薬物依存になるのは愛着障害から

女優の沢尻エリカが合成麻薬MDMAを所持していた疑いで逮捕されたというニュースは、各局の情報番組にて連日報道されている。芸能界においては、覚せい剤や麻薬などの薬物汚染が蔓延しているらしい。一度薬物依存になってしまうと、医学的アプローチだけではなかなか完治しないし、再発することが非常に多い。それは何故かというと、薬物依存を起こす根底に、愛着障害があるからである。愛着障害を癒すことができなければ、薬物依存を完全に乗り越えることは出来ないと認識したほうが良いだろう。

愛着障害が根底にあって起きてしまう依存症は、他にもたくさん存在する。例えば、アルコール依存症、ギャンブル依存症、ゲーム依存症、ネット依存症、SNS依存症、買い物依存症なども愛着障害によって依存が起きていると言える。今まで、このような依存症に対する医学的治療は、投薬治療や精神療法、またカウンセリングや各種セラピーを駆使してきた。ところが、大きな効果をあげることが出来なくて、精神医学界においては難治性の疾患として捉えられ、扱うのを嫌がってしまう専門家が少なくない。

これらの中でも、特に深刻な依存症が覚せい剤・麻薬などの薬物依存である。コンビニでも販売されているある市販薬でも酷い依存症になる場合もあるし、シンナー依存もかなり深刻である。そして、これらの薬物依存は、快楽や恐怖を和らげる脳内ホルモンに酷似した化学式を持つが故に、その依存性が高いと言われている。だから、どうしても完治しにくいのであろう。とは言いながら、そもそも薬物に依存してしまうのは何故かというと、不安や恐怖感を常に抱えているからだと言われている。

芸能人は、常に人々からの人気によって支えられている。相当な実力があったとしても、売れるとは限らない。いわば人気が出るかどうかは、自分の努力だけではどうにもならないのである。自分を引き立ててくれる周りの人々の支援や応援、圧倒的なファンによる支持がなければ売れない。したがって、いつか自分が芸能界から見離されるのではないかという恐怖にいつも支配されている。だから、安心が欲しくて覚せい剤や麻薬に手を染めてしまうのであろう。ところが、そんな芸能人でも、『安全基地』を持つ人は違うのである。

人気の不安定な芸能人でも、絶対的な安全基地を持っている場合は、不安や恐怖を持つことが少ない。ここでいう安全基地とは、両親やパートナーなどの家族であることが多いし、師匠や芸能事務所の社長や上司であるケースも少なくない。この安全基地が、どんな場合においても安全と絆を提供してくれる存在なら、売れなくなる不安や恐怖を和らげてくれるし、苦難困難を乗り越える勇気を与えてくれるのである。ところが、この安全基地がない芸能人は、いつも得体の知れない不安や恐怖に苛まれていて、薬物依存に陥りやすい。

芸能人でなくても、この安全基地のない人が少なくない。どういう人かというと、愛着障害の人である。親との安定した豊かな愛着が結ばれずに育つと、愛着障害になる。親が豊かな愛情を注いでくれないで育った人、または甘えさせられず強い干渉や介入を繰り返されて育った人は、愛着障害になってしまう。親から支配され、強くコントロールを受けて、まるで親の操り人形のように育てられた人は、間違いなく愛着障害を起こす。こういう人は、親が安全基地にはなり得ず、不安や恐怖感を常に抱えてしまい、各種の依存症を起こしてしまうのである。

こういう愛着障害の人は、ずっと愛着障害を抱えて生きてしまうのかと言うと、けっしてそうではない。安定した愛着を持つ人生の師匠やメンターに出会うと、傷ついた愛着が癒されることもある。または、安定した愛着を持つ人生のパートナーに出会って不安定な愛着が修復されるケースも少なくない。酷い愛着障害だったチャールズ・チャップリンは、四度目の妻ウーナ・オニールによって愛着が癒された。つまり、愛着障害は親が絶対的な安全基地に変われば癒されるのであるが、そうならなくても良好なパートナーや人生の偉大な師と出会うことでも修復されるのである。勿論、愛着障害による各種依存症も乗り越えることが出来る。薬物依存だって例外ではない。

