食事で気を付けていること

現在、62歳いたって健康である。人一倍健康には気を遣っていると自負している。運動も他の年配者と比較しても、そこそこにやっているし、食事にもある程度配慮している。ストレス解消も適当にしている。おかげさまで、今まで大病を患ったことは一度もない。現在、定期健康診断を受けても、ある一部の検診結果以外は正常である。異常値というのは、コレステロール値であるが、全然気にしていない。日本のコレステロール基準値は、あえて低く抑え過ぎているからであり、そんなまやかしの基準値に騙されないと思っている。

 

おかげで、医療費はほぼゼロ。医療機関には滅多に行かない。風邪もほとんど引かないし、もし風邪を引いてもすぐに治る。予防注射をしなくても、インフルエンザには罹らない。お酒は必要な時以外は飲まない。酒は身体に悪くないものだけを、お付き合いの為に必要な時だけたしなむ程度である。煙草は吸わないし、ストレス解消に良いとされているが、本当は逆にストレスのかかるギャンブルもしない。特に気を遣っているのは、食事であろうか。毎日、野菜中心の手作りの料理を頂いている。新鮮で旬の多品種の食材を使用して、自分で伝統的な和食を中心に作っている。

 

特に気を遣っているのは、食材だと思う。なるべく、植物油は摂らないように気を遣っている。料理に使う際、生で食べる食用油はオメガ3の入ったものを摂取するようにして、炒め物に使うのは菜種油等、オリーブ油やごま油は生なら身体に良いが、熱は加えないようにしている。お菓子類は食べない訳ではないが、含まれている植物油脂は、袋の成分表を確認して、なるべく少ない菓子を選ぶ。チョコレートだって、なるべくならカカオバターだけのものを選び、植物油脂を多量に添加したものは避けている。マーガリン、ショートニング、イーストフードなどが含まれたパン、ケーキ、クッキー類はなるべく食べないことにしている。

 

これだけ食事や菓子類にこだわっているのは、男性では非常に珍しいかもしれない。しかし、こういった食品がどれだけ健康被害をもたらすかを熟知したら、誰でも好んで食べようとはしないであろう。あまり知られていないから、これだけ多くの人が食してしまっていると思われる。食事や嗜好品が不健康であれば、間違いなく生活習慣病になるし、ガン、脳血管障害、心筋梗塞などの重篤な疾病を引き起こすリスクが非常に高まるのである。これだから、他人から面倒くさい人だなと思われているのだ。Wifeからもあんたなんかの食事を作るのは到底出来ないと匙を投げられている。したがって自分で作る羽目になってしまい、料理を純粋に楽しんでいる。

 

世の中は健康ブームである。食品添加物を一切含んでいないものや、農薬不使用で有機栽培の自然食品が好まれている。しかし、どうあがいてみても無駄なこともある。食品添加物不使用とか、輸入した遺伝子操作をした大豆不使用などと表示しなくてもよい食品が、多量にお店に並んでいる。成長ホルモン剤や抗生物質などを多量に与えた畜産物や乳製品は大量に出回っているのである。マクロビオティックの食生活だと言っても、完全なマクロビなんて所詮無理な話なのである。たとえ自給自足の生活をしても、空気や水の中に含まれる微量の農薬や人工肥料、ホルモン剤などの薬品は、どうしたって摂取してしまうのである。

 

食生活において、マクロビ食品や自然食品だけしか摂取しないという選択は、無理したり我慢したりしない程度では良いではないだろうか。なるべく健康的な食生活を目指す程度で良いと思うのである。身体に良いものだからと、我慢して不味いものを毎日摂り続けるというのはストレスがかかり、かえって不健康になりかねない。たまには、身体に良くないと分かっていても、脂肪の多いA5ランクの牛肉を食べるのだっていいだろう。砂糖が大量に含まれる甘いケーキやアイスクリームだって、特別な日には構わないと思う。大事なのは、身体が喜ぶ食べ物を食べることである。勿論、精神が傷ついていたり疲れたりしていると不健康な食品を求めてしまうので要注意だ。なるべく身体に害のない食品を美味しく頂くことで、健康を維持していきたいと思う。医食同源という考え方を、無理なく我慢することなく追及していきたい。

食の嗜好と心の状態

生活習慣病のうち、食事の偏りから起きる疾病は少なくない。代表的なものに、糖尿病や高脂血症があげられる。さらに、動脈硬化症とそれによる心筋梗塞や脳疾患も食習慣によって多大な影響がある。最近の医学研究によると、特定のガンもやはり食習慣にかなり左右されることも判明している。さらには、食事によって腸内環境が変化して、いろんな疾病の発症にも関わってくるということが判明している。生活習慣病ではないが、うつ病などの気分障害やパニック障害などにも腸内環境が影響しているらしいから、食習慣や食の嗜好が心身の健康に多大な影響を与えているということは間違いなさそうである。

 

