであろうが、そういうことはまったくない。休職をしてしまう要因は、本人にその責任がまったくないとは言えないが、企業・団体及び社会そのものに根本的な原因があるからだ。休職という選択肢を取らざるを得なかった事情があったことは、充分に理解しているつもりである。そのうえで、休職による企業・団体、および国家としての経済損失について、考察してみたい。

実に不思議な事であるが、現在休職している全国の総数を正確に把握している政府機関はないということである。マスメディアにおいて、これだけの数の休職者が存在しているというニュースを見た人がいるだろうか。おそらく皆無であろう。少なくても、教職員で休職している人数は文科省や都道府県の教育庁は把握しているであろうが、公開したという事実はない。行政職員も同様である。民間企業や各種団体もそれぞれの総務課・人事課は人数を把握しているに違いない。その数字を正確に把握して、何らかの対策を取ろうとしない厚労省の無策ぶりが情けない。

あくまでも想像でしかないが、休職している職員・社員・役員は相当な数にのぼるに違いない。身体的な疾病やケガなどで休職している数は変わらないとしても、メンタル的な原因による休職者数は鰻上りに増加しているということは間違いない。民間企業であっても、教職員を始めとした公務員、各種団体職員においても、メンタルによる休職者が増加していて、それぞれの企業・団体は苦慮している。これらの休職者の増加に対して、何らかの対策は取っているものの、抜本的対策は取られていない。したがって休職からの復帰はけっして多くないのである。

さて、どのくらいの人数が休職しているのかは後の考察にして、休職者一人当たり経済損失がどのくらいになるのかを考えてみたい。まずは企業団体側からみた経済損失を考察したい。休職者に支給される給料総額が年間600万円と仮定する。多くの大企業や中企業は、有給の休職期間を2年間としている。そして、さらに条件付きで1~2年の有給の休職を認めているケースが多い。有給での休職期間を3年とすれば、1,800万円となる。さらに、雇い主が負担する法定福利費を23%とすると、414万円になる。つまり、休職によって2,214万円の直接的な損失が雇い主側に生じるということである。

経済損失は、これだけではない。休職者がその部門に生じると、他の部署から異動させるか現在のマンパワーで無理して乗り切ることになる。当然、時間外勤務や休日出勤が増えたり、臨時職員や派遣職員を雇ったりするケースもある。休職した職員が、その部門で正常に勤務したら、とんでもない発明やイノベーションを起こしたかもしれないのである。官公庁であれば、給料以上の価値を生み出すということはあまりないと言われている。しかし、営利企業であれば、給料の1.2倍程度の利益を企業側に生み出すのは間違いない。

であるから、単純に計算すると、2214万円の2.2倍だから、営利企業だけで見れば休職者3年間のトータルで一人当たり4,870.8万円の損失になるのである。1年あたりで見ても、1,623.6万円という数字になるのである。これが上級管理者や執行役員クラスになると、おそらく年間3,000万円から4,000万円の損失になるのだ。こんな損失に対して、雇い主や管理者が何もせず傍観しているとしたら、とんでもない利益背反行為と言わざるを得ない。中企業であれば、常時2人から3人は休職している社員がいると思われるので、年間3,000万円から5,000万円の経済損失が見込まれる。大企業であれば数億円にも膨れ上がる。

官公庁職員の場合は、その経済損失を誰が負担しているかというと、我々国民である。官公庁職員だけでも、年間の経済損失は、数十億円から数百億円になると推測される。つまり、官公庁と民間企業団体の休職者による経済損失を全国規模で積算すると、おそらく数千億円にのぼると見られる。だから、厚労省が休職者の数を調査して、抜本的な対策を何も取らないというのが信じられないのである。民間化企業の経済損失だって、回りまわって国民にしわ寄せがきているのは間違いない。生産品や提供サービスの価格に転嫁されているからである。厚労省を動かすには、マスメディアが騒ぐか、政治家が働きかけるしかない。是非とも、このブログを多くの方々にシェアーしてもらいたい。

※休職されている方々を迎え入れて、社会復帰の手助けを「イスキアの郷しらかわ」は実施しています。休職者対策に苦慮されている企業や官公庁のご担当者は、是非ご相談ください。可能であれば、直接お邪魔してこの復帰支援システムについて詳しくご説明申し上げます。