※愛着障害を持つ人は、人生のパートナーとして愛着障害の人を選んでしまい、共依存を起こしてしまうことが多いようです。この場合、子どももまた愛着障害を起こしてしまい、世代間連鎖が起きてしまいます。こうした子どもは各種の依存症や摂食障害を起こすことが少なくありません。HSPやHSCにもなります。アダルトチルドレンもある意味愛着障害と言えます。イスキアの郷しらかわは、愛着障害を癒すプログラムを実施しています。問い合わせフォームからご相談ください。

不安の時代を生きる

イスキアの活動をしていると、不安な心を持っている人がいかに多いかということを実感させられる。皆さん方一様に、不安や恐怖感を抱えていらっしゃることが多い。だからこそ、その不安や恐怖感がMAXになって、睡眠障害からメンタルを病んでしまうと思われる。何故、そんなにも不安になるかというと、何度も恐ろしい目に遭っていることもあるが、その根底には『安全と絆』がないからである。一応、親もいるし兄弟やパートナーがいたとしても、どういう訳か安全と絆が保証されていないのである。『安全基地』という安全な存在と場所がないのだ。

人間というのは、生きる上で絶対的な安全基地が必要だ。勿論、精神的にも大人の男は安全基地を必要としないことが多い。そういう男性は、内なる自分に安全基地を確立しているからである。しかし、子どもやか弱き女性は、安全基地が必要である。肉体的にも精神的にもか弱いと自分が感じているから、絶対的な安全基地がないと不安なのである。特に強い外敵から鋭い攻撃を受けた際、逃げることも出来ず闘うことが出来ない状況に追い込まれても、絶対的な安全を保障してくれる存在があれば怖くない。

そして大事なのは、この絶対的な安全基地との深い絆があるかどうかという点である。身近な者が安全基地としての機能を果たしてくれるとしても、その安全基地との深くて強い絆(信頼関係)がなければ不安は払拭できない。この信頼関係というのは、いつでも安心して何も包み隠さずに相談できるというものでなければならない。例えば、学校でいじめに遭ったり職場でパワハラに遭ったりした時に、この人だったら自分の身を挺してでも守ってくれるという信頼である。いざという時に、仕事に逃げてしまうような存在では何の役にも立たない。

ところが、世の中の父親や夫(恋人)というのは、この安全基地としての機能はあったとしても、主体的にそして自発的にその機能を発揮してくれないのである。仕事が忙しいと言って逃避するとか、自分の趣味に逃げ込んでしまい、まったく安全を保障しようとしてくれないのである。これでは安全と絆が保障されないばかりか、孤独感を強めてしまい不安が肥大化するばかりである。こうなってしまうと、不安は増大してしまう一方で、トラウマ化してしまうことになる。つまり、トラウマ化の蓄積が迷走神経による心身のシャットダウンを起こすのである。メンタルを病んで、不登校になったりひきこもったりするしかなくなる。

不安を抱えている本人は、どうしてこんなにも不安なのか、自分では解らないことが多い。得体のしれない不安というのは、特定されている不安よりも恐ろしいものである。ましてや、自分は両親やパートナーから守られている筈だと勘違いしている人ほど、得体のしれない不安に追い込まれることが多い。実際には親とかパートナーに対して、絶対的な安全と絆を実感していないのである。だから、心から安全基地を持っている実感がなくて、得体のしれない不安を抱えてしまうし、シャットダウンを起こしていると言える。

それでは、自分の親とかパートナーが安全基地として機能していないと、いつまでも不安を感じ続けてしまうのであろうか。そして、トラウマ化によって迷走神経によるシャットダウンをしてしまい、メンタルを病み続けてしまうのであろう。しかも、迷走神経によるシャットダウンからメンタルを病んでしまった人は、自分の力だけでシャットダウンから抜け出すのは殆ど不可能だと思われる。ましてや、絶対的な安全基地を持たない人は、メンタル障害からのひきこもりや不登校から復帰するのが、極めて難しい所以である。

不安の時代を生き抜くのは非常に難しいのだが、ひとつだけ不安を乗り越える方法がある。それは、臨時的に絶対的な安全と絆を提供してくれる人を見つけることである。その人物は、愛着障害を克服した人が望ましい。そして、見返りを求めず無償の愛を注げる人でなければならない。そして、どんなことがあっても見捨てることなく、守り続けるという態度を取れる人だけが、安全と絆を保障することが可能だ。そういう人物に臨時的にサポートしてもらい、内なる自分に安全基地を確立して自立するまで寄り添ってもらうことが出来れば、不安を乗り越えるられるに違いない。