食習慣が人間の性格にまで影響を及ぼしているのではないかとの研究をされている学者もいる。これはエビデンスを得ることが難しいことから、あくまでも観察した事象や類推によるものでしかない。でも、説得力のある仮説のような気がする。野菜を中心にした食事や自然食を好んで食している人間は、心が穏やかになり周りに対する思いやりや配慮が出来るし、優しい性格になるという。一方、肉食を中心にして野菜をあまり摂取しない人は、攻撃性が増してしまい、好戦的な性格になりやすいというものである。勿論、例外はあるものの、野生動物も同じような傾向にあるから、この仮説を信じる人は多い。

 

ところで、肉食動物は瞬発力があるが持久力がないから、狩りをしていても諦めが早い。草食動物は、瞬発力は肉食動物よりは劣るが、持久力は非常に高いことが知られている。おそらく精神的にも、なかなか諦めず持続性があるように感じる。人間もまた、肉食系は攻撃性が強く瞬発力が強いが持久力がなく、精神的にもめげやすくストレス耐性が低いと想像できる。草食系は、穏やかな性格なので対人関係で軋轢が少ないし、粘り強い性格でストレス耐性も強い。食生活の乱れは、心身の乱れに通じる。うつ病などの気分障害を起こしている方々は、食の嗜好が偏っていることが少なくない。

 

お寺に修行で入る若い僧たちは、概ね一汁一菜の粗食を摂る。何故なら、精神的な鍛練には粗食が必要だからである。貪り(むさぼり)の欲望に支配されていては、心が浄化されないからである。食欲は煩悩を燃え盛らせる。粗食を続けることにより、穏やかで何ものにも揺るがない精神を獲得するだけでなく、正しい心を持てるようになるのである。肉食や刺激物などを戒めたのは、心身共に不健康になると信じられてきたからだろう。厳しい修行や鍛練に応える為には、雑念を捨てることが必要である。菜食により、雑念からも遠ざかることが出来たに違いない。

 

誰でも経験していることと思うが、イライラしたり辛いことが続いたりすると、甘いものや炭酸飲料などを好んで食し、肉を食べたくなる。または刺激性の強い食べ物が欲しくなる。特に精神的に無理したり我慢したりした時に、そのような食の嗜好になりやすい。一方、心の豊かさを実感し周りの人々からの愛に満たされ、幸福感に浸れているような時には、野菜食や自然食でも満足し、優しい味の食事を好むようになる。ストレスが強い時に好む悪い食の嗜好は、時間の経過と共にさらに強くなり、なかなかそのような食習慣から抜け出せないことが多い。そして、ストレスを益々強く感じてしまい、怒りや憎しみの感情で満たされることになる。

 

ストレスフルな社会だからジャンクフードやファストフード、糖分の多い食事や炭酸水を好むし、肉食や刺激物を摂りたがるのも理解できる。ファストフード、肉食や刺激物の食事を止めて、野菜や果物、穀物などを中心としたスローフードの食事を続けると、穏やかな気持ちになれるし、心身の健康を得ることが可能となる。いきなり完全な菜食は無理にしても、ちょっとだけ我慢して、少しずつ野菜中心の食事にしてはどうだろうか。そうすれば、ストレスにも強い心も獲得できるに違いない。「イスキアの郷しらかわ」では、野菜中心の自然食を提供している。イスキアで何日間かこの食事を食べ続けると、デトックスされて穏やかでストレスに強い心を作ることになる。間違いなく心が癒されるので、是非とも試してみてほしい。

気分障害と腸内フローラ

最近、腸内フローラという語句が世間で注目されている。腸内には約1000種の腸内細菌が生きていて、総数1000兆個の細菌が住み付いていると言われている。以前は、その10分の1しか認知されていなかったのだが、細菌学の研究によってもっと多い細菌数があると解ってきたのだ。人間の細胞数は60兆個と言われているから、それよりも遥かに多い数の腸内細菌が存在するらしい。その腸内細菌をお花畑に見立てて、腸内フローラと呼ぶという。腸内細菌が美しいお花畑のように輝いていれば、体調も良好で健康状態にあり、反対に腸内細菌が汚れていて歪んでいると病気になりやすいらしい。それは、精神的な病気にも影響するというから驚きだ。

腸内フローラと呼ばれるものは、正式には腸内細菌叢(そう)と言う。その腸内細菌叢には、1000兆個以上の腸内細菌が存在する。その腸内細菌には、善玉菌と呼ばれるビフィズス菌や乳酸桿菌と、悪玉菌と呼ばれる腐敗菌などが存在する。さらに、日和見菌(ひよりみきん)と呼ばれる大腸菌などが生息している。善玉菌は腸内の悪玉菌の働きを抑えて、過剰腐敗などが進まないようにしている。つまり、善玉菌が優位であれば悪玉菌を抑えられているし、悪玉菌が善玉菌より優位になれば、腸内環境は悪化して腐敗が急速に進むことになる。日和見菌は、どちらかの菌が優位になれば、その優位になった菌に味方する。腸内フローラが美しいのは、善玉菌が悪玉菌を押さえ込んでいる状況である。

