精神疾患は脳のせいじゃない!

メンタルの不調や精神疾患は、脳の不具合から起きると殆どの人は思っている。精神科医やセラピストさえも、脳の器質的な機能障害からメンタルの不具合を起こすと思い込んでいる。確かに、精神医学の世界では長年に渡ってそう教育してきたし、脳神経学の研究でもそのように発表されてきたのだから仕方ないであろう。脳内における神経伝達物質(脳内ホルモン)の分泌や受け渡しの不具合が起きて、精神疾患が発症するとされてきた。しかし、最新の医学研究ではそれが間違いだと判明したのである。

勿論、脳原因説が全面否定された訳ではない。ごく一部においては、脳の機能障害による影響があるのは間違いない。しかし、それは限定的であり、メンタルの不調は人体における全体のネットワークシステムの不具合により起きるというのが真実である。それなのに、脳の機能障害によって起きるのが精神疾患だと思い込んでいる精神科医やセラピストがいて、その脳原因説にいまだに固執していて、クライアントを治療しているのは非常に残念である。患者さんたちが可哀想で仕方がない。

精神科医の9割以上は、精神疾患に対して投薬治療を行っている。その薬剤は、脳に働く機能を持つ。精神症状はその投薬によって少しは効果がある場合が多い。しかし、その効果は限定的であるし、症状が緩和されることはあっても完治することはない。あくまでも症状を緩和する効果しかないし、次第に投薬量が増えるケースが殆どである。ましてや副作用が深刻であり、便秘や低血圧、肝機能障害というような副作用に対して、さらに薬剤投与が増える。患者はクスリ漬けにされてしまうのである。

投薬治療による効果が何故あまり上がらないのかというと、脳の機能障害が精神疾患の原因ではないからである。確かに脳の神経伝達系の異常が起きているのは、間違いないと思われる。しかし、脳の神経伝達系に働く薬を投与すると、その薬の効果を減少させようという人間の恒常性が働いてしまう。人間の脳における恒常性を保つ機能があって、そうしなければならない訳があって神経伝達系の異常を起こしていると思われる。人間全体を守る為に異常を起こしてしまっているのである。それを無理やり投薬によって直そうとすると、逆に異常を強める働きが起きると考えるべきである。

日本における精神医療において、抗うつ剤や向精神薬が大量に用いられている。そして、それらの投薬治療によって精神疾患の患者は増えることはあるものの、完治して離脱する患者は殆ど存在しない。この事実だけでも投薬治療が無駄であるばかりでなく、患者を益々苦しめているのは間違いないであろう。精神疾患が起きる原因が脳の機能障害にないのだから、治療方針や治療計画が間違っているのである。投薬治療をすべて否定している訳ではない。緊急避難的に短期間使用するケースがあるのも承知している。しかし、何ケ月や何年にも渡り同一薬剤による投薬治療を行うべきでない。患者と治療者は一刻も早くその間違いに気付いてほしいものである。

メンタル不調や精神疾患を発症する原因は、人体におけるネットワークシステムの不具合である。人体には37兆2千億個の細胞がある。細胞どうしがネットワークを持っていて、過不足なく協力し合って働いている。また細胞によって組成されている臓器、骨格、筋肉組織は同じく親密なネットワークを組んでいて、人体の全体最適を目指している。誰かに命令指示されている訳でもなく、細胞や組織自体が自発的に主体的に働いている。セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、オキシトシンなどの神経伝達物質は、人体の適切なネットワークによって生成されて必要箇所に適量が運ばれる。

食べ物、環境因子、人間関係のストレスなどが不適切な場合に、そのネットワークが不具合を起こすのである。例えば、食品添加物、農薬、化学肥料が含まれた食事が腸内環境を悪化させると、体内ネットワークの不具合を起こすことはよく知られている。精神疾患だけでなく様々な身体的疾患もまた、人体におけるネットワークの不具合で起きることは最近知られるようになった。さらに人体のネットワークシステムの不具合は、社会における人間どうしのネットワーク(家族関係等)が希薄化したり劣悪化したりすると起きることが判明している。このネットワークを正常に戻したり再生したりすることが、メンタル不調や精神疾患を治すということを認識してほしいものである。

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