※毎日が不安と恐怖感でいっぱいで、生きるのが辛くて苦しい人は「イスキアの郷しらかわ」にご相談ください。臨時的に安全と絆(安全基地)を提供してサポートさせてもらいます。まずは、問い合わせフォームから相談してみてください。

メンタルを病む原因は迷走神経にある

日本人は他国の人々と比較すると、メンタルを病む人の割合が多いという。何故そうなるのかと言うと、いろいろな要因が考えられるが、日本人特有の性格や人格、または価値観が影響していると思われる。そして、一度メンタルを病んでしまうと、なかなかその症状を克服することが出来なくなる。長期の療養が必要になるし、ひきこもりや休職に追い込まれてしまうケースも少なくない。そうなってしまう訳は、現在の医学レベルではメンタル疾患を完治させることが難しいし、投薬や各種セラピーでは効果が期待できないからであろう。

メンタル疾患に対する医学的アプローチの効果がないのは、そもそもメンタルを病む本当の原因を特定していないからではなかろうか。精神疾患の医療関係者は、メンタル疾患になる原因を以下のように捉えている場合が多い。乗り越えることが難しいストレスやプレッシャー、苦難困難にさらされた際に、偏った認知傾向や歪んだ価値観を持つ人は、脳内の神経伝達回路系統に異常をきたして、メンタル疾患になってしまうと考えている。故に脳内の神経伝達物質を正常にする投薬治療や認知行動療法等が有効な治療法と考えられている。

しかし、驚くことに投薬治療による効果は限定的であり、認知行動療法などの心理療法や精神療法もあまり効果が見られない。したがって、一度メンタル疾患を患うと、長期療養になることが多いし、重症化してしまうと入院治療をしても症状が改善しないことが多い。特に、双極性障害やPTSD、各種依存症などは投薬治療による改善が見られず、医学的アプローチの効果が見込めないと言われている。精神疾患に効くという新薬が続々と開発されて承認されているのに、患者は増加する一方だというのは実に不思議な現象である。

このことから導き出される結論としては、メンタル疾患になる原因は、ストレスや苦悩などによる脳内の神経伝達回路の異常ではないということだ。メンタル疾患になる本当の原因は、迷走神経による心身のシャットダウン(遮断)によるものなのである。自律神経には交感神経と副交感神経がある。今までの医学理論では、副交感神経は単一のものと考えられていたが、複数あることが判明した。副交感神経の約8割は迷走神経であり、そのうち腹側迷走神経と背側迷走神経が存在するということが解ったのである。これがポリヴェーガル理論である。

今まで副交感神経の働きと言われてきた、休息、免疫、交流を進めるのが腹側迷走神経である。一方、背側迷走神経とは闘争や逃走が不可能な場面に追い込まれた際に働く、シャットダウン(遮断)を起こす副交感神経である。人間は、逃げることも叶わず闘うことも出来なくなって八方塞がりの状態になると、心身の遮断・解離・凍り付きが起きてしまうのである。特に、自分の力ではどうしようもない強大なトラウマに心が支配されると、背側迷走神経による遮断・解離・凍り付きが起きる。

この心身の遮断・解離・凍り付きによって起きるのが、各種のメンタル疾患である。特に医学的アプローチによる治療効果がないと言われているのが、パニック障害やPTSDである。このパニック障害やPTSDが典型的な迷走神経による遮断・凍り付きの症状と言えよう。または、うつ病などの気分障害も迷走神経による影響である。そして、これらの迷走神経の遮断・凍り付きによるメンタル疾患は難治性であり、長期化する傾向にある。何故なら、一度迷走神経による遮断・凍り付きが起きてしまうと、そこから抜け出すのが困難になるからだ。

一度迷走神経による遮断・凍り付きが起きると、何故治癒しないかというと、トラウマ化しているからである。トラウマになってしまうのは、不安と恐怖からである。トラウマ化してしまうは、その人間に安全と絆が確保されていないからと言える。そして、安全と絆が保証されずに育てられると愛着障害を起こす。つまり、迷走神経による遮断・凍り付きが起きる根底には、愛着障害が存在しているからなのである。だから、安全と絆がないので何か大きなトラブルに見舞われると、それがトラウマ化してしまい、メンタル疾患を起こすのであろう。日本の子育てに、安全と絆が保証されていないことが根本的な問題だろう。