腸内細菌が正常で腸内フローラが美しいと、腸の疾病だけでなく、糖尿病などの生活習慣病も予防出来るという。がんさえも予防する効果があるという。さらには、腸内フローラはうつ病の発症にも関係しているだけでなく、老化にも深く関わっているというから驚きだ。昔から、東洋医学では丹田(たんでん)という下腹部の一部をとても大切にしていて、そこを冷やさないようにしたりお灸をしたりしていたが、科学的にも正しいということになる。最近のマウスによる研究では、不健康なマウスの腸内細菌を健康なマウスに移植するとそのマウスは不健康になり、その逆も起きるという。さらには、マウスの性格まで変わるというからびっくりする。まだ人体での実験は進んでいないが、おそらく同様の結果になると思われる。

腸内細菌は、精神疾患に影響すると言われているセロトニンの生成に関係しているらしい。幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの9割ほどが、腸内で生成されていることはあまり知られていないが事実である。つまり、腸内フローラはセロトニンの生成と密接に関連しているということである。このセロトニンは脳に直接運ばれることはないが、脳で生成されるセロトニンの材料を運ぶ働きに、腸内細菌が関係していることが判明されている。つまり、腸内細菌が正常でないと、脳内セロトニンを作る働きが低下するということらしい。セロトニンはうつ病の発症に関係していると言われている。セロトニンの不足がうつ病の発症をさせてしまう。つまり、腸内フローラは気分障害と密接な関係があるという結論になる。

東京で開業している某内科医は、うつ病やパニック障害と診断され投薬でまったく改善しない患者さんを診察して、もしかすると腸の不調によるものではないかと仮説を立ててみたそうである。診察で食生活を聞くと、満足した食事を摂らず、コンビニ弁当やおにぎり、カップ麺やファストフードの食事、スナック菓子やジャンクフード、甘い炭酸飲料やアルコールというような最悪の飲食をしていたと答えた。当然、過敏性大腸炎のような状況で、下痢と便秘を繰り返す最悪な症状だったと言う。まず食生活の改善から初め、腸内フローラが好む野菜と果物中心で、肉食を少なくして大豆淡白を摂取し、規則正しい食生活に改善させたと言う。そうすると、あっという間に精神症状が落ち着いたと報告している。ある統合医は、発達障害にも効果があったという報告もしている。

このように、腸内フローラは身体的な健康だけでなく精神的な疾病にも影響しているということが判明されつつある。まだまだ医学的なエビデンスは不足しているし、腸内細菌を移植した場合の実験データも乏しい。とは言いながら、心ある医師たちは精神疾患の原因のひとつが腸内フローラにあるという事実を受け容れ始めている。最近、オキシトシンという不安・恐怖を抑える働きがある脳内神経伝達物質も、腸内環境の影響を受けるのではないかと言われ始めている。自閉症や発達障害の症状を緩和するにも、腸内細菌が影響していると主張する医師も出てきた。仮説としては納得できるものの、その科学的証明はまだまだ時間がかかると見られている。気分障害で悩んでいる人は、腸内環境を改善する食事を試してみる価値があるだろう。イスキアの郷しらかわでは、腸内環境を改善し、デトックスする自然食を提供している。

テロメアと不老長寿

最近の医学研究により、不老長寿の秘訣が判明したというニュースが流れている。各局の健康番組やNHKのクローズアップ現代でも取り上げられている。その話題の主は、テロメアという遺伝子(染色体)末端の紐のことであり、テロメアが細胞分裂の仕組みを決定付けていることが解ってきたのだ。人間の細胞が分裂を繰り返す際に、テロメアという紐の部分が重要な働きをするみたいで、テロメアが短くなると細胞分裂が出来なくなり、細胞が老化したり劣化したりしてしまうという。人間の細胞は、約50回分裂を繰り返すのであるが、テロメアが短くなってしまうと50回到達以前に細胞分裂が阻害されて、劣化・老化をしてしまうと言われている。人間の老化や疾病の発症に大きく関わっているのではないかと見られている。

 

そして、テロメアが正常な働きをするには、テロメラーゼという酵素が重要だということも判明してきた。テロメラーゼが不足しているとテロメアが短くなるのが早くなり、十分な量が確保されていると、テロメアが短くならないばかりか、逆に伸びるケースもあるらしい。となると、テロメアとテロメラーゼによって、不老長寿が可能になるという結論になる。重要なのはテロメアが短くなるスピードには個人差があり、テロメラーゼの量も人によって変化し、テロメアが伸びる人もいるということである。ということは、老化する個人差が出てくるのは、テロメアとテロメラーゼに影響されていてのだから、不老長寿の実現も夢ではないことになるのである。

 

