日本の経済成長は、先進国の中で最低である。とりわけ低迷しているのは、実質賃金である。先進国の中で、実質賃金が下がっているのは日本だけである。この20年間で、10%以上も実質賃金が下がっているのは特異的である。何故、実質賃金が下がっているのかというと、デフレ傾向、低金利、生産性の低迷、所得分配率の低迷、非正規雇用者の増大などが原因だと言われている。本当にこれらが原因なのであろうか。だとすれば、政府の経済政策や金融政策で何とか出来る筈だが、20年間にも渡って改善されないのはどうしてだろうか。
岸田政権は、安倍と菅が推し進めた政策を見直し始めている。所得の分配率を高めようと、税制を変更までして、企業に昇給圧力をかけている。しかし、この税制改革が成功するとは到底思えない。また、いくら設備投資をさせようと企業に圧力を加えたとしても、企業経営者たちは応えようとはしないだろう。何故ならば、企業経営者並びに幹部たちは、新規設備投資をするとか、イノベーションにチャレンジをするなどの積極的な企業経営をする筈がないのである。経営者たちはおしなべて不安感や恐怖感を抱いており、臆病だからである。
大企業の経営者たちは、新たな設備投資をすることに対して慎重姿勢を崩さない。賃金を上げることにも消極的である。さらに、利益が確保されているし株価は安定しているから、無理をしてイノベーションをしなくても良いだろうと考えている節がある。これでは、絶対に好況になることはない。さらに企業における日本の生産性が、他の先進国と比較して、極めて低いという問題もある。特にホワイトカラー労働者の生産効率が低いと言われている。これもイノベーションが実行出来ていないせいだと思われる。
大企業の経営者だけでなく、日本国民全体が将来に対する不安を抱えているとしか思えない。良く言えば慎重だということだが、新しいことに挑戦する勇気がないのである。不安や恐怖感が拭えず、無難な考え方や生き方しか出来ないのである。何故、そんなに臆病なのかと言うと、絶対的な自尊心が育ってないからと言える。青少年の意識調査を国際比較してみると如実なのであるが、日本の青少年の自己肯定感が異常に低いのである。さらに、主体性や自発性、責任性が他国の若者と比較すると極めて低いということが解っている。
主体性、自主性、自発性、責任性というのは、人間が生まれつき持っている『自己組織化』の働きのことだ。現代の日本人は、この自己組織化する働きが著しく低下しているのである。つまり、日本人は自己肯定感が低下しているし、自己組織化する働きが低迷しているので、企業におけるイノベーションが進まず、生産効率が低いのであろう。何故に日本人の自己組織化の働きと自己肯定感が低いのかというと、それは端的に言えば『愛着障害』を抱えているからである。愛着障害が根底にあるから、将来に対する不安が強く勇気が持てないのである。
根底に愛着障害があると、オキシトシンが不足するのでいつも不安が強くて、無難な生き方しか出来なくなる。新たなチャレンジにも挑戦出来なくなるし、現状を守りたいという意識が強く保守的になる。現代の若者が政治的に保守的なのは、愛着障害を抱えているからに他ならない。消費意欲が湧かずに貯蓄が増えるばかりなのは、愛着障害による不安のせいである。大企業経営者が新規の設備投資意欲がないのも、そしてイノベーションに踏み切れないのも愛着障害だからである。自己組織化の能力が低いからイノベーションが実行できないのであろう。
日本人の大多数が愛着障害であると言っても過言ではない。何故、そうなってしまったかと言うと、学校教育と子育ての間違いからである。自己肯定感と自己組織化を育てる教育をしてこなかったせいである。自己肯定感は、0歳から3歳くらいまでの間、母親が我が子をありのままにまるごと愛さなければ育たない。つまり無条件の愛である母性愛を注ぎ続けなければ自尊心は芽生えない。さらには、自己組織化を阻害するような教育ばかりを家庭も学校もしたのだ。強い干渉や介入をして、支配し制御する教育をしたのだから、自己組織化する筈がない。故に多くの日本人が愛着障害を抱えているせいで、日本経済は低迷しているのである。教育のイノベーションが必要なのは言うまでもない。
こんばんは!はじめまして!
弘前の初女さんの生き方を拝見し、又白河にも同じような方がいらっしゃる。嬉しくなりました。一度訪ねたいですが、あいにくのウイルス感染症対策で残念です。オープンしたらお知らせくださいませ!
新田光子さま、コメントありがとうございます。
再オープンしましたら、お知らせいたしますので、
もうしばらくお待ちくださいませ。