アスリートなら誰でも一度は経験するスランプ。生涯に何度もスランプを経験する選手もいる。スランプ経験なんかしたことがないというアスリートもたまに存在するが、滅多にいない。ましてや、トップアスリートなら必ず一度や二度のスランプを経験している筈だ。スランプを乗り越えることは難しい。これといった原因が見つからないことが多い。また、芸術家や文芸家にもスランプがあるし、タレントや芸能人もスランプに陥るケースがある。そして、その原因が解らずスランプに苦しみ続けることが多いし、そのスランプを乗り越えることが出来ずに、廃業にまで追い込まれる人も少なくない。
スランプになる『きっかけ』は、実に様々である。そして、スランプに陥った人はよくよく深く考えて、そのきっかけに気付いて、それを除外する為に努力する。しかし、そのきっかけを取り除いたとしても、不思議なことにまた違う『きっかけ』が起きてしまうのである。ひとつ解決しても次から次へと『きっかけ』が起こり続けて、スランプから立ち直れないのである。つまり、スランプの本当の原因を把握できず、場当たり的な対応をしている限り、スランプを克服できないのである。
アスリートがスランプに陥るきっかけは、技術的な側面もあるが、それ以上に重要なのがメンタル面である。身体というのは、実に不思議なものである。一度精神的な不安や恐怖感を感じてしまうと、筋肉が固まってしまい、いつもと違う動きになってしまう。ゴルフのトッププロが、4パットや5パットをする場面が放映されることがある。あんなこと、普段ではありえないのである。優勝が決まるかというような最終ホールのティーショットで、身体の回転が止まってしまいひっかけOBなんていうケースが実に多い。アスリートがスランプになるきっかけはメンタル面にあると言われているのも頷ける。
大スランプに陥っているのが、あのタイガー・ウッズである。彼は、酷い腰痛を起こしてから思うようなスィングが出来なくなり、スィングのバランスを崩してしまい、復帰の目途さえ立たない。全盛期には、どれだけプレッシャーがかかったとしても、またはどんなに難しいショットが要求される場面でも、いとも簡単にスィングしていたのに、見る影もないようなアンバランスなショットをしている。人間という生き物は、どこか1か所に不安の要素を抱えてしまうと、すべてが駄目になるものらしい。このようにして、大スランプから抜け出せないで苦しんでいるアスリートは少なくない。
大スランプに陥る原因を脳科学的に分析してみたい。長い期間のスランプに苦しんでいるアスリートの殆どは、不安と恐怖心からリズムとフォームを崩している。脳科学的には、脳内ホルモンであるオキシトシンの分泌が極端に減少しているか枯渇しているケースが多い。それだけではないが、今まで十分な量を分泌していたのに出ていないのだから、不安感や恐怖感を払拭できなくなっている。それじゃ、何故そんな状況に陥っているかというと、人間関係を損なっている場合が多いと推測される。夫婦、恋人、親子、兄弟、友人の関係性が、劣悪化もしくは希薄化してしまっているのである。それがオキシトシンの分泌不足を招いているのである。
このオキシトシンの分泌不足はアスリートだけでない。日常生活においても、得も知れないような不安と恐怖感から、メンタルが落ち込んでしまったりパニック障害になったりするケースも、このオキシトシンの分泌不足から起きることがある。つまり、日常生活におけるスランプもまた、このオキシトシンの影響がある。親しいパートナーとのある事件や事故などをきっかけに劣悪化してしまい、修復不可能な関係になってしまったケースを思い浮かべれば、解ってもらえると思われる。タイガー・ウッズはまさにそんなケースから、腰痛になり最悪のスランプになった。イチローが一時期スランプになったのも同じケースであろう。
オキシトシンは、深いスキンシップや愛情豊かな触れ合いにより大量に分泌される。このオキシトシンが十分に分泌されていると、どんなにプレッシャーがあっても不安にならない。またはストレスが大きくても、けっしてメンタルが落ち込まない。だから、スランプを乗り越えるにはオキシトシンを分泌させるような暮らしをすれば良いのである。性的な触れ合いが一番確実なのであるが、相手がなければ難しい。ペットとのスキンシップも効果あるし、社会貢献活動も有効である。ボランティアや公益活動をして、相手から大きな感謝と愛を与えられると、オキシトシンが多量に分泌される。不安感と恐怖感にさいなまれている人は是非試してほしい。
※スランプを乗り越えるための相談・カウンセリングを、イスキアの郷しらかわでは承っています。どんなご相談でも受けたいと思いますので、『問い合わせ』のフォームからメッセージを送ってください。秘密保持をお約束します。スランプに陥った本当の理由を明らかにして、その乗り越える方法を一緒に考えます。ご遠慮なくご相談ください。相談料はいただきません。