※迷走神経による遮断・凍り付きが起きて、そこから抜け出せなくなった人は、社会に適応するのが困難になります。不登校・ひきこもり・休職というような状況に追い込まれてしまいます。この遮断・凍り付きの状態から抜け出すことは、医学的アプローチでは極めて難しいと言われています。しかし、適切なボディケア、音楽療法、運動療法、そして安全と絆を提供するカウンセリング、さらに適切な愛着アプローチを実施すれば、遮断・凍り付きから抜け出せるのです。イスキアの郷しらかわでは、この迷走神経による遮断・凍り付きから抜け出すケアを実施しています。お問い合わせフォームからご相談ください。

ひきこもりの原因は迷走神経による遮断

ひきこもりが増えている。完全にひきこもっているのは若者だけでなく、中高年のひきこもりも多い。さらには、完全なひきこもりではなくても、買い物などの外出はできるのに、仕事や市民生活ができない社会的ひきこもりも増加している。そして、ひきこもりになっている原因は、メンタル疾患、適応しにくい社会、当事者の性格や人格、失敗体験、孤独感や絶望感などと言われている。確かに、それも一因にはなっているが真の原因ではない。ひきこもりという状況によってしか自分を救えないから、敢えて迷走神経が『遮断』をさせただけである。

草食の哺乳小動物は、強大な肉食動物の前では、闘うことはもちろん逃げることも出来ずに失神して固まってしまう。肉食動物が動いている動物しか食べないことを本能的に知っているのか、死んだように固まり肉食動物に捕食されることを防ぐ。これは、持って生まれた自己防衛反応である。この働きは、副交感神経を支えている迷走神経の一部が起こしている。生死に関わる緊急事態が起きた際に、その危険を回避するため、または食べられる時に痛みを感じなくするために、迷走神経が勝手に失神させてしまうと考えられている。これがポリヴェーガル理論だ。

実は、人間も生死に関わるような危険状態に陥った時に、失神したり不動化してしまったりすることはよくある。迷走神経が自分自身を守るために起こしている自己防衛反応である。人間は痛みによってショック死することがある。それを防ぐために一時的に気を失わせると考えられている。それをシャットダウンと便宜上呼ぶことにする。草食系の小動物は、この一時的シャットダウンから自力で蘇ることが出来る。人間は逃げられない過大な苦難困難やショックな出来事に遭うと、シャットダウン化が起きてしまい、元に戻れなくなる。

今までの医学的常識では、人間の自律神経は交感神経と副交感神経の二つの調整とバランスによって成り立っていると考えられてきた。ところが、この副交感神経を支えている迷走神経には、二つの迷走神経が存在すると判明した。ひとつは腹側迷走神経で、健康・調和・交流などを支援している。もうひとつは背側迷走神経で、これが命の危険に巡り合った時にシャットダウンをさせてしまうのである。このシャットダウンは、心を遮断させると同時に、身体的にも血流やリンパの流れを遮断したり筋肉を収縮させたり、神経を過敏にすることもある。

これはとても深刻な心身状況を起こしてしまうということである。神経過敏に陥ると、大きな音や強い光、匂いにも過敏になり、外出さえできなくなる。人の声、特に低周波の男性の声に恐怖感を覚えるし、低い機械音にも不安になる。LEDなどの強い光を見ると精神が疲弊する。特定の匂いに敏感にもなり、外出できなくなる。がやがやする人声がすると、逃げ出したくなる。トラウマやPTSDにもなるし、パニック障害を起こすこともある。メンタル疾患にもなりやすいし、対人恐怖症、妄想性障害、摂食性障害、強迫性障害にもなりやすい。こうなると、あまりの恐怖感で社会に出ることが出来なくなるのである。

迷走神経によってシャットダウン(不動化)が誰にでも起きるのかというと、けっしてそうではない。どんなに危険な状況に追い込まれても、シャットダウンが起きない人もいる。どうしてそんな違いが起きるのかというと、根底に愛着障害を抱えているかどうかによる。愛着障害を抱えている人は、安全な場所や境遇を提供してくれる存在がないし、良好な絆が結ばれていない。そういう人は、オキシトシンホルモンが不足しているから、いつも大きな不安や恐怖感を抱えている。故に生命が脅かされる状況に追い込まれると遮断が起きるのだ。

