新型コロナ感染症の後遺症が癒えるには

 新型コロナ感染症の第5派は、どういう訳か解らないが収まりつつある。今後、第6派が起きるのではないかと予想されている。ワクチン接種が進んだお陰なのか、感染者が激減しているし、重症化する人が著しく少なくなっている。もしかすると、このまま新型コロナ感染症は収束するのではないかと、楽観的な見方をしている人も少なくない。その一方で、新型コロナ感染症の後遺症で苦しんでいる人が大勢いるという。なかなか治らなくて、長期間の休職、または退職をせざるを得ない人も少なくないと言われている。

 新型コロナ感染症は風邪のようなもので、そんなに恐れることはないと嘯く人は少なくない。また、インフルエンザよりも怖くないし死亡率も変わらないと主張する人も多いらしい。さらには、ワクチンを打つと逆に感染が収まらないし、変異株ウィルスがどんどん生まれてきて、より深刻になるから接種しないほうが良いと信じ込み、SNSで発信している人も少なくない。しかし、それは新型コロナ感染症の患者を受け入れている病院の実態を知らないからである。後遺症で苦しんでいる人の辛さを知らないから、無責任に言えるのである。

 新型コロナ感染症の入院患者を受け入れる病院で働いている医師や看護師は、その悲惨な症状を見ているからその恐ろしさを実感している。特に、重症患者を治療している看護師や医師は、どうやっても治癒することなく目の前で亡くなっている患者を見て、今までの感染症とはまったく違う恐ろしさを味わっている。だから、新型コロナ感染症が風邪と同じだとSNSで発信している人間の軽薄さと無責任さを許せないに違いない。ましてや、新型コロナ感染症の後遺症を治療している医師は、この感染症の恐ろしさを誰よりも知っている。

 新型コロナ感染症の後遺症を専門的に治療しているクリニックは、数多くないということもあるが、来年の4月まで予約が詰まっているという。後遺症で苦しむ患者さんがそれだけ多くいるという証しでもある。風邪でこんな深刻な後遺症を起こす人がいるであろうか。インフルエンザの後遺症で半年から1年も苦しむ人がいるとは思えない。深刻な後遺症により、仕事が出来る状況まで戻れない人も少なくない。息苦しさ、倦怠感、不定愁訴、頭痛、身体の痛み、無気力、不安感、凍り付き、ひきこもり等の後遺症で悩んでいる人が多い。

 新型コロナの感染症は、背側迷走神経の暴走によって起きるというブログ記事を以前書いている。後遺症は感染者すべてに起きる訳ではない。安全と絆である「安全基地」を持たない人、または愛着障害を抱えている人が、新型コロナ感染症に罹患した後に後遺症を起こしやすい。それは、不安感や恐怖感を持ちやすいことから、背側迷走神経が暴走しやすいのだと思われる。それでは、新型コロナ感染症の後遺症を、どうしたら治せるのであろう。抗不安薬を投与するとか、地道にリハビリをするしか方法がないのであろうか。

 新型コロナ感染症の後遺症に苦しんでいる人に朗報がある。背側迷走神経が活性化してしまい、自律神経が異常を起こしているケースに対して、有効な方法が見つかったのである。それも実に簡単な方法で、しかもセルフケアーなので繰り返し何度も出来るのだ。背側迷走神経の活性化は、一度だけでなく何度も繰り返すことも少なくない。一度良くなっても、ぶり返すことも多い。したがって、何時でも繰り返せるケアーが必要なのだ。そして、そのケアーを何度でも繰り返せるという安心感が、背側迷走神経の活性化を鎮めて、腹側迷走神経が活性化させてコロナの後遺症が良くなるに違いない。

 背側迷走神経の活性化を抑えて、社会的交流を実現する腹側迷走神経が働き、新型コロナ感染症の後遺症を克服するには、ソマティック(身体的)セラピーが有効である。この方法を開発したのは、スタンレー・ローゼンバーグというボディ・セラピストである。ポージェス博士が提唱したポリヴェーガル理論を活用したソマティツクセラピーを開発したのである。セルフケアーとしての基本的エクササイズとそれを発展させたサラマンダー・エクササイズを利用する方法である。さらに、神経筋膜リリース・テクニックも利用すると、もっと効果がある。詳しく知りたい方には「からだのためのポリヴェーガル理論」春秋社刊を読むことを勧めたい。

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