ひきこもりや不登校を解決するきっかけ

今まで不登校やひきこもりの子どもたちの保護者さんを相談支援してきました。保護者の方達の心の負担を少しは和らげることが出来たという自負はあります。しかし、残念ながらひきこもり・不登校を完全に乗り越えるには困難な壁がありました。保護者の相談支援だけでは、やはり限界があるのかもしれません。子どもが変わるには、まずは親が変わらなければならないと言われていますが、保護者の方達が自ら変わろうとするのは、なかなか難しいものです。抱えている問題の大きさもありますし、辛さや悲しみ、大きな苦しみのことを考慮すると、あなたは間違っているから自分を変えなさいとは助言しにくいものです。家族でも親類でもないし、主治医でもないボランティアとしては、限界があるのだろうとも思います。

 

ひきこもりや不登校を乗り越えたケースは確かにあります。しかし残念ながら、極めて少ないのも実情です。児童精神科医や児童心理学の先生方、カウンセラーの懸命な努力もなかなか及ばないようです。優秀なカウンセラーであっても、ひきこもりや不登校の青少年が、自ら自分を変えようと決断し、それを実現して社会復帰するという結果を残すことはまったくない訳ではないものの、稀なようです。精神医学の心理療法やカウンセリングの限界があるのかもしれません。どうして、単独での精神療法やカウンセリングの効果が出にくいのかと言いますと、それだけ青少年の心が深く閉ざされていて、その心を開くことが相当な困難を伴うのでしょう。

 

効果があった実例はどんなケースかというと、精神医学的・心理学的アプローチだけでなく、農業体験や自然体験などの癒しを共に提供したプログラムであり、総合的な治療のケースです。さらには、食生活や生活習慣をも改善することで、複合的な効果があったみたいです。ひきこもりや不登校の青少年は、どうしてもスマホやPCに対する依存性が高いし、ゲームに依存しているケースが多いようです。食生活も含めた生活習慣が乱れているというのも特徴的です。ですから、スマホやPCなどのデジタルデトックス、悪い食習慣をデトックスすると共に、規則正しい生活に戻すことで効果が表れるケースが多いようです。だから難しいのだろうと想像します。

 

ひきこもりや不登校が起きる原因は、実に様々のようです。また、そのきっかけはもっと多くのものがあります。不登校の原因は、子どもどうしの心無いいじめ、先生による不適切な指導、保護者の偏った子育て、家族との軋轢などと言われていますが、それは原因ではなく単なるきっかけでしかないと思っています。不登校の根底にあるのは、「関係性」の希薄さや低劣さです。ひきこもりも同様です。親子など家族同士の関係性、先生と子どもとの関係性、子どもどうしの関係性、先生どうしの関係性、両親どうしの関係性などが極めて薄くて歪んでいて正常でないケースが殆どです。特に、ご両親の関係性が良くないケースが多いのが特徴的です。表面的には上手く行っているように見えていても、心からお互いに敬愛している例が少ないというのが多いようです。

 

こういうそもそもの原因がある訳ですから、きっかけに対する問題解決型の助言や指導が功を奏しないのも当然です。不登校になったきっかけになったことを解決しようといくら努力しても、無駄なことになってしまうのは当然です。それぞれの関係性を改善しなければ、根本的な解決になりえないのです。この世の中は、そもそも関係性によって成り立っています。関係性が基本になって、コミュニティが本来の機能を果たしています。関係性が損なわれますと、コミュニティが崩壊します。家族というコミュニティが崩壊しているから、ひきこもりや不登校という問題が表出するのです。学校、地域、会社、国家というコミュニティが崩壊しつつあるから、社会的な問題が現れているのです。

 

コミュニティの構成要員それぞれが幸福になり、心も豊かになり、存続可能な生活をしていくには、それぞれの構成要員が個別最適ではなくて、全体最適を目指さなければなりません。つまり、自分だけの豊かさ幸福、地位や名誉・評価・利益を目指すのではなく、コミュニティ全体の最適を目指すことが要求されます。しかし、残念ながら家族も含めて殆どのコミュニティは個別最適を求めています。お互いを心から尊敬し愛して、相手の幸福を実現するにはどうしたらいいのかと心を砕いている家族ならば、当然関係性も良好になります。関係性が良くなれば、子どもたちは安心して社会に出て行けるのです。家族の大切さ、全体最適の価値観を獲得し、関係性を良好にするための方策を気付くきっかけを、「イスキアの郷しらかわ」で見つけてみませんか。

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