子どもの腰痛は危険!

腰痛を訴える子どもが増えているという。腰痛と言えば、本来は中高年の男女が悩む症状なのであるが、それがどうやら子どもたちにも急増してしまっているらしい。若い筋肉と骨格を持っている子どもが、腰痛を患うことは本来あり得ないことである。しかし、実際に腰痛を子どもたちが訴えている。腰痛を主訴に整形外科を受診している子どもが大勢いるというから驚きである。それも、腰痛だけでなく首の痛みや肩こりまで訴える子どもが多いというのは、まるで高齢者のようではないか。

医療の専門家によると、子どもたちの腰痛や肩こりの原因は、重すぎるランドセルによる筋肉痛ではないかという分析をしている。昔のランドセルと違って、一回り大きくなって豪華になったお陰で重量も増しているという。そこに、教科書や副読本の記載内容増えて、重くなっているらしい。そこに、塾の参考書も入っているというのである。重くなり過ぎたランドセルを背負って、学校から塾にまで遠回りして帰るので、筋肉痛が酷くなっているというのである。

果たして、それが腰痛のすべての原因なのであろうか。腰痛が起きている原因は、骨とか神経系ではないというのは、確かだそうである。あくまでも、筋肉内に起きているというのは間違いなさそうである。疲れによって筋肉に痛みが起きるメカニズムというのは、こういうプロセスを辿ると見られている。まずは筋肉が疲労してくると、血管内に疲労物質の乳酸が溜まる。さらに筋肉が疲れてくると、筋肉が収縮する。そうすると、血管が圧迫されて細くなる。血管内の血液の流れが悪くなり、乳酸が流れにくくなり痛みを発するらしいのである。

ところが、この乳酸原因説は現在否定されつつあるというのである。運動後、乳酸が多くなると言われていたが、実際に乳酸値を測定するとあまり増えていないことが解ったのである。最近では、筋肉痛の原因は筋繊維の炎症によるものだという説が有力である。筋肉を使い過ぎると、筋肉繊維の細かい部分が傷ついてしまい、その傷を治す時に炎症が起きて痛みが発するという説が有力になった。傷を治す際に、ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどが筋肉内の血管に多く生まれて痛みが出るらしい。

子どもの腰痛は、この菌繊維の炎症によるものであろうか。どうも、この菌繊維の炎症による筋肉痛とは違うような気がするのである。腰痛が起きる他の原因というと、繊維筋痛症がある。これは脳の誤作動によるものだと言われている。他にはTMS(緊張性筋炎症候群)というものがある。これは、怒りとか憎しみを無意識下で脳が忘れさせようとして起きる痛みである。子どもの腰痛の本当の原因は、もしかすると脳による誤作動か無意識下で起こしている筋繊維の炎症かもしれない。これらの要因は、ストレスやプレッシャーからである。子どもたちの脳に大変なことが起きているのかもしれない。

今までの多くの方々の心と身体の悩み相談を受けていて、メンタルや深刻な身体の疾病についての経験談を聞かせてもらった。その中で殆どの人に共通しているのが、重大な疾病やメンタル障害を起こす前に辛い腰痛の症状があったという点である。不思議なことに、多くの人々が腰痛や肩こりに長い期間悩まされてきて、最期にはメンタル障害や重篤な疾患に追い込まれているのである。そして、家庭や職場で多大なストレスやプレッシャーに悩まされていたというのも共通している。特に、深刻な人間関係に悩んでいて、自分の努力ではどうしようもない状態に追い込まれていたというのである。

もしかすると、子どもたちの腰痛の身体的な原因ではなくて、多大なストレスやプレッシャーによるものではないのではなかろうか。中学生受験や学業成績に対する親からの過剰なプレッシャー、回りの教師や学友からのいじめや嫌がらせによるストレス、家族との軋轢などが複雑に絡みあって、子どもたちの脳に無意識に誤作動などを起こさせて、痛みを発症しているとすれば大変なことである。近い将来、メンタル障害や重篤な身体的疾患を起こしはしないだろうか。または不登校やひきこもりを起こす前の症状ではなかろうか。深刻な腰痛や肩こりを起こしている子どもたちに対して、適切なカウンセリングが必要ではないかと思われる。単なる腰痛だからと、投薬治療を選択してほしくないものである。腰痛はメンタル障害のサインだと心得たい。

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