迷走神経の暴走で不登校を起こす

不登校が益々増えている。それも低年齢化していて、小学生や幼稚園から不登校になっている子どもが増えているのである。文科省が発表している不登校の数字は、あまり増えていないが、事実は違う。保健室登校は不登校にカウントしていないし、10分でも学校に行けば、長い時間の遅刻や早退であっても不登校とはならないのである。ましてや、文科省も不登校を異常とはしないという方針に転換し、不登校を認めなさいという馬鹿な教育評論家の意見を鵜呑みにした保護者も不登校を放置しているのだから、始末に負えない。

不登校の原因は、いじめ、不適切指導、成績不良、当事者の発達障害や愛着障害、メンタル障害など多岐に渡っている。しかし、これは不登校のきっかけではあっても、真の原因ではない。不登校が起きるのは、闘うことも出来ず逃げることもかなわないような体験がトラウマ化したことによる迷走神経の暴走からである。そして、そういう迷走神経の暴走(遮断)が起きる根底には『愛着障害』があり、安全と絆が保証されていないという問題が存在する。この安全と絆が保証されていない子どもが不登校という選択しか出来なくなるのだ。

今までの自律神経の考え方では、理解できないことである。まず、迷走神経という語句について詳しく説明したい。自律神経には交感神経と副交感神経があって、その両方の神経を調整しながら我々が生きているというのは理解していることだろう。副交感神経のうち、約8割が迷走神経であることを知っている人は少ない。しかも、迷走神経には2つあって、腹側迷走神経と背側迷走神経があるということを知っているのは、医療の専門家であってもごく僅かである。さらに、その腹側迷走神経と背側迷走神経が正反対の働きをするということは、まったく知らないことであろう。

1994年に初めて米国の医学会で発表されたポリヴェーガル理論は、またたく間に米国の神経学や生理学の世界に広まった。しかしながら、こと医学界においてはなかなか認知されることはなかったようである。ましてや、日本の医学界においては、まったく興味を示されず、2015年に至ってようやくポージェス博士の論文が本になって出版されたのである。それでも、このポージェス博士のポリヴェーガル理論に日本の医学関係者が興味を示すことさえなかったのである。何故ならば、このポリヴェーガル理論を認識したら、今まで自分たちが実施してきた医学的アプローチが否定されるからである。

人間が多大なストレスやプレッシャーを受けると、副交感神経の働きが抑えられ、交感神経の働きが優位になり、ストレスなどと闘うかまたは逃げるかの選択をすることになる。さらに、逃げることも出来ず闘うことも出来ない体験をしてしまうと、その受けた体験がトラウマ化してしまうのである。そうすると、腹側迷走神経の働きが停止して、交感神経でも対処できず、腹側迷走神経のスイッチが入り、心身の遮断(シャットダウン)が起きるのである。このシャットダウンは、凍り付き・解離・フリーズとも言われ、恐ろしさのあまり、正常な判断が出来ないばかりか、身体と心がまったく動かなくなるのである。

このシャットダウンによって、普段の生活は何とか出来るものの、働くことも勉強することも出来ず、何らかの行動をすることさえも億劫になる。大人はひきこもりになるしかなく、子どもは不登校になるのである。このシャットダウンは、根底に『安全と絆』がないために起きた愛着障害から発生している。したがって、不登校の子どもに絶対的な安全と絆を提供して、不安から脱却させれば愛着障害は癒される。安全と絆を求める子どもに対して、保護者が安全基地としての役割を果たせるようになれば、愛着は修復され不登校も乗り越えられる。

ところが、保護者からの当事者に対する言葉や態度だけでシャットダウンが解けるほど、そんな単純なものではない。シャットダウンは心身共に起きているし、HSP(神経学的過敏人間)もあるし、顎関節症、原因不明の痛みやしびれ、パニック障害、PTSDなどの身体症状もあるから、カウンセリングやセラピーでは治らない。唯一、音楽療法、運動療法、ボディーケア(ボディーワーク)などの統合的ケアしか効果がないことを実際に経験している。不登校の子どもに安全と絆を実感してもらうには、保護者によるボディーケアがとても有効である。それが、迷走神経の暴走から抜け出せて、不登校を克服する唯一の方法と言える。

※不登校という状況から抜け出せなくてもがき苦しんでいる当事者、そしてそのご家族の方への相談に応じています。いろんなカウンセラーやセラピストに相談しても効果がなかったのは、迷走神経が関係しているからです。そのシステムと発生メカニズムについて詳しくご説明申し上げますし、不登校から抜け出る方法についてもお伝えします。問い合わせフォームからご相談ください。

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