人間の場合は、背側迷走神経が働いて一度シャットダウンが起きると、そこから自力で脱出することが不可能になる。投薬やカウンセリング、心理療法などの医学的アプローチをしても、シャットダウンが解決できない。認知行動療法や様々なセラピーを駆使したとしても、シャットダウンから回復することは難しい。臨時的であっても安全な場所と境遇を提供され、良好な絆が結ばれて、音楽療法、適切な運動とボディーワークを続ければ、やがて迷走神経によるシャットダウンが和らいでくる。もちろん、同時に適切な愛着アプローチを受けることが出来たとしたら、遮断から完全に解き放たれてひきこもりから抜け出せるに違いない。

性的暴行に無抵抗になる訳

男性から暴力を伴う性行為を、女性が無理やりに強いられるケースがある。または男性の養育者から、女の子が性的虐待を受けるケースがある。強い立場の者が弱い立場にある者に、こんな人間としてあるまじき卑劣な行為をするというのは、絶対に許されないことである。しかし、裁判とか家裁の聞き取り調査で、実に不思議な証言が加害者と被害者から述べられることが多い。それは、被害者が抵抗しなかったという点である。だから加害者側から、合意のうえだったとか、暗黙の了解だったと主張する根拠にされてしまうのである。

この抵抗できなかったという点で、被害者の女性は法廷の場でセカンドレイプのような気分を味わうし、自分自身を責めてしまうことになる。ましてや、抵抗しなかったことで多大な負い目を持ってしまうし、多くの人々から非難めいた言葉が寄せられて、メンタルを病んでしまうことが多い。そして、深刻なトラウマやPTSDを持つことも多い。また、養育者から性的虐待を受けた子どももまた、深刻なメンタルの傷を負ってしまう。どうして抵抗しなかったのかという後悔の念を、大人になってからも持ち続けることだろう。

実は、これは抵抗しなかったのではなくて、身体が勝手に反応してしまい、抵抗できなかったというべきなのである。しかも、自分の生命を守るために、迷走神経系統が勝手に反応して、止むを得ずに起きた正しい反応なのである。どうしてかというと、それはポリヴェーガル理論で説明できる。ポリヴェーガルというのは、日本語では多重迷走神経と訳される。自律神経というのは、現代医学においては今まで交感神経と副交感神経の二つで、身体のバランスを取っていたと見られていた。しかし、副交感神経には二つの迷走神経があることが判明したのである。

副交感神経を支える迷走神経に、実は二つの迷走神経回路が存在することを、ステファン・W・ポージェス博士が世界で初めて明らかにした。そして、この二つの迷走神経のうち、背側迷走神経が進化上初めに出来た神経経路で、その後に新しく腹側迷走神経が出来たとみられる。したがって、交感神経と副交感神経だけで身体の健康や体調を調整している訳ではないということである。つまり、交感神経と二つの迷走神経の合計三つの神経経路が、身体と心のバランスを制御しているのである。これは画期的な発見であり、今までの医学界の定説を覆したと言える。

今までは、哺乳動物が命を脅かされるような事態が起きた時には、交感神経が闘争/逃走の二者選択をして生命を守る行動をすると思われていた。ところが、逃げるのも出来ず闘うことも出来ない状況に追い込まれた小動物は、背側迷走神経が働いて、不動化・固まるというような防衛行動を取ることが知られている。この背側迷走神経がやっかいな存在で、人間の場合は不動化・シャットダウンだけでなく、精神的な解離や失神状態にさせるのである。本来は、新しく発達した腹側迷走神経を働かせて、安全だと認識できたら古い背側迷走神経が働くまでは行かないのだが、レイプされるという恐怖感がシャットダウンをさせるのだ。

