官僚の不祥事をなくすには

官僚の不祥事がこれでもかと起き続けていて、その動きが止まる気配がない。大学を監督する立場にある文科省官僚が、裏口入学を大学側に依頼していたというのだから驚きである。文科省官僚が、JAXAの関連業者から接待を受けていたというニュースの報道もあった。しかも、その接待の場に文科省の事務方トップの事務次官も同席していたという驚愕の事実も明らかになった。財務省の悪質な文書改ざん事件もあったばかりである。行政官庁にモラルハザードが起きて居ると言っても、けっして過言ではない状況にある。

こういう不祥事によって、我々に直接被害が及んでいる訳ではないから、他人事としか思わない国民も多いことだろう。しかし、よくよく考えてみると、我々の国民生活は官僚によって大きく影響を与えられている。したがって、こんな不祥事を起こすような官僚が国民生活の命運を握っているとしたら、まったく安心できない。彼らが作る法律原案や予算案が、国民本位で国民の平和や幸福を実現するためのものではなくて、自分たち官僚や政治家の為に作られているのではないかとの疑念が湧いてくる。そんな不祥事を起こす官僚に、国の将来を委ねて良いのだろうかと不安になる。

勿論、すべての官僚が悪意を持っていたり、自分たちの利益を最優先したりする訳ではない。国民の全体最適、幸福と豊かさを真剣に目指して努力している官僚も少なくない。大多数の官僚は、誠実で正義感が溢れている。しかし、これだけ不祥事が起きているし、まだ明らかになっていない収賄や接待もあると類推できる。ということは、官公庁で働く行政マンのモラルが著しく低下していると言えるだろう。コンプライアンス違反を繰り返す民間企業の役社員も同様である。そうなってしまった原因は、何であろうか。

このような事態を受けて、一般企業ではCSRにおけるコンプライアンスの徹底などが実行されていて、各省庁においても社会的責任の取り組みが行われている。しかしながら、その実効性は疑問である。何故ならば、あくまでもそれらの取り組みは、最終的には職員それぞれの自覚に任せられていて、罰則やペナルティーによる抑止効果を期待しているだけである。本人が主体的に自発的に取り組むという決意と実行力がなければ、コンプライアンスが機能することはないだろう。無理やりやらされている感覚のうちは、モラルハザードが払拭されることはないと思われる。

そもそも、コンプライアンスに取り組むことは、意識しないでもできるのが当たり前である。個人的な欲望の前に正義感が埋没してしまうことは、本来あり得ないことである。やはり家庭教育と学校教育において、幼い頃からの価値観教育をしてこなかった日本の教育の悪影響が現れたと言える。民間企業でも官公庁においても、モラハラやパワハラが日常化していて、多くの職員が休職や退職に追い込まれている。これも、職員や役員の価値観が劣化していて、モラルが低下している影響によるものであろう。職場環境の悪化が、ひきこもりを増加させている大きな要因になっているとも言える。

倫理観が喪失してしまい、労働環境が悪化している原因は何かと言うと、ひとつは関係性が希薄化や劣悪化していることであろう。厳格化した人事評価制度や行き過ぎた出世競争があると、職員お互いの関係性が悪化する。特に行き過ぎた成果主義が関係性を悪化させるということは周知の事実である。各官公庁においても成果主義が導入されつつあり、それが関係性を悪化させ、職場環境を悪くさせるだけでなく、生産性を低下させている。関係性が悪化すると、お互いの足の引っ張り合いを起こすし、優秀な部下を育成することをしなくなる。関係性が悪化すると、組織全体の自己組織化が実行されず、全体最適化が不可能になってしまうのである。

モラルハザードを起こすもう一つの要因は、正しい価値観に基づいた思想哲学を持っていないという不幸である。何のために働くのか、誰のために働くのか、何を目指すのか、というような基礎的な労働に対する思想哲学を喪失してしまっているのである。高収入を得る為、高い評価や地位を得るため、自己満足のためという低劣な労働観に縛られてしまった職員になっている。公務員というのは本来、国民や市民の全体最適を目指して働く使命を持つ。ところが、自分の損得や利害の為に働くような官僚に成り下がっている。だから、平気で収賄行為や不正行為などをしてしまうのであろう。しっかりした正しい価値観の教育こそが求められている。

 

※「イスキアの郷しらかわ」では、正しくて普遍的な価値観の学習支援をしています。また、職場に関係性が何故必要なのか、良好な関係性を持つには職場環境をどのようにすれば良いのかを学ぶ研修を実施しています。モラルハザードが起きて、モラハラやパワハラが起きて居る職場、休職者や退職者が多い職場の抜本的改革を迫られている場合は、是非ご相談ください。

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