HSPを癒せばひきこもりから回復

 HSPで苦しんでいる人は多い。ハイリーセンシティブパーソンというのは、精神疾患ではないから医学的な治療対象とはならない。ましてや、HSPによって多少の生きづらさがあったとしても、社会生活が大きな影響を受ける訳ではないと、軽視される傾向がある。HSPを治してくれたり軽減させてくれたりする処もないので、我慢している人が多い。日本人のうち、どれくらいの割合でHSPを抱えているのかというと、おそらく男性で3割、女性だと5割以上の人がHSPを抱えている筈である。

 HSPの影響を社会では過小評価している傾向がある。ところが、HSPの影響は想像以上に多大であり、深刻なメンタル疾患や精神障害の根源なっているということを知らない人が多い。うつ病などの気分障害は勿論のこと、パーソナリティ障害、パニック障害、PTSD、適応障害、ASDなどを発症する人は殆どがHSPである。メンタル面の影響だけではない。身体疾患を起こす根本原因にもなっている。原因不明の各所の身体的痛みやしびれ、線維筋痛症、膠原病、PMSやPMDDなどで苦しむ人々もHSPを抱えているケースが多い。

 社会生活にも多大な影響を与えている。不登校の子どもたちはHSCであるし、ひきこもりをしている若者たちはHSPを抱えている。休職に追い込まれている人や、職場でパワハラやモラハラで苦しんでいる人たちも殆どがHSPを抱えている。HSPというのは、聴覚過敏を初めとして様々な感覚過敏を起こしてしまう。様々な場面で不安感や恐怖感を持ちやすい。それ故に、人と関わり合うことに怖れを感じてしまい、コミュニケーション障害を起こしやすい。なにしろ、得体の知れない不安を常に持ってしまうから厄介である。

 何か特定の事に対する不安なら、対応することも可能であるが、何だか分からないけど不安だと言うのはどうしようもない。ましてや、これから起きるであろう不安は、前に進めない。だから、HSPから不登校やひきこもりになりやすいのである。HSPは神経伝達回路(システム)の異常によって起きると考えられている。HSPは脳内ホルモンのうち、オキシトシンホルモンとセロトニンホルモンの分泌が極めて少ない。そして、交感神経活性化でいつも緊張しているので、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)が過剰に分泌され続けてしまう。

 コルチゾールが過剰分泌され続けると、大脳辺縁系の偏桃体が肥大化すると共に、海馬と前頭前野が萎縮する。記憶力や判断力が正常に働かなくなり、妄想や幻想が起きやすいし、実際には起きていない怖い記憶が作られてしまうこともある。現実とバーチャルの境目がなくなるのである。作られた偽の記憶に苦しめられるのである。妄想性の障害や妄想性のパーソナリティ障害は、こうやって発症してしまうのである。HSPというものが、いかに深刻な症状をもたらすかということが解るであろう。

 不登校やひきこもりが、根底にHSPがあって起きるのだから、HSPを癒すことが出来ればひきこもりも解決できると言える。それでは、どうすればHSPを癒すことが出来るのだろうか。HSPが神経伝達回路(システム)の異常によって起きて、オキシトシンH.とセロトニンH.の不足が原因であるのだから、これらのホルモンが正常に分泌されるようにすればよい。オキシトシンH.の不足は、アタッチメントの未形成によって起きている。また、セロトニンH.の不足も同じ理由である。それ故に、アタッチメントの再形成が重要なポイントとなる。

 アタッチメントを再形成すればひきこもり・不登校は解決する。以前は、アタッチメントは『愛着』と訳されていて、親からの愛情不足によって起きるとされていた。親との愛着を再形成しないと愛着障害は改善しないとされていた。しかし、最新の発達心理では、親じゃなくてもアタッチメントを再形成できることが判明した。第三者からの支援により、アタッチメントが再形成できるのである。その支援者とは、誰でもいい訳ではない。試し行動にも動じず、安定した精神状態と正しく高邁な思想・価値観を持ち、完全な自己マスタリーを実現した人物でないと、アタッチメントの再形成を手助けできない。利害・損得を考えず、どんな苦難・困難にも挫けず、慈悲深くて溢れる愛情を注げる人物にしか出来ない役割である。

 ※アタッチメントを再形成してHSPを癒す方法を、イスキアの郷しらかわではメールや電話にて、もっと詳しくお伝えしています。オキシトシンタッチやソフトなソマティックケアのやり方、HSPを癒すNTA療法のこと、オープンダイアローグ療法のこと、ナラティブアプローチ療法のやり方、いろいろなHSPの癒し方を伝えています。問い合わせフォームからどうぞ。

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