最近のスピ系SNS界隈で盛んに取り上げられているのが、『統合』というワードである。いろんな統合が論じられているが、その中でも大きくトレンド入りしているのが『女性性と男性性の統合』というワードである。いまさら何をと言う人々もいると思われるが、実はこの女性性と男性性の統合という概念を、正確に認識している人はけっして多くない。多くの誤解もあるだろうし、何となく理解していると思い込んでいる人は少なくない筈だ。女性性と男性性の統合なんて必要ないと豪語する男性もいるだろうが、それは間違いである。
自己の確立を実現させて、大人としての立派な人格を形成して、人間としての成長進化を成し遂げる為には、女性性と男性性の統合は避けては通れないものなのである。言い換えると、女性性と男性性の統合を実現していない人は、人間として不完全だと言ってもいいだろう。さらに言えば、女性性と男性性の統合を実現するというのが、生まれてきた意味や生きるうえでの大切な命題ではなかろうか。だからこそ、女性性と男性性の統合ということの真の意味を知るべきだろうし、実現することが必要不可欠なことなのである。
さて、女性性と男性性との統合とはどういうことなのであろうか。女性性とは、家事育児を上手にこなせるように、家族の気持ちや状態を把握できる為、感性や想像力を働かせられるようにとか、思いやりや共感力と傾聴力が発揮できるようにするという天賦の能力のことだと思っているであろう。一方、男性性とは家族を守る為に敢然と敵と対峙できる強い精神性や、社会悪に立ち向かう正義感、身を粉にして企業戦士となり社会貢献に寄与する強い使命感、そのための創造性や企画開発の能力という捉え方をする人が多いことだろう。
そして、そのどちらをも大事だと思い、女性も男性もその女性性と男性性を豊かに取り入れて、身に付けて人生において発揮するということが統合だという意味だと思うに違いない。果たして、女性性と男性性の統合とは、それだけなのであろうか。そんな単純なことではなかろうし、そんなに簡単に女性性と男性性をひとりの人間が身に付けられると考えにくいし、もっと深い意味が隠されているような気がするのは自分だけではない筈だ。ましてや、女性性と男性性を見事に取り入れて、それを発揮できている人間が極めて稀なのである。
つまり、女性性と男性性の統合の重要性を、真に理解している人は極めて少ないし、その価値を過小に評価しているのではなかろうか。だから、女性性と男性性の統合に、真剣に取り組んでいる人が少ないし、実現している人はほんの一握りしかいないのだ。女性性と男性性の統合とは、単なる能力の取り入れと発揮ではない。その統合により、人間としての新たな大きな価値を創造することなのである。男性性までも取り込もうと努力している女性は多いが、女性性をも身に付けたいと切に願う男性は極めて少ないのである。
脳科学的に考察すると男性性と女性性の働きが理解しやすいかもしれない。平和と幸福、豊かな関係性と共感性を司る脳内ホルモンとして、セロトニンがあげられる。セロトニン神経は、組織内の人間関係を円滑にして協力体制や支援体制を築き上げるには必要不可欠なものである。一方、報酬系のホルモンであるドーパミンは、成果達成や子孫繁栄、組織統括管理や成長意欲にとって必要不可欠なものである。このドーパミンホルモンとセロトニンホルモンは、人間が生き生きと自分らしく人生を全うするには、共に必要なものなのである。
セロトニンとドーパミンをバランスよく分泌させて、それを生活により良く生かしていくことが、人間として生きて行く為には必要であり、それがワークライフバランスにも繋がることである。このワークライフバランスこそが、真の男女共生の理想の姿であり、家族と言うひとつのシステムが良好に機能する大切な統合である。そうすると、この女性性と男性性の統合により、オキシトシンホルモンが十分に分泌されて、不安や恐怖感を払拭して、安心で楽しい社会が形成されるのである。これが統合による新たな価値の創造と言えよう。
※次回は、女性性と男性性の統合についてもう少し深堀りして、どうすれば実現できるのかについて考察してみます。
