お母さんをやめる

「お母さんをやめる」と子どもに言ってしまったと、母親が後悔の念をSNSでつぶやいて、そのことに対する賛否のコメントが多数寄せられて話題になっているという。概ね共感と励ましが多いようで、「私も同じだよ」と言って慰めてくれる人が多いのには驚く。こんなにも子育てに悩みを抱えている多数のお母さんたちが存在するんだと、とてもびっくりすると共に、一人きりで悩み孤独感を抱えた母さんをほっといていいのだろうかという思いにかられた。良い母親と良い妻を演じることに疲れてしまったお母さんが、メンタルを病んでしまわないかと、とても心配している。

悩みを持つ多くの母親の家庭はこんな事情らしい。小さい子どもが複数いて、難しい反抗期を迎えている子どもに対応するのに悩んでいるという。親の言う事は聞かないし、ちっとも協力してくれない子どもに対して、毎日イライラするばかり。そして仕事ばかりしていて家事育児を分担してくれないばかりか、ちっとも悩みや苦しみを聞いてくれない夫。誰も助けてくれず、一人で思い悩む自分。誰かに訴えようか、または助けを求めたいと思いながら、共働きであるからママ友もいない。八方塞がりの状況に追い込まれ、こんな駄目な自分だからと、自らを責めているというようなことらしい。

共働きであろうとシングルワーカーであろうと、またはシングルマザーであろうとも、同じような子育てに関する悩み苦しみを抱えた人がとても多いのである。これは、日本の母親なら誰でも感じたことではないだろうか。あまりにも、夫や周りの人々が子育てに対して、協力してくれないのである。確かに仕事が忙しいというのは仕方ないかもしれないが、土日の休みまでも仕事の為に出勤するというのは考えられない。子育て中の父親にそんな働き方を強いるような会社は許せないし、こんな酷い会社なら即刻辞めればいい。妻をそんな状況に追い込むような働き方をしてはいけないのである。

安倍内閣は、働き方改革をすると意気込んでいるが、これが世の中の悲惨な状況だとすれば、先ずはこんな働き方をさせる会社を無くすことが先決である。厚労省は、それぞれの会社に対して、労働者の勤務状況を、外部委託会社を使ってアンケート方法で調査する。しかも、会社の総務部に対するアンケートである。こんな調査で誰が実情を話すだろうか。どうして、個々の労働者に直接調査しないのであろうか。厚労省の役人、とりわけ労働局や労働基準監督署の人間というのはこんなにも愚かなのかと呆れてしまう。こんな酷い労働環境の実態を知っているのに、見て見ないふりをしているのであろう。

まずは、世の中の小さい子どもを持つ父親の働き方改革を実行してほしい。少なくても、サービス残業をゼロにすること、そして月単位の残業時間を最大30時間まで、毎日の時間外労働は3時間以内と決めるべきである。そして、これ以上はどんな理由があっても認めないという労働基準法の改正を行うべきである。そして、その為に思い切ったワークシェアーを実施しなければならない。そうしないと、『お母さんをやめる』と悲痛な叫びをするお母さんを救えないからである。小さいお子さんを持つ父親は、少しぐらい待遇が悪くても即刻違う会社に転職すべきである。

今から25年前に、自分は以前務めていたある団体を辞めた。何故なら、子育てを最優先に考えたからである。残業が多くて休日もまともに取れず、看護師をしていた妻だけに育児の負担と不安を抱えさせることは出来なかったからである。3年に一度転勤があり、次は単身赴任をしなければならない状況にあったことも理由のひとつだ。収入は激減したが、人間らしい生活が可能になり、子育てや家事を分担できるようになり、親子の触れ合いも可能になった。収入や待遇は大事であるが、子育てよりも大切なことは他にない。それ以来、台所を守るのは妻の役目ではなくて、自分になった。料理をすることや子育てを、心から楽しんできた。

人生において、何を最優先にするかは人それぞれである。ただし、少なくても仕事がすべてだと思う価値観は危険であろう。私は仕事・家庭・地域の3つの柱を三等分にして、それぞれに貢献したいと思い努力してきた。妻にお母さんをやめたいと思わせるような夫は、夫婦失格であり父親失格、いや人間失格だと思う。行政や政治も『お母さんをやめたい』と思わせないような社会を創り上げる努力をしてもらいたい。夫はイクメンを心から楽しめる価値観を持ってほしいし、それが可能となる働き方改革を最優先で実行してもらいたい。おそらく『お母さんをやめたい』などと思うお母さんがこんなにも多い国は、世界広しと言えど、日本だけだろう。政治主導で一刻も早く悩めるお母さん救ってほしいものである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、若いお母さん方たちの悩み相談を受けています。良い母親や良い妻でいることに疲れ切った方々が、一時的に家庭を離れて心身を癒す時間を持てるように支援しています。イスキアで何もせずぼーっとした日を過ごしませんか。無農薬でオーガニックのお米と野菜で作った健康的で美味しい料理を食べながら、傾聴と共感のカウンセリングを受けませんか。ご夫婦とお子さん連れでいらっしゃれば、父親に対して、楽しく学べんで、イクメンを進んでしたくなる研修を実施します。

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