それでは、その個人差は何によって出来るのかということだが、ストレスによる影響が一番大きいという。勿論、ストレスだけではない。過度の飲酒、喫煙、食生活の乱れ(添加物の多い食べ物、肉食、ファストフード、ジャンクフード等)、不眠、運動不足なども、テロメアを短くする。逆に、適度の運動、野菜中心の食事、規則正しい生活(早寝早起き)はテロメアを短くするのを遅らせるし、伸長させることもあるという。特に影響があるのが、やはりストレスだという。ブラックバーン博士は、その研究によってノーベル医学生理学賞を受賞したのである。ストレスフルな生活をしている人は、テロメラーゼの量が少なくなり、テロメアが短くなる。ストレス解消が上手な人は、テロメアが長くなり老化が遅くなるのである。

 

テロメアは身体の老化だけに影響するのではない。脳の老化と劣化にも多大な影響を与えるという。脳細胞の分裂もテロメアによって支配されている。脳細胞の老化・劣化・死滅にも深く関わっている。認知症やアルツハイマーになるひとつの要因も、テロメアではないかと見られている。ガンを初めとした疾病が発症するそもそもの要因も、テロメアの影響が大きいことが解りつつある。同じ年齢でも、膚がつやつやとして張りがあり、若々しくて元気な人もいれば、ひからびたようにどす黒く艶のない肌でエネルギーを感じない人もいる。これも、テロメアが関係していると思って間違いないであろう。恐るべし、テロメアである。

 

テロメラーゼを増やしテロメアを伸ばす生活習慣については、先ほど記述した通りであるが、ストレスを解消する生き方とはどういうものであろうか。それは、ポジティブな考え方らしい。ネガティブな考え方をする傾向にある人は、実験によってテロメアが短いことが解っている。つまり、自分に起きたこと、これから起きるであろうことに対して、常にポジティブに考えられる人は、テロメラーゼの分泌が多くてテロメアが短くならないのである。それでは、ポジティブな考え方をするにはどうしたらいいかというと、マインドフルネスという方法の効果が大きいという。マインドフルネスとは、「今ここに心する」という考え方である。私たちは、いつも過去に起きたことを悔やみ、将来に起きることを不安に思う。しかし、過去は変えることが出来ないし、未来は誰にも解らない。今、この瞬間しか思い通りにならないのである。

 

マインドフルネスとは、瞑想法、呼吸法、ヨガ、太極拳、座禅、読経、写経、滝行などの手助けを借りて、今の自分の心を無にすることであり、悲しいこと・辛いこと・苦しいことの思念を一時的に手放すことである。無我・無心と呼ばれるような心境になることである。仏教でいうことの唯識論でもある。勿論、無心・無我の境地になることは一般人には難しい。今この瞬間に集中するだけでもよい。一時的に思考を停止することが出来たら、随分と気持ちは楽になる。一時的に思考を停止させると、よい解決法も思いつく。音楽に没頭するのも良いし、絵画を描いたり、俳句・短歌を詠んだりするのもよい。私は、登山とゴルフでマインドフルネスを実行している。うつ病やパニック障害などのメンタル障害にも効果がある。『イスキアの郷しらかわ』では、マインドフルネスのアドバイスも行っているので、問い合わせてみてほしい。

認知症は予防できるか?

10年後には認知症になる人が、なんと750万人になると厚生労働省の研究班が発表した。65歳以上の高齢者における割合からすると、20%の高率になる。つまり、5人に1人が認知症になるということになる。由々しき大問題である。何故なら、これでは老老介護の家族が益々増加するし、福祉施設はいくつ新設しても足りなくなると予想されるからである。さらに、その医療費負担によって健康保険料は高騰するし、介護保険料の負担金も多大なものになるのだ。それだけではない。国の財政負担も相当な高額になり、消費税10%では賄いきれなくなり、20%から30%の消費税を徴収しないと福祉財源を確保できなくなる。年金財政の破綻や国の財政破綻も、かなりの確率で起きるだろう。

認知症に対する効果がある治療は、現在のところ見出されていない。多少の進行は遅らせる効果がある薬は開発されているが、それも限定的な効果しかないのが現状である。予防効果のある薬もないし、一度なってしまった認知症を劇的に改善する薬は皆無と言っていい。だからこそ、認知症にならないための予防策が大切なのである。とは言っても、認知症になる原因は完全に解明されている訳ではない。だから、認知症を完全に予防する対応策も取れないのである。これだけ科学や医学が発達しているのに、脳科学の進歩は非常に遅れている。特に脳の細胞学は、まだまだ未解明の部分が多く、認知症を含めた精神障害を脳科学的に解明して予防する方法は未だ確立されていないのだ。

ただし、ある程度予防疫学的な対応策は提起されているし、認知症を予防する生活習慣があるらしい。例えば、運動をすること、偏った食生活を避けること、アルコールを多量摂取しないこと、ストレスを溜めないこと、良質な睡眠をとること、くよくよしないこと、社交的に生きること、というようなことである。また、身勝手で自己中心的な人、怒りやすい人、他人と軋轢を生みやすい頑固な人、内向的な人などは認知症になりやすいことが解っている。つまり、人間としての生き方や人間性そのものが、認知症になりやすいかなりにくいかの分岐点になっているというのである。ということであれば、生き方に気をつければ、認知症はある程度予防できるということになる。逆説的に言うならば、認知症というのは、生き方に間違いがあるとなりやすいということになる。

