心理学のセミナーとか独自資格の取得セミナーの開催が数多く開催されている。それもかなり高額の参加費となっているケースが多い。受講する期間・時間数もある程度多いので、高額になるのは当然かと思うのかもしれないが。しかし、公的な資格ではなく社会的にも認知度は低いし、対外的には信頼性もないのに関わらず、結構な高額な料金設定になっている。このような資格セミナーは要注意である。明らかに、資格商法またし資格セミナー詐欺と呼んでいいような心理学セミナーは少なくない。
熟慮すれば怪しいぞと気付くのであるが、インターネットを巧妙に利用しているので、騙されるのかもしれない。まず、公的資格ではなく民間資格を取得する心理学セミナーには騙されないようにしたい。セミナーを受講した人には自動的に資格が与えられるというのは、あり得ないことである。最後に受講内容を確認する試験さえないというのは、酷い話である。ある程度の知識や技術を拾得できたかどうかの確認もせず、誰でも心理学の資格が与えられるというのは、まず資格商法(詐欺)だと思って間違いない。
セミナー受講料が高額だというのも、極めて怪しい。6日~7日の期間の講座だから、30万円~40万円になるのは当然だと思わせるが、1日あたりにすれば6万円前後になるというのはあり得ない。1日あたり3万円を超えるような心理学セミナーは、怪しいと思っていいだろう。ましてや、数段階に渡ってセミナー料金が高額になって行くようなセミナーは非常に怪しい。初期セミナー30万円、2回目のセミナー60万円、3回目のセミナー100万円というような料金設定は、明らかに資格商法の詐欺セミナーだと思われる。
特に、すべての資格セミナーを完了すれば、コーチや教師としてセミナーを開催できると謳っているようなものは、特に危ないように感じる。このコーチ・教師としてセミナーを開催できるとされているが、民間のコーチ資格を持っているからと言って、誰がそのセミナーを受講するというのか。無名の民間資格を持つ講師のセミナーなんて、集客が出来ないのは当たり前である。心理カウンセラーの民間資格を持っているからといって、開業できるほど世間は甘くはない。ましてや、カウンセリング経験がないのだから、資格は役に立たない。
注意したいのは、このようなまやかしの資格商法的な心理学セミナーだけではない。スピリチュアルな技能を開花させるとか、霊的な目覚めを実現させるというような怪しいセミナーも世の中には多数存在する。次元上昇とかアセンションと呼んで、覚醒しないと三次元に取り残されるというような危機を煽ってセミナーに呼び込むようなケースは危ない。セミナーを受講すれば、またはイベントに参加すればアセンションが可能になるという謳い文句はいかにも怪しい。こういうセミナーやイベントに参加したとしても、残念ながら覚醒はしないのである。
世の中では、このようなスピリチュアルな覚醒セミナーとかイベントが大流行しているらしい。そして、参加費が2万円~5万円というような高額設定になっている例が多い。不思議なものであるが、人間と言う生き物は高額になればなるほど有難く感じ、効果が高いと思い込まされるらしい。人は思い込みが激しい。高額な料金設定になればなるほど、価値があると勘違いするのだ。そういう心理的な弱さに付け込んで、スピリチュアルなセミナーは高額な料金設定で開催しているのである。何度参加しても、覚醒なんて実現しない。
どうして、こんな高額な料金設定のセミナーやイベントに騙されるのかというと、それは自己肯定感や自尊感情が低いからだと言えよう。つまり、自我と自己の統合、または自己の確立が実現していないから騙されるのである。自我を超越して絶対的な自己を確立して、自己マスタリーを実現している人は、このような詐欺まがいのセミナーには引っ掛からない。アイデンティー(自己証明)の確立を成しえた人は、嘘や陰謀論などを見破ることができる。自己の確立が出来ていなくて、不安や怖れが強い人というのは、どうしても自分を何かの資格や認定証で大きく見せたいのである。それだけ自己マスタリーを実現していない人が多いという証左でもある。