母性愛を発揮できない原因

母親からの我が子への虐待事件が後を絶たない。自分が産む苦しみを乗り越えて、ようやく誕生した我が子を何よりも愛おしく思うのは当然の筈だ。それなのに、どういう訳なのか我が子を可愛いいと思えない母親が実際に存在する。そして、そういう母親はどうして我が子を愛せないのか不思議に思うと共に、母性愛を発揮できない自分が駄目なんだと自分を責めとしまう。本来は、我が子を目に入れても痛くない筈なのに、母性愛を発揮できる母親とまったく母性愛を感じない母親がいるのはどうしてなのだろうか。

それは、どうやらエストロゲンという女性ホルモンやオキシトシンという神経伝達物質(通称:脳内ホルモン)に関係しているということが判明した。妊娠と出産というのは、女性にとっては人生の一大事である。そして、この一大事を無事に成し遂げることが出来るように、人体のネットワークシステムは様々な工夫を凝らしている。各種のホルモン分泌を抑制したり、より多く分泌させたりして妊娠と出産を安全に成功させるのである。

妊娠中から出産にかけては、エストロゲンを母体に対して十分に分泌させる。しかし、出産した途端に、エストロゲンの分泌を減少させてしまう。どういう理由かというと、エストロゲンを大量に出産後も分泌させ続けると、一人で育児の何もかも頑張りすぎてしまうからだと言われている。それで、エストロゲンの分泌を少なくして、出産後の母体を休ませるみたいである。または、出産後の育児は配偶者も含めて周りの人々が共同で行うことができるように、エストロゲンの分泌を抑制するのだと考えられている。

人間というのは長年の進化によって、適切なホルモンの分泌をするようになったと思われる。出産後にはそれでなくても母親ばかりに育児の負担が集まる。それを抑制して、母親が頑張り過ぎないようするのと、共同育児というシステムのほうが、赤ちゃんが健全に育つからという理由でエストロゲンの分泌を低下させるのだと推測される。あまりにも赤ちゃんを可愛いいと思い過ぎて、他の人に赤ちゃんを渡したくないと思うのを阻止したのではなかろうか。夫も育児に参加して、義理の両親も育児の手伝いをしやすくしたのだろう。

ところが、このホルモン分泌の微妙なシステムを母親が知らないが故に、産まれた我が子を可愛く思えず、授乳や抱っこすることに違和感を覚えてしまうのかもしれない。そして、そんな気持ちが起きるのは、自分が母親として失格なんだと責めるようになる。酷くなると、育児ノイローゼになったり、育児を放棄したり虐待をしたりするケースにも発展することがある。これが、母性愛を発揮できなくて、逆に我が子を虐待してしまう訳である。

ところで、世の中には母性愛を十分に発揮することが出来て、我が子を愛おしくたまらないと思う母親が存在する。どちらかというと、このような母親のほうが圧倒的に多い。エストロゲンの分泌量が減るというのに、どういう訳なのだろうか。それは、夫が育児に対して協力的である場合である。または、周りの人々が育児に積極的にかかわった場合には、安心して母性愛を発揮できる。共同育児が可能だと確認するとエストロゲンが出るらしい。

パートナーが育児に対して非協力的であり、周りの人々もまた共同育児に対して消極的であると、エストロゲンの分泌は低下したままになるという。そうなると、育児期間中は母性愛を我が子に注げないという不幸を背負ってしまう。慈しみを持って抱っことか授乳をすることが出来なくなる。泣き続ける我が子に怒りさえ覚えてしまうのである。子どもは愛情が不足して、愛着障害やHSP(ハイリーセンシィティブパーソン)になる危険性が増してしまう。ましてや、エストロゲンが出ないとオキシトシンの分泌不足が起きて、いつも不安や恐怖感に襲われて不眠になり、産後うつになることもある。

その後もエストロゲン不足が続くと、我が子に対する母性愛が正常に育たず、育児放棄や虐待のようなケースになり兼ねない。または、我が子を良い子に育てようと頑張り過ぎて、子どもをあまりにも支配したりコントロールしたりする。世間でよく言われる「毒親」になってしまう危険性がある。子どもはいつも愛に飢えて育つことになるから、HSPやパーソナリティ障害になり、不登校やひきこもりの状態になる危険性も高まる。だから、産後は特にパートナーは妻に寄り添い支えて、育児や家事に積極的にならなければならない。共同育児という考え方を取り、周りの人々も積極的に育児参加したいものである。

 

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