気象病のつらい症状を和らげる

気象病という病気があるということが、ようやく世間に認知されてきた。気象病という疾病を専門的に研究している医科大学の教室もあるくらいで、それだけ多くの患者がいるという証左であろう。この気象病のつらさは、本人でないと解らないだろう。なにしろ、痛みやしびれ、だるさと不快症状は、半端ないのである。自分も軽い気象病だから、その苦しさはよく解る。台風や低気圧、寒暖差、湿度、あらゆる気象条件の変化に身体がついて行けなくて、つらい身体症状が現れる疾病である。自分の力ではどうにもできないから苦しいのである。

 

気象病とは、気象条件の変化により、強い痛みやしびれなどの身体症状を表出させる疾病である。原因としては、低気圧による酸素不足から、交感神経が停滞して副交感神経が働き過ぎて痛みなどを発症するメカニズムだと推測されている。あくまでも推測なのだが、副交感神経が強く働くと、一時的な低血圧状態になったり血流の停滞が起きたりする。そのせいで、一時的な血管拡張や筋肉収縮に伴う血管などの圧迫が起きて、頭痛や肩こり腰痛などが発症すると推測される。特に台風などが近づくと、脳圧亢進による頭痛に悩まされる人が多い。

 

気象病で一番つらいのは、なんと言ってもしつこい頭痛だろう。あまりにも酷い頭痛だと、睡眠だって満足に取れなくなる。しかも、通常の鎮痛薬が効かないケースも少なくない。何故かというと、脳神経が興奮して起こす頭痛もあるからだという。そして、気象病による頭痛が頻繁に起きていると、低気圧が来るというだけで、脳が勝手に頭痛を起こしてしまうからやっかいである。だから、脳神経を遮断したり和らげたりする鎮痛剤が効く頭痛があるのだ。この頭痛だけでも和らげることが出来たら、楽になると思われる。

 

この気象病という病気は、鎮痛薬を飲む対症療法しかないと思われていたが、最近は市販の漢方薬も発売されているらしい。気象病が起きると予想された時に、事前にこの薬を飲むと症状が軽く済むと謳っている。それ以外に、気象病のつらさを和らげる方法としては、肩や首を軽くさすったりマッサージしたりするのが良いと思われる。あまり強く揉むと逆効果になる場合もあるから、固まった筋肉を緩める程度が良いと言われている。筋膜を揺すってリリースしたり、背骨や腰椎部分を左右にゆすって緩めたりする方法も良さそうだ。

 

この気象病は、特定の季節に起きる傾向がある。秋の台風シーズンは勿論だが、春先に移動性の低気圧と高気圧が頻繁に訪れる季節にも気象病が起きやすい。つまり、気圧の変動が著しい時期にこそ気象病の発症が多い。ゆっくりと移動する低気圧や高気圧なら身体が適応するものの、移動スピードの速い低気圧による気圧変化には適応しにくいのが人間の身体なのであろう。そして、気象病を起こしやすい体質があり、すべての人間が不調になる訳ではない。神経が過敏な人が気象病になり、鈍感な神経を持つ人は症状を起こさないらしい。

 

気象病を起こさないようにするため、またはその症状を軽く済ますためには、神経が過敏にならないようにすればいいが、自律神経であるから自分の意思ではどうにもならない。ただし、ストレスや疲れを溜め込まないようにするだけで、症状は軽くなろう。血流障害によって脳の血管内にうっ滞が起きて、脳への圧迫による頭痛が起きる。したがって、食事等で血流をさらさらと流れるようにすれば、脳内の圧迫も軽くなるに違いない。筋肉の緊張や収縮を防ぐことで肩凝りからの頭痛も防げる。軽い運動やストレッチ、そして軽いヨーガも効果があろう。

 

気象病の重い症状を起こす人に特徴的なのは、不安や恐怖を抱え込んでいる人である。そして、HSPの人も多い。したがって、日頃から身体全体が緊張する傾向にある。真面目で、頑張り屋さんが多い。気象病が女性に圧倒的に多いのは、心の不安が大きいからであろう。そういう意味では、誰かに守られていて寄り添ってもらっているという安心感があれば、気象病が起きにくいと思われる。自分にとっての安全と絆である『安全基地』がしっかりと設置できれば、気象病の症状を軽くできるかもしれない。安心できる安全基地との絆を深く結ぶのが、一番効果があるのではないかと思われる。

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