不登校の真の原因と深刻化は父親に責任

 不登校とひきこもりの保護者の中で、SNS等で我が子についての悩み苦しみを打ち明けているのはお母さんであり、お父さんが悩み苦しみを吐露するケースは皆無である。男性は、そもそも弱音を吐かない生き物だから当然だという意見もあろうが、果たして父親がSNSで子育ての悩みを発信しないのは、それだけの理由だろうか。SNSでの不登校の悩み発信をしたり、医療機関やカウンセリングに相談したりするのは、お母さんだけのケースが殆どである。不登校やひきこもりの家庭において、父親の影が薄いのはどうしてであろうか。

 不登校の子どものことを心から心配して、いろんな解決策を模索したり、医療機関や不登校児童の支援組織を探したりするのは、殆どがお母さんである。子どものことで、自分の育て方が悪かったのではなかろうか、自分がこのような不登校の状況を招いたのではと、自分自身を責めるのは母親だけであり、父親は自分自身を顧みることはまったくない。父親は仕事が忙しくて、母親に子育てを任せっきりにしているので、母親が子育ての方法が悪いから不登校になったと思い込み、妻を暗に責めるケースが殆どである。

 勿論、父親が不登校やひきこもりの原因を作っているのだと言うつもりはないが、そもそもの要因を作った責任が父親にあるのは間違いない。不登校やひきこもりの家庭における共通問題なのは、父母の夫婦関係がよろしくないことだ。不登校とひきこもりの家庭において、当事者の両親の人間関係が親密、もしくはラブラブな状態にあるというのは殆どない。どちらかというと、最悪の関係にあってコミュニケーションが上手くいっていないケースが多い。夫婦関係が破綻に近い場合が多く、母親が離婚を模索している例が少なくない。

 子どもというのは、お父さんもお母さんのことも大好きである。その両親の仲がよろしくないことは、どんなに隠していても子どもには伝わっている。もし、両親の不仲が最悪で、離婚の危機にあるなら、子どもは無意識で問題行動を起こして、離婚の危機を回避させようとする。子どもは自己犠牲を払ってでも、両親の関係を修復させようとするのだ。そんな自己犠牲による不登校やひきこもりを起しても、結果は最悪となる。お互いに、責任が相手にあると思い込み、問題を解決に向かわせないばかりか、逆に関係をこじらせるのである。

 子どもが不登校やひきこもりになるそもそもの原因は、母親の子育ての誤りにあると思っている人が多い。それは、正しくない。そして、不登校の子どもは様々な発達の凸凹を抱えているケースが少なくない。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD、アスペルガー症候群などを起している。生まれつき脳の神経伝達回路に異常があり、育てにくさを抱えているケースも多い。その育てにくさや育児の困難さがあるのだから、母親だけのワンオペで育てることがそもそも無理なのである。夫婦が共に支え合わなければ健全な育成は叶わない。

 不登校の子どもたちは強烈な不安や怖れを抱いている。その原因は、親との安定したアタッチメントが形成されていないからである。アタッチメントとは『愛着』とも訳されるので、不安定なアタッチメントは愛着障害とも言える。愛着障害を抱えるが故に、不安や怖れが常に子どもの心を支配している。心が傷付けられるような体験がトラウマとして積み重ねられる。そして、そのトラウマの積み重ねが心の限界を越えてしまうと、複雑性PTSDとして先鋭化してしまい、その二次的症状として発達の凸凹が強化されてしまうのである。

 親との安定した愛着が形成されない原因は、『あるがままにまるごと愛される』という経験を0歳~3歳の間に積んでいないからである。どちらかというと、無条件の愛である母性愛よりも父性愛が強い子育ての影響がある。つまり、過干渉や過介入の子育てをされてしまうと、子どもは不安を抱えてしまうし、自分は愛されているという実感を持てないのである。絶対的な自己肯定感や自尊感情が育まれない。しかも、父親が自分を犠牲にしても守ってくれるという実感を子どもと母親が持てないと、母子は共に不安になる。父親が家族に対して絶対的な守護神としての役割を果たさないと、子どもと母親が強烈な不安を抱えてしまい、不登校の深刻化と固定化が起きるのである。

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