勿論、認知症にはいろんな種類があり、それだけで認知症を完全に予防することにはならないが、生き方によって認知症になりにくいというならば、生き方を変える努力をしたいものである。しかしながら、生き方を変えるというのは、一筋縄ではいかないものである。何故なら、人間というものは一旦作り上げたメンタルモデルを変えるというのは、殆ど不可能に近いからである。特に、中高年になった人間というのは、余程のことがない限り、メンタルモデルを自ら変えようとはしないからである。特に認知症になりやすい人というのは、頑固者が多いという。認知症になりやすい人は、柔軟な発想や考え方が出来ないし、寛容性や受容性も低いという共通点もあるのは、そのメンタルモデルが影響しているとも言えよう。つまり、メンタルモデルのクオリティが認知症になるかどうかの分岐点になるということになる。

言い換えると、そのメンタルモデルのクオリティも認知症発症の重要なファクターと言えるのである。心の底から人々の為に尽くすことが無上の喜びと思えるメンタルモデルなら、認知症にはならないであろう。ただし、他人に自分をよく見せようと、自分自身を偽って無理してボランティアをするような人のメンタルモデルのクオリティはけっして高いとは言えない。自然体で無理せずに、人の幸福に寄与できるような人のメンタルモデルなら認知症にはならないと言える。何故なら、人間の脳細胞を含めたすべての細胞には自己組織性があって、全体最適の為に働くのだ。つまり、自己中心的で身勝手な生き方しか出来ないようなクオリティの低いメンタルモデルの人は、細胞が喜ばないから少しずつ細胞が滅んで行くのである。60歳の定年を迎えて、今まで充分働いたから、今度は自分の為にだけ時間と金を使おうなんていう老人は気をつけたほうがいい。細胞が死滅していくに違いない。いくつになっても社会全体の幸福に寄与するような活動に取り組み、細胞を生き生きとさせる生き方をして、認知症を防ぎたいものである。

LDLコレステロールは本当に悪者か

健康診断を受けると、必ずと言っていいほどコレステロールが基準値を超えているという結果が届く。さらに追い討ちをかけるように、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールの値が基準値の範囲をオーバーしているという検診結果が記載されている。そして、要医療の結果を持参して医療機関を受診するようにとの、きついお達しが同封されているのである。こんな厳しい基準値を採用しているのは日本だけで、どうみたっておかしいと思うのは私だけではあるまい。WHOも、こんな高い基準値を勧めてはいない。しかしながら、日本動脈硬化学界の基準値が多くの医療機関では採用されており、こうして大量の検診結果異常者が作られてしまっているのである。当然、医療機関を受診すると、コレステロールを下げる薬を処方されて、『高コレステロール血症』または『高脂質血症』という有難い病名を付けられ、立派な病人となるのである。

誰が付けたのであろうか、悪玉コレステロールという名前が一人歩きをしてしまい、いかにもLDLコレステロールは危険な脂質だと世間的には思われている。動脈硬化による心臓血管障害や脳血管障害の張本人みたいな取られ方をしているし、善玉コレステロールであるHDLコレステロールと対比されるに至っては、無用の長物みたいな扱いを受けている。本当に、LDLコレステロールは何の役にも立たない、病気の原因になる諸悪の根源みたいな存在なのだろうか。人間という完全なる生物において、無駄な臓器や骨格・筋肉、または細胞の中で、何の役にも立たないというものがあるのだろうか。何かの意味や役割があって、そういう細胞が作られたとしか思えないのである。そう思うのが、科学的にみても自然であろう。

以前は、以下のようなことをまことしやかに主張しているドクターがいた。HDLコレステロールが減少してLDLコレステロールが増加すると、セロトニンが不足するから、うつ病になりやすい。だから、LDLコレステロールは動脈硬化だけでなく、うつ病にも関連するので、注意が必要だと強く主張していたのである。現在、この説はまったく科学的根拠がないものであり、根も葉もないデマであるということが解ってきた。逆に、統計調査で明らかになってきたのは、LDLコレステロールとセロトニンには相関関係があって、LDLコレステロールが低い人がセロトニン不足を起こしてうつ状態になりやすいということが判明してきたのである。つまり、LDLコレステロールがセロトニンの欠乏予防に重要な働きをすることが解ってきたのである。