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発達障害は緩和できる

発達障害が急増していると言われている。診断を受ける子どもや大人が増えたせいだとする専門家もいるが、その原因はまだはっきりしていない。どうやら、脳の誤作動、もしくは脳内ホルモンの分泌が不適切な状況になっているのではないかということが言われている。ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、ノルアドレナリンなどの脳の神経伝達物質、通称脳内ホルモンと呼ばれているものが不適切に分泌している状態のために、異常行動をしているのではないかという仮説が有力になっている。脳内ホルモンが異常分泌する理由は、確定している訳ではない。

脳内ホルモン分泌のアンバランスは、発達障害だけでなくパーソナリティー障害、うつ病、双極性障害などの精神障害をも引き起こすと言われている。これらの脳内ホルモン分泌の異常は、脳の働きが誤作動しているせいだと思われていたが、どうやらそれだけではないということが判明しつつある。人体というシステムは、脳がすべて脳内ホルモンの制御をしているのではなくて、人体の各臓器、または筋肉組織など身体全体がそれぞれのネットワークを組んでいて、全体最適の為に絶妙に協力し合ってコントロールしているということが解ってきたのである。つまり、脳がすべてを制御しているのではなくて、各臓器や各組織、または各細胞が自己組織性を発揮して、全体最適化を目指しているのである。

脳内ホルモンも本来は、人間全体が正常に、そして健康になるようにと、絶妙にバランスを取って分泌するというシステムなのである。それなのに、脳内ホルモンが異常な分泌をしてしまい、バランスが崩れている状況が、発達障害やパーソナリティー障害などの精神障害だと言えよう。ということは、脳内ホルモンの分泌を正常化することが出来たら、発達障害も緩和されるのではないだろうか。発達障害は、幼児期ならば投薬が可能で若干症状が緩和されることもあるが、大人の発達障害は医療による支援が難しい。脳内ホルモンをどのようにして正常に分泌させられたら、発達障害が緩和されるだろうか。

脳内ホルモンは、脳に直接働きかけても、正常にしかも豊かに分泌される訳ではない。脳内ホルモンが正常に分泌されるには、腸内環境が重要な働きをしているということが解ってきたのである。腸内フローラとも呼ばれるように、腸内細菌叢が花畑のように美しく広がる状況になれば、脳内ホルモンが活発に分泌されるということが判明してきた。腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌、そして日和見菌がある。これらの細菌の割合における絶妙のバランスが取れた時に脳内ホルモンが正常に分泌し、善玉菌が減って悪玉菌が増えた際に、脳内ホルモンの分泌が崩れてしまうと言われている。

腸内環境を正常にするには、やはり食べ物が重要な役割を果たす。腸内細菌が喜ぶ食べ物は、新鮮な野菜である。しかも、出来れば無農薬でオーガニックな野菜がベストである。減農薬で化学肥料を少なくして栽培した野菜でも効果が高い。少しの量でも構わないが、熱をかけていない野菜や果物を食事の最初に取るというのも効果がある。なるべく多種類の野菜と発酵食品を摂取すると、腸内環境は改善する。さらに、下腹部を冷やさない工夫も必要である。身体全体を温めるほうが良いが、せめて下腹部や下半身を冷やさないことが大切である。特に寒い時期は、腹巻やレッサグウォーマーが良い。殺菌剤や抗菌剤を用いたグッズに触れないことも良いし、食品添加物の入った食品を避けることも有効だ。ファストフードやジャンクフード、甘味料の多い飲料や食品は絶対に避けたい。

さらに、普段の生活も大事である。ストレスを減らし、不必要なプレッシャーをかけないことが脳内ホルモンを正常にしてくれる。一番悪いのが、本人の自主性や主体性を欠いてしまうような言動である。保護者が、これも駄目あれも駄目と過干渉の言動をしてしまい、子どもを支配し制御するのも、脳内ホルモンの分泌を阻害する。逆に、子どもの言動をなるべく支配せず、自主性や主体性を伸ばすようにそっと寄り添うのが良い。さらには、豊かな無条件の愛を注ぐことと、なるべくスキンシップを心掛けることも効果がある。家庭の中に心地よい居場所を作ってあげるのが肝心である。さらに、心地よい運動も効果がある。

