脱税経営者のお粗末な価値観と哲学

青汁王子と自ら名乗る三崎優太容疑者が、巨額脱税の罪で逮捕された。税金を納めるのは、国民の義務だから脱税をしてはいけないと、自らツィートしていたにも関わらずこんなにも大きな金額の脱税をしていたとは驚きだ。つい先日は、ここ白河の地で設備会社のオーナー経営者が、2億円という巨額の収益隠しをして逮捕されたという事件もあった。この経営者は、中小企業家同友会の地区会長を務めていた、名実共に地域の名士である。経営者の見本となるべき人物が悪質な脱税をするなんて考えられないことだ。

脱税をする資産家は後を絶たない。余計な税金を払いたくないのは人情である。だから節税をするための知恵を絞る。しかし、本来払うべき税金を払わないようにするために、偽装するなんてことは許されない行為だ。また、税金を払いたくないからと、海外に会社の登記を移すような卑劣な行為をする経営者もいるが、これも情けない行為である。そういえば、過去に居住地を海外にして税金逃れをした芸能人もいた。誰のお陰で儲けさせてもらったのだろうか。税金というのは、利益を提供してくれた国民に還元するという性格を持つのだから、感謝しながら支払うべきものだ。

日本において脱税をすることの罪の意識は、けっして高くない傾向にある。犯罪だとは知りながらも、税金を出来るだけ少なくしたいという、節税的な気持ちからついつい実行してしまうらしい。勿論、確信犯的な脱税ではなくて、間違って申告漏れをしてしまったというケースならば、申告漏れや申告ミスに対する追徴課税で済む。ところが意図的に収入を隠したり架空の経費を計上したりして納税を免れた場合は、刑事罰もあるし重加算税が課せられる。それは現金で納めなくてはならず、資金繰りが悪化する。また、これらの追徴課税や重加算税は損金処理が出来ないから、その分が二重に課税されるのである。

脱税をすると、社会的信用を失う。当然売上げに響くし、取引先からの信頼を失うだけでなく、脱税するくらい利益が上がっているのだからと足元を見られ、値引き交渉をされる。税金を納めたくないからと脱税をすると、とんでもないペナルティーを科せられることになり、経営破綻をするケースも少なくない。本当に賢い経営者ならば正しいリスク管理が出来るから、絶対に脱税なんてしないのである。そんな恐い脱税なのに、三崎容疑者のように悪質な脱税が後を絶たない。愚かな経営者でもないのに、どうして脱税するのだろうか。

何故、こういう経営者は脱税をするのかというと、価値観が劣悪で経営哲学がねじ曲がっているからであろう。自分の損得しか考えていないし、利己的であり身勝手な人間であると言える。お金の為になら、人を騙すことも平気でする劣悪な価値観を持った人間に違いない。つまり、生きるということ、または仕事をするということは、利益を受けて楽しいことをする為の単なる手段としか考えていないのである。仕事を通して地域貢献や社会貢献をするという使命感はないし、仕事をすることで人間性を磨くという観念もない。

人間とは、本来仕事や地域活動を通して、人々の豊さや幸福に寄与する為に生まれてきたのであるし、その為にも仕事を通して人間として成長することが求められる。仕事で収益を上げて個人収入を得るというのは、社会貢献や自己成長による副産物でしかないのである。自分の利益を増やすためという個別最適や個人幸福を、仕事に求めてはならない。あくまでも、会社全体の為、地域全体の為、社会全体の為という、全体最適を目指すのが、人間としての正しい価値観である。人間はこのような高邁な価値観に支えられて生きるのであるし、仕事をするべきなのである。

人間とは、このような高い価値観を持たないと、正しい生きる目的や生きる意味を見いだせない。つまり、正しく高潔な哲学というのは、高邁な価値観に目覚めた人にしか見いだせないことになっている。卑劣な脱税をする人は、低劣な価値観しか持たないから、正しい哲学なんて持ちえないのである。正しい理念を持てない人間は、経済的な豊かさは実現できるかもしれないが、やがて誰からも相手にされず孤独な人生を送ることになる。そして、重い病気やケガをしたり、事故に遭ったりするのである。三崎容疑者のような低劣な価値観を持つ人は、悲惨な人生を送ることになるのだ。

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