LDLコレステロールは、セロトニンの原料であるトリプトファンを脳に運搬するのに重要な働きをするということが判明している。また、セロトニン受容体が細胞膜へ取り込まれる働きに関係することが解ってきた。セロトニンとLDLコレステロールが密接に関連するということが解明されてきたのである。セロトニンは脳内の神経伝達物質のひとつであり、幸福ホルモンと呼ばれており、これが不足するとうつ状態や慢性疲労症候群に陥ると言われている。また、トリプトファンからセロトニンを生成する際に、重要な働きをするのがインスリンである。このインスリンは、炭水化物から生成される。とすれば、世の中でもてはやされている炭水化物ダイエットは、インスリンの製造をおびやかす危険性があるということである。つまり、LDLコレステロールもセロトニンの生成に必要だし、炭水化物も摂取しなくてはならないということなのだ。偏ったダイエットの危険性が、こういった点からも指摘されている。
最近の医学統計調査によると、LDLコレステロールが低い人よりも高い人のほうが長生きするということが判明している。LDLコレステロールが低い人は、自殺、事故死、癌死をする例が多く、長生きできないというのだ。特に、女性よりも男性のほうがその傾向が強いらしい。おそらく、セロトニン不足による強い不幸感から将来を儚んでしまい、自殺、事故死、病死が多いのではないかと推測されている。総コレステロールだって、多い傾向にあるほうが長生きするという統計結果が出ている。それなのに、どうして医療機関や医学会は総コレステロールやLDLコレステロールが高いと指摘して、画一的にコレステロールを下げる薬を処方したがるのであろうか。実は、ここに日本の医療界の闇が存在するのであるまいか。薬品業界と医学界及び医療界の癒着、そして厚労省のお役人の不勉強さがあいまって、こんな間違いを国民に強いてしまうのである。必要もない無駄な医療費が支出されて、財政破綻を招いている元凶がここにもあるのだ。騙されてはいけない。

疲れの原因は食事にあった

電車やホームでは、疲れ切ってしまい、深くうなだれた会社員を見かける。歩く姿も前屈みで覇気がなく、とぼとぼと家路につく姿が、相当に疲れ切っていると確信させる。この世はストレス社会である。対人ストレスは勿論、超IT社会と言える現代は、PCやスマホに人間が支配され使われているから、テクノストレスにもさらされている。毎日、仕事でも目いっぱい働き、家に帰っても心が休まらないし癒されない。したがって、毎日疲れ切っていて、その疲れは一晩寝ても取れないという人が、多いのは当然かもしれない。

駅の売店やコンビニでは、栄養ドリンクや甘い炭酸飲料を求める会社員を多く見かける。ドラッグストアでは、疲労感が取れると謳われているビタミン剤やサプリメントが大量に売れている。こんなにも、疲れ切った人達がいて、日本のビジネス界は大丈夫なのであろうかと心配になるくらいである。こういうビジネスマンは、疲れないようにと昼はステーキやハンバーグなどのスタミナ食を摂り、夕方は焼き鳥や焼き肉でビールを飲むことが多い。しかし、その結果は思惑とは大きく違って疲れは取れず、翌朝には疲れ切った身体に鞭打って出勤する。

疲れる原因とその疲れが長引く訳は、どうやら精神的なストレスだけではないような気がする。確かに精神的なものが身体に影響するのは間違いないが、現代人がこれだけ疲れる人が多いというのは、肉体的な別の要因がありそうな気がして仕方ない。それで、科学的なエビデンスを示すような過去の実験結果がないかどうか調査してみた。そうすると、実に興味深い実験を試みた例があったのである。それは、明治初期に来日したドイツ人医師ベルツによる、食事による耐久力の実験であり、その結果は我々の常識を完全に覆すものであった。

ベルツが来日してまず驚いたのは、日本人の持久力であった。たいして体力もないように見えるし、痩せて貧弱な身体の日本人が、毎日何十キロも走っているのに、まったく疲れを見せないことである。当時、飛脚は一日100キロを越えて走り回り、車夫が重い人力車を毎日何10キロも引き回る耐久力を持っていた。ベルツはこれだけの体力を持っているのだから、西欧の栄養学に基づく肉食中心でしかも低でんぷん質の食事にしたら、もっと早く走れるに違いないと予想して、人力車の車夫2名に食事の実験をしたのである。毎日、肉食で低でんぷん質のスタミナ食を与え、体重80キロのベルツを乗せて、40㎞の道のりを引かせたのである。

その結果、3日後に2名の車夫は音を上げてしまった。こんな食事では走れないから、肉の量を減らしてくれというのである。それで、元の穀物菜食に戻したら3週間ずっと元気で人力車を引き続けたという。ベルツは、東京から日光まで旅行したことがあるが、午後6時に出発して翌日午前8時に着いた。その際に、馬を使ったのだが、110㎞の間に6度馬を交換し、14時間を要したという。もう一方は1人の人力車に引かせて乗り、なんと10時間で日光に着いたという。1時間に時速11㎞で10時間人力車を引いて走るという超人的な車夫がいたというからすごい話だ。