このように、食生活と普段のライフスタイルを改善するだけでも、発達障害はかなり改善すると見られている。実際に、ある幼児の生活を改善したら、見事に症状が改善した例を見ている。それまでは、親が叱ったり怒ったりして、子どもの行動を制限していたが、なるべく本人の行動に対して危険な行動以外は干渉しなくなったのである。そして、なるべく自分で考えて自ら行動することを支援するようにしたのである。さらに、良く出来た時は抱きしめて「良く出来たね」と精一杯の笑顔でほめてあげたのである。これだけでも、見違えるように変化したのである。食生活の改善も含めて、豊かな愛で満たされた時に、発達障害は見違えるように緩和されるに違いない。

 

※発達障害を含めた様々な脳内ホルモン分泌異常の症状を緩和する方法についての研修を、イスキアの郷しらかわで常時開催しています。希望者があれば、一人でも実施します。食生活についても、イスキアで提供している食事を実際に食べてもらい実感できます。問い合わせファームから相談も承ります。

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パーソナリティ障害は治らないのか

パーソナリティー障害というのは、あくまでも単なる精神疾患ではないと言われている。確かに、性格や人格の偏りという捉え方もされているので、世間一般で言われているような精神疾患とは違う括りとして扱われているようである。そして、精神科医からみたら一番扱いにくく手強い精神障害であろう。治療が非常に難しく時間がかかることもあり、治療をしたがらない傾向が強い。現在の精神科医療は、爆発的に増加した患者に懇切丁寧に対応するのが物理的に難しくなり、投薬治療に頼らざるを得なくなっているという不幸な状態にあるので仕方ないかもしれない。

パーソナリティー障害の治療を困難にしている訳は、このパーソナリティー障害によって様々な併発する精神疾患が存在するからでもある。パーソナリティー障害を以下、便宜上PDと略することをお許し願いたい。例えば、境界型や反社会性のPDは、薬物依存やアルコール依存症を併発しやすいと言われている。回避性や依存性のPDは、うつ病を発症しやすいらしい。回避性のPDは社会不安障害を併発することが多いという。このように、いろんな精神疾患を起こして精神科医を受診して診察した結果、根底にこのようなPDが存在しているということが判明するのであろう。

このような合併症である精神疾患を最優先にして精神科医は治療行為をするのであるが、主に投薬や心理療法で寛解に向けて努力しても、残念ながらPDの改善は困難であることから、治療効果が上がりにくい。さらには、一度寛解したとしても再発することが多いという。治療が難しいのは特に境界型のPDである。何故ならば、境界型のPDは他のPDと複合のPDであるケースが多いからでもある。そして、自殺念慮を持つ境界型のPDがすごく多いとも言われている。うつ病単独の患者の自殺念慮は約3割なのに、境界型のPDの自殺念慮は6割以上あると言われている。

このように境界型のPDを初めとして、様々なPDの治療が困難なうえに、他との複合のPDが存在するし、自殺念慮もあることから、精神科医や各種福祉施設や支援施設も、本音では関わりたくないと思っている関係者が少なくない。特に医療機関では、境界型のPDの患者が自殺するケースもあったりして、入院患者として受け入れることに及び腰になりやすい。相談で関わったある父親の境界型PDの息子さんは、過去に何度も入院している精神科のある病院に緊急入院をしたいと行ったら、門前払いを受けたという。仕方なく帰宅した後に、不幸にも自宅の納屋で自殺してしまった。訴訟問題にも発展している。

このように、境界型のPDや複合型のPDはとても治療が難しいし、あまり治療効果が上がらないこともあり、さらには訴訟問題にも発展しやすいことから、医療機関は診療拒否ぎりぎりの対応をするケースが少なくない。だから不幸にも最悪の結果を迎えてしまうケースもあるのだ。さらに難しいのが、境界型のPDは信頼できる治療者に対して、転移や依存が起きやすい点である。境界型のPDは若い女性が多いが、理想とする父親像と治療者とを重ね合わせてしまう傾向がある。すべて依存してしまうこともあるし、恋愛感情に発展してしまうことも少なくない。だから、傾聴と共感のカウンセリングが非常に難しいのであろう。

