発達障害とその家族の関わり方

一昨日、NHKTVで発達障害の保護者たちが集まって情報交換会をしている模様が放映されていた。発達障害を持つ母親6人の方々が出演していた。まず不思議だと思うのが、仕事があるとしても父親の出演者は居なかったという点である。そして、母親たちが口を揃えて言うには、あまりにも夫たちが発達障害に対する無理解があるという。それも、単に障害そのものが分かりにくいというなら理解できるが、それぞれの夫たちは理解しようとしないばかりか、障害に背を向けてしまい、わざと育児を避けているようにしか思えないということである。したがって、子育ての苦労と悩みは母親だけが一人で背負っていると口々に言っている。

 

勿論、夫たちは仕事が忙しいという事情もあるだろうが、あまりにも非協力的な態度が気になる。それに対して、母親たちは子どもの発達障害に真正面から向き合い、何とか子どもが幸せな人生を送るために、苦しみ悩みながら最大限の努力をしている。そして、限りない愛情を子どもに注いでいるのが、いじらしくも感じる。あまりにも父親との態度が対照的なので、見ていてびっくりする。出演した母親たちが特別なのかとも思いたくもなるが、このようなケースが実際少なくないという。発達障害の子育てにおいて、母親だけに負担がかかっているという実態があるらしい。

 

発達障害は脳の先天的器質障害が原因とされている。だから、母親の子育てによるものではない。それなのに、夫やその家族が妻の子育てが悪かったせいだと責めるらしい。これでは母親がやり切れない。母親があまりにも厳しい態度でしつけるから、こんな子どもになったと言うらしい。無理解からの発言だとしても、これは許せない。子育てをすべて母親に押し付けておいて、こうなったのはお前が悪いからだと責任放棄する姿勢は、頂けない。これでは、母親があまりにも可哀想である。しつけは本来父親が担当すべきである。母親は無条件の愛である母性愛を注ぐだけであり、条件付きの愛であるしつけをするのは父親の役割だ。父親が役割を放棄したから、仕方なく母親がしつけまで肩代わりしているのに、それを非難するなんて到底許せない。

 

今まで、ずっと障害のある子どもたちの子育て支援をさせてもらっていて、すごく感じたことがある。発達障害だけでなく、知的障害や身体障害、または脳性小児まひやダウン症のお子さんの子育てをしているケースでは、圧倒的にお母さんの負担があまりにも大きい場合が多い。あげくの果てに、父親が子育てを放棄するだけでなく、家族から離脱してしまうケースだって少なくない。したがって、発達障害だけでなく、お子さんが何らかの障害を持たれた際の子育ては、お母さんだけに負担が押し付けられる例が非常に多いのである。

 

勿論、収入を得るためには父親が仕事に専念しなくてはならないであろう。けれども、少なくても精神的な支柱になってほしいし、何かあったときは相談の際だけでも親身になって聞いてほしい。何も、母親たちは助言や解決策まで求めている訳ではなく、困ったり悩んだりしていることを黙って聞いて共感してほしいだけなのである。そして、妻の大変さを解ってあげて、妻の気持ちと同化して時折一緒に涙を流してほしいのである。他人ごとのように、冷たい態度で責任を放棄したり、主体性を持ちえないような態度をしたりすることだけは避けてほしいと思っているのである。

 

発達障害は、先天的な脳の器質障害であったとしても、周りの家族の適切なサポートがあれば、和らいでいくことが判明しつつある。その為には、家族の理解、とりわけ父親の深い理解と協力が不可欠である。そして、母親が発達障害の子どもたちへの深くて大きな愛情を注ぎ続けるためには、母親の精神が安定してしかも安心していなければならない。母親が不安であれば、子どもにもその不安が伝播してしまうからである。母親が安心して子育てに専念し、無条件の愛情である母性愛を注ぐには、やはり夫が妻を深く愛することが必要である。その愛は、自分に都合良くするための見返りを求める愛ではなく、与えるだけの無償の愛である。制御と支配の愛ではなく、寛容と受容の愛である。このような夫婦関係であれば、発達障害は必ずや和らいでいくと確信している。

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