これは日本人だけの話かと思いきや、米国の大学でも肉食者と穀物菜食者で持久力の対比実験をしたら、瞬発力は肉食が上であるが、持久力は穀物菜食のほうが遥かに高いことが分かったとベルツの著書で紹介されている。これらの実験で明らかなように、現代人の持久力がないのは、食事のせいだということである。現代人がすぐに疲れてしまい、耐久力に乏しいのは肉食中心で炭水化物の少ない食事をしているからであろう。最近の日本人アスリートが、マラソンでは結果を残せていないし、水泳の長距離競泳で勝てないのは、食事のせいではないだろうか。あれほどの圧倒的な強さを誇るケニア人のエリートランナーは、おしなべて高でんぷん質の食事を続けていることが判明し、アスリート界では驚いているという。

明治維新以降の近代栄養学、とりわけ戦後の栄養学は、肉食中心の高蛋白で低炭水化物の食事が健康に良いものだというのが定説だった。ごく最近までも、美容の為には炭水化物ダイエットが良いというまことしやかな説が信じられていた。ところが、ごく最先端の科学的な栄養学では、それが人間の根源的なエネルギーを引き出せないということが判明してきたのである。肉を沢山食べて、でんぷん質をあまり食べないという食事は、持久力を引き出せず、すぐに疲れてしまうという欠点を露呈したのである。ましてや、肉食中心の食事を続けると、腸内環境が悪化して免疫力が低下することも解ってきた。現代日本人の異常なほどの疲れの原因が、肉食と低炭水化物の食事にあったのである。健康とスタミナ維持のためにも、穀物菜食の伝統的な和食に戻るべきではないだろうか。

不倫をしてしまう訳

不倫報道がすさまじい。ダブル不倫、略奪不倫などのセンセーショナルな文字が紙面に踊っている。今井絵里子、上原多香子など、女性が話題の主になっている。古い話題だが、乙武さんの不倫報道に驚いた人も多いことだろう。あれだけの障害を持ちながら、社会的にも頑張ってきたのに、家族の信頼を裏切り、社会的信用も失墜させた。政治家としてのデビューも遠ざかり、大きな代償を払うことになった。宮崎議員も、代議士のポストも棒に振り、家庭も崩壊したに等しい。芸能界でも、度々不倫報道が話題になるが、男性だけでなく妻も不倫をするケースが少なくない。どうして、著名人にはこんなにも不倫が多いのであろうか。一般人も不倫をしているのだが、著名人だから明らかになっただけなのであろうか。相手に配偶者がいるのを承知で性交渉をするほうも、非難されるのは当然だ。

「英雄色を好む」ということわざがある。よく引き合いに出されるのは、豊臣秀吉やナポレオン、そして現代ではゴルフ界のタイガー・ウッズである。中国共産党の偉大な指導者、毛沢東もそうだったと言われているし、北朝鮮の指導者金一族もあちこちに愛人を作っているらしい。ある研究結果から導き出されたのは、ホルモンと権力欲・名誉欲の関係である。政治家や経済的な成功者は、明らかにテストステロンという男性ホルモンが一般の人よりも多かったらしい。テストステロンがドーパミンの分泌に大きく関わっているのだから、関連性はあると推測される。攻撃性や挑戦欲とテストステロンとは関連しているし、テストステロンは性欲と密接な関係があるのは知られている。

それにしても、どうして人間は不倫などという、我が身を滅ぼしかねない危険な行為をしてしまうのであろうか。社会的にも抹殺され、家庭崩壊を起こすような危険行為を何故してしまうのか、理解に苦しむことだろう。勿論、本人たちは家族にも内密にしようと工夫しているだろうし、職場や地域にも知られないような努力はしているであろう。けれども、著名人はマスコミがほっておかないし、世間のねたみやそねみもあったり、相手がわざわざ暴露したりするケースも少なくない。そんなリスクを負ってまでも、不倫をしてしまうというのは、何か特別な理由があるに違いない。社会的に地位や名誉がある者でさえ、しちゃいけないと思いながら不倫をするというのは、脳科学的に観て何か理由があるのではないかと思えて仕方ない。

人間が性行動を求めるのは、ドーパミンという脳内ホルモンが出るからというのはよく知られている。ドーパミンというのは快楽ホルモンとも呼ばれる、脳内神経伝達物質である。性行為だけでなく、飲酒、飲食、ギャンブル、煙草、買い物などでもドーパミンが出ると言われている。快楽を求めたくなるのは人間の宿命みたいなものであろう。さらに、最近の脳内ホルモン研究で、性行為や異性とのスキンシップを求めたがる原因となる脳内神経伝達物質があるのが判明した。それがオキシトシンというホルモンである。子育てにおいて母性を育むホルモンとしても知られているが、お互いの愛情が溢れるような性交渉でも沢山分泌されることが解ってきた。

このオキシトシンを何故人間が分泌したくなるかというと、このホルモンが満たされると、不安感や恐怖感を払拭して精神が安定するからと言われている。特に、仕事や家庭においてストレスフルな状況にあり、自分に自信が持てなくなり、将来に対する不安が強くなると、このオキシトシンを分泌させたくなり、性行為に走るらしい。つまり、職場で粛々と仕事をこなして不安もなく、家庭でも配偶者や子どもたちから愛されている状況にあれば、不倫になんか走らないということだろう。ましてや、夫婦間においてお互いの敬愛関係と信頼関係が万全であり、愛情豊かな性の営みがあったとしたら、不倫なんてことが起こりうる確率は限りなく少なくなるに違いない。