しかし、だからといって境界型のPDを含めてすべてのPDの改善が出来ない訳ではない。一番効果のあるのが、生活習慣や生活環境を一変させて改善することである。出来たら、まったく自宅と違う環境にしばらく滞在して、食生活や普段のライフスタイルを一変させることが有効であろう。食事は、オーガニックの食材を用いて伝統的な和食の調理法で、野菜中心の食事をすることがよい。それまで溜め込んだ人工的な添加物や農薬と化学肥料をデトックスことが必要である。さらには、腸内細菌を活性化させる食事とおやつを食べることがよい。出来たら着用る洋服、特に下着はオーガニックの綿製を着て、回りの環境も出来る限り自然素材にするとよい。

さらには、運動療法がとても効果がある。のんびりとした農作業や自然体験、または少しハードな登山などもよい。対人関係で苦労しない、個人で楽しめるスポーツもよい。ヨガもよいしフィットネスもいいだろう。音楽鑑賞や楽器演奏もよいと思われる。周りの人々が愛情豊かに支援する場所で、安心できるに身を置くことが有効であろう。そして、何よりも大事なのは家庭に安心できる平穏な場所を確保することである。家族の関係性を見直して、豊かで平和な関係性を再構築されることを勧めたい。PDは『愛』が不足して起きると言われている。それも、慈悲や博愛のように見返りを求めない愛を求めている。PDはそのような豊かな愛によって心が満たされて、安心する居場所を確保された時に寛解するに違いない。

 

※イスキアの郷しらかわは、治療施設ではありません。あくまでも支援施設ですから、パーソナリティ障害を治癒させることは出来ないということをご承知ください。保護者の方の相談にいらっしゃる場所として、または患者さんご本人の保養施設としてご利用されることは歓迎いたします。さらには、目いっぱいに頑張っていらっしゃる保護者の一時休憩所としても最適です。主治医のご意見やご指導に添った対応をさせていただきます。下記の問い合わせフォームからご相談ください。

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引きこもりに対する父親の役割

引きこもりの子どもをどう扱ってよいか解らず迷っている両親は、相当に多いに違いない。叱って無理やり外に連れ出すのか、医療機関や専門家に任せるのが良いのか、それとも優しく諭すのがいいのか、そっと見守るしか術がないのか、悩んでいることであろう。勿論、同じ引きこもりの状態にあっても、子どもの性格から成育環境も含めて、みんな違っている。それゆえ、画一的な対応というか、正解だと言えるような対応の仕方なんてないと思っている人も少なくないと思われる。

引きこもりの子どもは、親にしてみれば実に扱いにくいことだろう。何を考えているか解らないし、予想がつかない行動をしがちである。また、気分もその日その時によって変化するし、突然キレたり怒り出したりするものだから、腫れ物に触るような対応をせざるを得ない。とは言いながら、親としてみればどうにかして社会復帰してもらいたい思いが強いことであろう。何故なら、どうみたって自分達のほうが先にお墓に行くことになる。自分たちが居なくなったらと思うと、その後の子どもの生活が不安でならないのは当然である。

引きこもりの子どもは、自分の人生や将来をどのように考えているのであろうか。本人に確認した経験はないものの、おそらくは今のままで良いとは考えていないのは確かであろう。そして、将来の不安も親と同等かそれ以上の不安を持っているに違いない。何とか現状を打破したいと思いながら、どうあがいても身体が動かないのである。社会復帰してほしいという親の願いは、痛いほど認識しているし、親が多大な不安を持っていることも先刻承知している。ところが、親が不安なればなるほど、不思議と子どもの不安も増幅してしまい、お互いにその不安を強化しあってしまうのだと思われる。

引きこもりが起きてしまっているのは、親に原因や責任がある訳ではない。勿論、本人にも責任はない。生きづらい世の中にしてしまっている我々の社会全体に責任があるのだと思っている。学校、地域、企業、職場に安心な居場所がないのである。家庭にも居場所がないけれど、自分の部屋だけがかろうじて認められるべき居場所なのだろう。引きこもりになってしまったのは、今の社会における人々の価値観が劣悪だからである。客観的合理性をとことん追求していて、行き過ぎた競争原理により関係性が破綻し、コミュニティが崩壊してしまっているこの社会には、安心する居場所がないに違いない。

