メンヘラ女子を卒業する方法

 メンヘラ女子という言い方があることを、中高年の方々は知らないであろう。ネットの世界で広まっているだけで、メンヘラというのは正式な医学用語でもない訳だから、当然だと言えよう。メンタルヘルスから派生した言葉であり、転じてメンタルを病んでいる人という意味で使われている。それも軽症のメンタル疾患であり、入院や投薬の治療も必要ではなく、単に生きづらいとか常に悩みを抱えていてメンタルが落ち込んでいる人という括りである。だから、重症のメンタル疾患で、入院治療が必要なレベルはメンヘラ呼ばないらしい。

 メンタルを病んでいる人は、通常はその事実を隠したがるが、自分がメンヘラ女子だとカミングアウトすることが少なくない。匿名だけでなく、FBなど実名を晒しているSNSでも、広く知らしめるケースも少なくない。おそらくは、カミングアウトすることで自分の苦しさを理解してもらえることの方が、隠すよりも得策だと考えているからではなかろうか。メンヘラ女子という言葉は、メンタル疾患という言葉よりも軽い印象を与えるので、自分がメンヘラ女子だと言いやすいのかもしれない。

 メンヘラ女子という言葉は、軽い印象を与えるかもしれないが、本人は辛い症状や苦しい胸の内を抱えていて、強い生きづらさを抱えていると思われる。何とか仕事をしているものの、職場でも働く喜びを感じにくいし、上司や同僚ともしっくり行かないことが多い。家族とも良好な関係を築くのが、難しい状況にあるケースが多い。特定の恋愛パートナーとも、一時的には上手く行っても長続きすることも少ないし、ゴールインすることも少ない。よしんば結婚できたとしても、やがて破綻することも多いことだろう。

 自分がメンヘラ女子だとカミングアウトするのは、苦しくてどうしようもないから自虐的になっているのかもしれない。そして、誰か私を救ってよと助け船を求めているような気がする。しかしながら、現代の精神医療のレベルではメンヘラ女子を救うことが出来ないし、優秀なカウンセラーやセラピストでも一時的なやすらぎは与えられても、完全治癒までは導けないであろう。何故なら、メンヘラ女子の根底に『愛着障害』を抱えているからだ。愛着障害を乗り越えることが出来たなら、メンヘラ女子も卒業できるが、それは極めて難しい。

 それでは、メンヘラ女子を永久に卒業することが出来ないのかというと、けっしてそうではない。適切な愛着アプローチという方法により、メンヘラ女子という呼び名を返上するのは可能である。つまり、抱えている愛着障害を癒すことにより、メンヘラを卒業するという方法だ。愛着アプローチは、可能ならばオープンダイアローグという療法と併用するとより効果が高まる。オープンダイアローグとはミラノ型の家族療法の一手法だ。親と一緒にこの療法を受けることを勧めたい。それが無理ならば、本人だけの愛着アプローチだけでも仕方ない。

 メンヘラ女子が抱えている愛着障害は、親子関係の問題から起きている。乳幼児期から少女期にかけて、親からあるがままにまるごと愛されるというような育てられ方をされなかった。逆に、過介入や過干渉を繰り返されて、支配されコントロールされて育てられたのである。絶対的な自己肯定感は育まれず、自己否定感に苛まれている。HSPが強く、いつも不安や恐怖感を抱えていて、強烈な生きづらさを抱えている。メンタルだけの症状だけでなく、様々な身体の不調も抱えている。例えば、原因の解らない痛みやしびれ、またはしつこい肩凝りや頭痛なども起こしているメンヘラ女子も多い。

 メンヘラ女子を卒業するための愛着アプローチであるが、まずは安全基地の存在が必要である。それは、一人でも可能だが負担が大きいので、チームとしての安全基地が望ましい。そして、オープンダイアローグをすると共に、助言や指導をなるべく排除して、カウンセリングやセラピーが有効だ。その際に、自然体験や農業体験が可能な農家民宿に滞在するのも良い。不安感や恐怖感が強く、HSPを抱えていて身体がいつも緊張しているので、緊張を和らげるボディケアーも必要である。迷走神経の遮断を起こしているので、安心感を与える関係性が求められる。複合的なセラピーをすれば、メンヘラ女子を卒業できるに違いない。

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