父親が育児で学ぶ本当の優しさ

育児をする男性をイクメンと呼ぶのは定着してきたようで、非常に喜ばしいことである。とは言いながら、逆説的に考えれば育児に協力的な男性は、またまだ少数派であり、多くの男性はあくまでも仕事優先であるという証明でもある。殆どの父親は、空いた時間に申し訳程度に育児を手伝うレベルかと思われる。そもそも、育児は母親の役目だと思っている人が大多数であり、共働き世帯であったとしても、家事育児は女性のほうが圧倒的に担う割合が多い。だから、「お母さんをやめる」などと悲痛な叫びが起きてしまうのであろう。

専業主婦であったとしても、育児に対する負担は大きいのである。だから、出来得る限り育児や家事の役割分担を夫にしてほしいと思っている。ところが、仕事が忙しいし育児は苦手だと勝手な理由をつけて、育児を放棄する男性が多いのである。良妻賢母なんて言葉があるが、これはとても危険なワードだと思われる。家事育児は女性の役目だと言わんばかりであるし、女性たちに無言の圧力をかけている。家事育児を女性がするのは当たり前であり、良い妻であり賢い母であることが当然だと、女性たちに強制する悪魔の言葉であろう。こんな男性の立場から自分達に都合よく勝手に作った言葉に騙されてはならない。

さて、イクメンは素晴らしいことだと世間では賞賛されているが、なかなかイクメンになろうとしない人たちがいる。それは、やはり育児をしようという気持ちになるハードルが結構高いのではないかと見られる。育児は、非常に難しいと男性が思い込んでいる節がある。まず幼子が泣いていると、何故泣いているのかが解らない。オシメを替えたり授乳したりするのも難しそうであるし、うんちをした際にふき取るのは勇気がいる。遊んであげるのはいいが、むずがったり反抗されたりされたら、お手上げである。育児をするくらいなら、仕事をしていたほうが遥かに楽だと思っているから、仕事に逃げ込むのであろう。

ところが、男性がこの育児をすることで、驚くほどの自己成長を遂げることが出来るのである。それも、育児でしか気付くことが出来ないし学べないことがあるのだ。それは、人間として一人前になるために通過しなければならない『修行』みたいなものである。端的に言えば、心の成長である。男性は、どちらかとい言えば女性に比べると相手の心を読むことが苦手だ。相手の気持ちになりきって、相手の悲しみや悩み、苦しみを自分のことのように感じることが出来にくい。だから、よく言われるように男性は空気が読めないのである。話も聞かないし、相手に共感できないのだ。

どの家庭においても同じだと思うが、夫は妻の話を我がことのように思いながら話を聞くことはあるまい。優しいのだが冷たいとは、こういうことである。妻の辛くて悲しい話を聞いて、涙をぼろぼろ流しながら聞く夫がどれだけいるだろうか。こんな夫はそうそういない筈である。相手の話を自分のことのように聞いて、感情を共有することを、『慈悲』と呼ぶ。つまり、相手の悲しみをまるごと否定せず慈しみ、我がことのように涙を流して悲しむことを言うのだ。この慈悲の心を持つことが出来ないと、人間としては一人前とは言えない。

ところが、数人の子育てで苦労を経験した女性には、ありがたい慈悲の心が芽生えるのである。勿論、育児をしないと絶対に慈悲を獲得できない訳ではないが、極めて少ない。何故かと言うと、子育てをしている際に、泣いている我が子の気持ちや思いを汲み取ろうと真剣に努力するのだ。子どもが何故泣いているのか、何故怒っているのか、何故嫌がるのか、子どもの心になりきって心を読もうと必死になるのである。つまり、子どもの心と一体化させないと、子育ては上手く行かないのである。これが自他一如という極意でもある。自分と他人の心がひとつになるには、子育てを経験するのが一番である。

男性も子育てをたくさん経験することで、この『慈悲』の心を獲得する道が開かれるのである。この相手の気持ちを我がことのように感じられるようになると、自分の至らなさや未熟さもよく認識できるから謙虚になる。コーチングの基本は、傾聴と共感だと言われている。まさに、育児をすることで知らず知らずのうちにコーチングが出来るのである。これはビジネス場面においても、非常に有効である。会社のリーダーとして、なくてはならない能力である。慈悲を持つビジネスマンは、お客様にも部下にも好かれるから、敵なしである。だからイクメンは、会社で出世するのである。育児を経験することで、本当の優しさが生まれる。夫婦愛が強まるし、家族愛が高まるから不登校や引きこもりも起きない。こんなにも男性を成長させてくれる子育てを、しないという手はない。

 

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