勿論、家庭における父親もまた、そんな価値観に支配されてしまっている。それ故に、家族の関係性が希薄化してしまっている。家族の関係性が悪いのは、父親に正しい哲学や価値観がないからであると考えられる。しかし、そうなってしまったのも父親が誰からも正しい哲学や価値観を教えられていないのだから当然であるし、責められない。明治維新以降の近代教育導入から、正しい思想哲学の教育を排除し、それが戦後にさらに強化されてしまったのだ。親からもそして学校でも価値観教育がなくなってしまったことにより、人々は生きづらさを抱えてしまったのだと確信している。

それじゃ、引きこもりの父親はどうしたらいいのかというと、今からでも遅くはないから正しい価値観を学ぶことを勧めたい。それもこの世の真理に基づく正しくて普遍的な価値観を学ぶべきと考える。この世の中で、「父親学」というものが今必要なのではないか思うのである。イスキアの郷しらかわでは、この「父親学」をレクチャーしたいと考えている。単なる観念論ではなく、最先端の複雑系科学に基づいた真理である、システム思考の哲学という価値観の学びもするし、ノーベル賞を受賞したイリヤ・プリゴジンの提唱した自己組織化の理論学習をサポートしたい。そうすれば、子どもが尊敬して止まない父親の後ろ姿を見せられることであろう。

この関係性が劣悪化してしまった社会、つまり生きづらいこの世の中を変えない限り、引きこもりや不登校はなくならないかというと、けっしてそうではない。学校教育における価値観教育をしっかりするように、教育のイノベーションが必要だと思っている。しかし、この教育のイノベーションをするには、まだまだ世論が成熟していないこともあり、今すぐには難しい。家庭教育において価値観教育を始めるのは、父親が目覚めれば可能である。引きこもりの子どもは、父親に価値観教育に目覚めなさいと教えてくれているのかもしれない。父親が正しい価値観を確立して、引きこもりの子どもに対する価値観教育が出来れば、社会復帰が可能となるに違いない。社会が間違っていても、自分が正しいと確信する価値観を持っていれば、自信がついて社会に踏み出す不安がなくなるからである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、「父親学」の講座を実施しています。ご依頼があれば、出張講座も承ります。父親が不在で一人親の場合は、母親学としてのレクチャーもします。

空の巣症候群かもしれない

空の巣症候群と呼ばれる不定愁訴の疾病があるらしい。メンタル疾患というか気分障害のひとつである。子育てを終わった40代後半から50代の母親が陥る、つらい精神状態と身体症状のことを言う。子どもたちが学校を卒業して、社会人として独立して家を出て巣立ちをしてしまうことが原因で起きると言われている。鳥の雛たちが大きく育ち巣立ちして、空になった巣のような状態と似ているので、空の巣症候群と呼ばれる。母親がずっと面倒みて育てた子どもたちが巣立って、母親の心の中にぽっかりと空いた隙間が起こしている症状であろう。

子供に対する、ありあまる愛情を注ぎ育てた親としての役割が終わり、子どもをまるで失ってしまったような虚無感を感じ、孤独感までも心を支配してしまうという。本来であれば、子どもに代わり新たな生きがいを見つけることが必要なのだが、すぐには見つけられないものである。したがって、その寂しさや喪失感によるストレスから、心身の不調を起こしやすい。とくに子育てに熱心な親ほど、喪失感が大きいという。子どもに関わる時間と機会が多いゆえに、母親のほうが空の巣症候群になりやすいと言われている。

両親は通常、子供の自立を肯定し、積極的に勧めるものである。しかし、実際に手放してしまう段階になると、何とも言われぬ心痛を伴うことになる。子供が巣立ち、父親は仕事に打ち込んで不在がちとなり、家庭に取り残され一人になった母親は、生活にも張り合いがなくなり、孤独感に襲われるという。また、子どもの巣立ちの時期と、閉経や更年期の時期とが重なり、ホルモンのバランスが崩れて、体調不良が重症化しやすい。さらに、夫や自分の退職・異動などが重なる事態も起き、さまざまな原因がストレスや症状を増幅させ、総合的な影響を心身にもたらす。