知らず知らずのうちにドーパミンやオキシトシンの分泌を求めてしまい、不倫をしてしまうというのは言い過ぎになる。しかし、無意識のうちにドーパミンとオキシトシンの分泌を求めて、性行為に走るケースは少なくないと思われる。最近解ってきたことであるが、このオキシトシンは人間を不安から守るという働きもあるが、逆に危険な行為に対する回避行動も阻害するらしい。つまり、不倫で性交渉を何度も繰り返すうちにオキシトシンを沢山分泌させて、身を滅ぼすような行動をもしてしまうということである。だから、不倫がばれたり家庭を崩壊させたりするような行動をしてしまうのであろう。ドーパミンやオキシトシンに翻弄されないような生き方を心がけたいものである。人間の性(さが)というのは、実にやっかいなものである。

怒りの感情を上手に処理する

この世は、とても生きずらい。自分が思っているような理想社会には、ほど遠い。自分を傷つけたり無視したりする人がいる。または、自分を支配し制御しようとする人も多い。どうして、こんなにも人が人をコントロールしたがるのであろうか。それにしても、怒りや憎しみの感情を起こさせる人のなんと多いことだろうか。身勝手で自分のことしか考えない自己中心的な人は、平気で人を傷つけるようなことをする。パワハラやセクハラ、モラハラをしてくるし、わざと人が困るようなことを何度もしてくる。怒りの感情がふつふつと込み上げてくる。しかし、この怒りを当人に返すと、その何倍にも還ってくるし、逆切れするかもしれないので我慢するしかない。生きずらい世の中である。怒りを抑えるしか方法がないのだろうか。

怒りという感情は持ってはいけないと言われている。仏教の教えでは、「憤りの心は燎原の火の如し」と言って、けっして持ってはならないものだと説く。つまり、憤りの心を心の中に燃え盛らせると、燎原(原っぱ)に火をつけたと同じで何もかも焼き尽くすし、その火は自分をも焼き尽くすという。これは脳科学的にも証明されている。怒りの感情は、脳の偏桃体を刺激する。そうすると、偏桃体から副腎にコルチゾールを分泌させるように命令が行く。怒りの感情が起きると、戦闘態勢に入りなさいと脳が指示するのである。コルチゾールという副腎皮質ホルモンは、血圧を上げて脈拍数を増やす。コルチゾールは、脳の海馬に伝わり、記憶系を麻痺させる。恐怖や不安感を失くすようにするためではないかと思われる。脳と身体を臨戦態勢にすることで、体調の変調までさせてしまうのである。

さらに、コルチゾールが海馬を刺激し続けると、海馬が委縮してしまうことが分かっている。海馬というのは、記憶を司る大事な場所。海馬が委縮すると、記憶障害が起きるし、ひどくなると認知症にもなってしまう。コルチゾールによって血圧が上がり脈拍数を上げて、血糖値も上げてしまうと、生活習慣病になってしまう。脳血管障害や心筋梗塞を起こすこともあろう。怒りの感情というのが、どれほど自分の身体を傷つけるということが解る。怒りはメンタルの病気を起こすこともあるし、生活習慣病の元になると言っても過言ではない。怒りは一刻も早く手放さないと、自分の身を焼き尽くすのである。

とは言いながら、怒りを爆発させると人間関係を損なうから解放できないし、我慢するのもよくないとなったら、どうすればいいのだろうか。怒りを手放すにはどうすればいいのかというと、脳内の怒りの感情を上手に処理するしかないのである。怒りの感情は右脳に記憶される。そして、右脳にある怒りの記憶は、忘れようとしても忘れることが出来ないし、時々怒りの記憶が蘇り自分を傷つける。だから右脳から左脳に怒りの記憶を移し替えるのである。そうすれば、第三者的に客観的に怒りの記憶を眺められる。ああ、あの時私は怒りの感情があったんだと、過去のこととして冷静に自分の怒りの記憶を見れるようになる。そうすれば、怒りは偏桃体を刺激しないし、コルチゾールも出ないから海馬を委縮させない。

それでは、怒りの記憶をどのようにして右脳から左脳に移し替えればいいのだろうか。移し替えのコツは、カウンセリングである。右脳にある怒りの感情を誰かに話して、その話を傾聴してもらい否定せず共感してもらうのである。そういうことを何回か繰り返すと、怒りの記憶を右脳から左脳に移し替えられる。日記やブログでもいいが、その際否定されたり馬鹿にされたりすると効果がない。優秀なカウンセラーは、自分のことのように相手の話を聞く。けっして否定したり無視したりせず、相手の身になったように共感するのが、本当のカウンセラーである。『イスキアの郷しらかわ』では、まずはこのようなカウンセリングをしたい。怒りの感情の処理を手伝いするので是非利用してほしい。