世間的には子供の独立は当たり前であり、健全なことと受けとめられている。子を持つ親なら誰でも経験することであり、それを乗り越えて行くのが当然だという風潮があるため、悲しんだり寂しい気持ちを持ったりすることに罪悪感を持ち、我慢してしまう。その寂しさや苦しさを誰にも訴えられず、心に仕舞い込んでしまうことも重症化させやすい理由であろう。たとえば愛する人との死別のように、悲しみの感情が当たり前という認識がない。そのため、周囲をはじめ、ときには本人さえも気づかないことがある。

空の巣症候群は、身体症状が多岐にわたるため誤診されやすい。症状が進んでいくと、不眠や手の震えなどさまざまな症状が表れる自律神経失調症や、うつ病に発展してしまうケースも少なくない。身体症状としては、腰痛、肩こり、頭痛、吐き気、食欲低下、不眠などが現れる。このようなつらい状態から逃避するために、アルコール依存症に陥ってしまうこともよくあることだ。空の巣症候群は、本人も原因が思い当たらず、病院でも誤診されることがよくある。実際に、うつ病や自律神経失調症によく似た症状といえる。

この空の巣症候群にならない為に、どうしたら良いのであろうか。ならない秘訣のひとつは、子育て以外の生きがいを持つということである。子どもが巣立ちを迎える前から、子育てだけに心血を注ぐのでなく、趣味や地域活動、またはボランティアや市民活動にも生きがいを見つけておくことが肝要であろう。そして、子どもにだけ依存せず、または依存されず、徐々に自立を進めておくという配慮も必要である。さらには、子どもを所有物とせず、支配することなくコントロールするのを避けて、あくまでも子どもの尊厳を認めてあげることも、空の巣症候群にならない秘訣である。

もし、万が一空の巣症候群なったとしたら、一刻も早くその症状から抜け出さなくてはならない。その為に有効な方法は、自分の感じている寂しさ悲しさをけっして我慢しないことである。その苦しさをまるごと受け止めて、否定することなく寄り添い共感してくれる人に話すことだ。それも、何度も何度も同じことを言っても受け容れてくれる相手がいい。出来たら、それは自分に関係のない第三者がよい。しかも、家庭から離れた場所で、しかも自然が豊かな場所で何日か過ごすのもよい。そうすれば、少しずつ悲しみや寂しさが癒され、空の巣症候群から抜け出せるに違いない。

※空の巣症候群の症状に心当たりのある方は、イスキアの郷しらかわをご利用ください。まずは、問い合わせフォームからご相談ください。

    夫婦喧嘩は子どもの脳を破壊する

    夫婦喧嘩は犬も喰わないと言われていて、何となく微笑ましい光景に映るような印象を与えるが、実は子どもの脳に深刻なダメージを与えるという調査結果が出たという。昨夜のNHKクローズアップ現代で放映されていた内容は、実にショッキングだった。夫婦喧嘩を日常的に行っているのを目撃している子どもの心が、とても傷ついているというのだ。しかも、子どもの心のダメージは脳の器質障害までに及んでいて、記憶障害を起こすだけでなく、性格まで変えるという。たかが夫婦喧嘩ではなく、実に由々しき大問題なのである。

    夫婦喧嘩というと、いろんなケースがあるだろう。江戸時代におけるドラマなどを見ていると、昔の夫婦喧嘩というのは、微笑ましいようなじゃれ合いというような性格だったように思える。あくまでも虚構の世界なので、実際はどうだったかは判然としないが、おそらくは『犬も喰わない』ような、お互いの信頼関係がある中での触れ合いではなかったかと思われる。ところが、現代の夫婦喧嘩は実に深刻だというのである。お互いをどうやってやり込めるのか、どうすれば自分が優位に立てるか、どのように相手をギャフントさせようか、というパワーゲームに陥っているのである。

    日常的に夫婦喧嘩を目撃している子どもの心理状態を調査した結果によると、意外な結果が現れた。暴力を伴う夫婦喧嘩による影響はさほどないが、暴言による影響が非常に大きいという。しかも、夫婦喧嘩においてよく使われる方法が危ないというのだ。大きな声で罵り合うのも勿論駄目であるが、皮肉たっぷりの言葉、無視する態度、不機嫌な態度、無言の圧力、このような言動も影響が大きいと言われている。こういう両親の行動が、子どもの心を傷つけているらしい。毎日毎日このような暗くて陰湿な夫婦喧嘩がある環境に置かれた子どもの心と脳はズタズタにされているのである。

    このような環境に長くさらされた子どもの脳は、実に深刻なダメージを受けてしまう。なんと子どもの海馬が委縮したり前頭前野が破壊されたりするというのである。そうすると、記憶障害や学習障害が起こり、学校の成績が急降下してしまうだけでなく、学習意欲もなくなり不登校になるケースもあるらしい。さらに深刻な悪影響もある。夫婦喧嘩のある環境に長く置かれると、子どもは強い暴力性を持つというのである。親と同じように暴言を吐くし、キレやすく、他者に対する反抗的な態度をしてしまうらしい。つまり、学校内でも問題行動を起こすというのだ。

    これは大変な事態を起こすという意味である。子どもが家庭内暴力を始める要因のひとつが夫婦喧嘩にあるということだ。さらには、学校内においていじめという行為をしやすい子どもになってしまう危険性を持つという意味でもある。キレやすい子どもの要因のひとつが親の夫婦喧嘩にあるというのは、ショックなことである。DVやいじめが、親の夫婦喧嘩にも原因があるとしたら、重大事である。心当たりがあると思う親も多いに違いない。

    陰湿で汚い心理戦のような夫婦喧嘩は、子ども脳をどのように変えてしまうのであろうか。これらの子どもの脳をCTスキャンで確認した訳ではないが、おそらく脳の器質変化があると見られている。陰湿な夫婦喧嘩の環境にさらされると、子どもの脳の偏桃体は肥大すると言われている。そうすると、偏桃体からコルチゾールというステロイドホルモンを大量に放出するようにと腎臓の副腎に指示する。このコルチゾールは海馬に届き、海馬を委縮させる。さらに前頭前野にまで影響し、記憶障害や学習障害を起こし、キレやすい子どもにしてしまうと言われている。

    夫婦喧嘩は子どもにとって、絶対にしてはならないものである。夫婦喧嘩をしなければならないような夫婦の関係性に陥ってしまい、関係性の修復が絶対に不可能であるなら、別居や離婚をしたほうが子どもの健康にとっては好ましいと思われる。とは言いながら、経済的な問題があるから難しいのであるなら、夫婦が徹底的に対話をして関係性を改善すべきであろう。偏桃体が肥大化して、海馬や前頭前野が委縮した脳であっても、生活環境が改善すると、脳もまた元通りになるのが確認されている。とすれば、一刻も早く夫婦の仲直りをして、睦まじい夫婦になる努力をすべきであろう。

     

    ※夫婦喧嘩をしてしまうような環境に置かれている子どもさん、または夫婦仲が悪くていつも言い合いをしてしまうご両親の方々、どのようにすれば夫婦の関係性改善が出来るのかを、イスキアの郷しらかわはサポートします。まずは問い合わせフォームからご相談ください。相談は、メールでも対面であっても無料です。

    よいお母さんをやめる日

    不登校や引きこもり、またはDVなどの問題行動を起こすお子さんを持つお母さんは、極めて真面目で素晴らしいお母さんが多い。つまり、日本の典型的な『よいおかあさん』なのだ。こんなにもお子さん思いで、誰もが認める良いお母さんなのに、どうしてお子さんが不登校になるんだと不思議に思う関係者が多い。例外もあるが、おしなべて良いお母さんで、しかも教養が高くて見識も高い。お母さんの学歴が高いケースが多い。そして、子どもの教育に懸命であり、息抜きや手抜きが出来ないし、いい加減な処がないのである。

    さらに、不登校や引きこもり、またはDVなどの問題行動を起こしていることに対しての捉え方、考え方がまた良いお母さんなのである。たいていのお母さんは、こういう状況になってしまったのは自分のせいだと思い、自分を責めるのである。誰かの責任にしたり、子どもが悪いなどとは露ほど思ったりせず、自分の責任だと自らを責めるのである。さらに、父親はというと、やはりこうなったのはお前の子育てが悪かったのだと妻を責めるケースが多いのである。言葉に出して言わなくても、不機嫌な態度や表情をして妻を暗に責めることが多い。こうして、やはり自分が悪いんだと母親は落ち込むことになる。

    よいお母さんは、子どもが不登校や引きこもりになってしまった原因をあれこれと考える。自分が甘やかしすぎたせいであろうか、過保護し過ぎたのが悪かったのだろうか、そんなことを考えるケースが多いという。夫からも同じことを言われることが多いし、真面目なものだから、自分を責めるのである。しかし、甘やかし過ぎて不登校になることはけっしてないし、過保護が原因で引きこもりになるケースは殆どない。不登校になるのは、親子、夫婦、家族の関係性が希薄化、もしくは低劣化しているからである。

    結論的に言えば、不登校、引きこもりになる原因は、お母さんにはないと言ってもよい。世間では、不登校はお母さんが甘やかし過ぎたせいどこうなったとか、過保護が原因だと思っている。お母さんも、それが原因だと思い込んでいて、悔やむ。しかし、過保護が原因で不登校になるケースは殆どない。過保護というと悪というイメージがあるが、幼少期には必要なことである。子どもというのは、無防備で危険な事も解らないし、ちょっと目を離すととんでもないことをやらかしてしまう。だから、母親は常に子どもを守らなければならない。沢山の愛情をかけ続けなければならない。

    ただし、よく勘違いされるのは過保護と過干渉を同じものと捉えていることである。これは、まったく違う概念である。過干渉というのは、子どもの言動に対して何でもかんでも干渉したり、先回りしてすべて子どもの言動を先取りしたりすることである。根底には、無意識で子どもを自分の所有物と勘違いして、支配し制御を繰り返してしまう心が存在しているのかもしれない。そうなってしまう原因は、父親が子育てに非協力というか、子育てに必要で大事な父性愛を発揮できていないからであろう。したがって、母親が母性愛だけでなく父性愛まで発揮せざるを得なくなり、過干渉になっているのではないかだろうか。

    過干渉にならないようにする為には、父親に本来の役割を果してもらうことである。そのうえで、母親は子どもが自分で判断し行動するのをそっと見守り続けるだけでよいのではないだろうか。さらに、母親があまりにもよいお母さんを演じるのを、少し控えてみてはどうかと思う。子どもと母親というのは、非常に強い関わりと絆が存在する。無意識で深く繋がっている。母親が不安になったり元気がなくなったりすると、子どもにもその気持ちが伝わり同じような状態になりやすい。母親が怒りや憎しみを持ち、それを我慢していると、不思議と子どもがそれをまったく同じように感じて、不機嫌になってしまうのである。だから、母親は平穏で安らかな気持になったほうが良いのである。

    母親は、今まで良いお母さんとしてずっと頑張ってきたのだから、少し息抜きをしてもいい。子どもと夫とも一時的にでも完全に離れて、休暇を取ってもいいだろう。あまりにもよいお母さんを続けてきたものだから、心が一杯一杯になってしまい、かえって不安になったり恐怖感を持ったりしまったのではないかと思われる。その不安が子どもにも伝播したのかもしれない。たまには、よいお母さんを止めて、子どもの人生は子どもにすべてを任せてもいいんじゃないかと思う。よいお母さんを一切やめてもいいし、ちょっといい加減なお母さんでもいい。子どもが自分でしっかりしなくちゃと思うようなお母さんでもいいではないかと思う。思い切ってよいお母さんをやめてみたらどうだろうか。

     

    ※子育てに疲れ切ったお母さん、家族との関係で悩み目いっぱいになってしまったお母さん、子育ての悩みでどうしようもなくなったお母さん、一時的に家庭のすべての問題から離れて自分を見つめ直してみてはどうでしょうか。イスキアの郷しらかわでは、そんなお母さんに1泊してもらい、マインドフルネスを実践してもらったり、悩み苦しみをまるごと受け止めてもらったりして、元気さを取り戻し、不安から解放されるサポートをしています。まずは下記からご相談ください。

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