被害を受けた女性は性的暴行や虐待をされるという恐怖感があり、そして自分よりも強大な敵で、逃走も闘争もかなわないというので、背側迷走神経を動かすスイッチが入ってしまい、身体が動かなくなったり心が固まったりして、反抗することが出来なくなったとみるべきだろう。もし対抗したら相手を怒らせて、命までなくす危険もあったのだから、正しい防衛反応をしたと言える。性的暴行を受けた時に、抵抗しなかったのではなく、迷走神経が働いて防衛反応を無意識に起こしたのであり、被害者は自分を責めたり否定したりする必要はない。抵抗の出来ないか弱き女性を、思うままに凌辱した男性が卑怯なのである。

性的暴行を受けた被害者で、シャットダウンを起こしてしまった女性はその後、新しく進化した腹側迷走神経を働かせることが出来なくなる。そうなると、トラウマやPTSDを克服できないばかりか、正常な社会生活や社会的交流が出来なくなり、メンタル障害を背負うことが多い。ましてや、その後に異性と付き合えなくなるとか、セックスが出来なくなったり性的快感を得なくなったりする。だから、性的暴力は被害者の人生そのものを狂わせてしまうものなので、死刑に値する重罪なのである。ただ、ポリヴェーガル理論を用いた適切なアプローチをすれば、シャットダウン状態から救い出せるということを最後に付け加えたい。

※イスキアの郷しらかわでは、過去に性的暴行を受けて現在もメンタルを病んでいるとか、トラウマを抱えて生きづらいという方に、何故克服できないのかをポリヴェーガル理論を駆使して説明します。と共に、迷走神経によるシャットダウン状態から抜け出すための音楽療法やボディーワークを詳しく丁寧に説明します。

月経前不快気分障害PMDDの原因

女性なら誰でも月経前の時期は、不快で憂鬱な気分になりがちである。月経前症候群(PMS)という、辛い心身の症状がある人がいる。そして、そういう月経前の困った精神症状が強く出る障害を月経前不快気分障害(PMDD)と呼んで、ひとつの疾病として取り扱い、治療を受けている人もいる。このような月経前の辛さは、我々男性には想像もつかないが、各種メンタル障害を起こすケースもあるし、強いうつ症状を呈する人も少なくないという。そして、医学的なアプローチをしても、症状が改善することは期待できないという。

PMDDは、複雑で実に不快な気分にさせてしまう。その中で一番困る症状は、怒りが爆発することである。家族の何気ない言動に我慢ならず、いきなりキレてしまい、怒りを相手にぶつける。当然、けんか腰で言い合いになるし、関係性を損なってしまいかねない。家庭だけではなく、職場でも同様のことが起きてしまう。さすがに上司には盾突くことはないものの、上司や同僚の言動に怒りを感じてしまう。それをじっと我慢しなければならないとストレスが溜まってしまい、しまいには職場で孤立してしまうこともある。

このPMDDの症状で困るのは、イライラが募ってしまうことである。必要以上にイライラして攻撃性が出るというのは、本当に困ったものである。怒りや憎しみの感情が沸騰してしまい、ついつい相手を攻撃しがちである。爆発しそうになる怒りをないことにしてしまわないと大変なことになるからと、ついつい感情を押し込んでしまう。そうすると、腰痛や肩こりなどの症状が出やすい。かと言って、怒りを相手にぶつけてしまうと、夫婦喧嘩や親子喧嘩になりやすい。職場で怒りを爆発させてしまうと、仕事が長続きしなくなる。

PMDDという辛い精神症状を、周りの人に理解してもらえないというのも苦しい。特に、男性はその不快な気持ちを理解できないから、家庭でも職場でも寛容に扱ってくれない。自分の努力次第で乗り越えられる筈なのに、そんなに怒りを爆発させるのは、人間が出来ていないからだと思われてしまうことが多い。男性はその深刻さを知らない故に、月経前の不快な気分なんて、気持ちの持ちようでいくらでも吹き飛ばせると考えがちである。ところが、これは自分の努力ではどうにもならない難治性の精神症状なのである。

PMDDの原因が、女性ホルモンの異常から起きると考えられることから、婦人科で治療を受けるケースが多い。あまりにも酷い症状には、経口避妊薬(ピル)を処方することもある。うつ病の症状が出る場合は、抗うつ剤の投与も考慮される。女性ホルモンの異常、またはセロトニンの不足によってPMDDが発症すると思い込んでいる医師が多い。しかし、ホルモン量の検査をしてみると、異常が発見されることは極めて少ない。ましてや、幼児期からの育成歴や親との関係性やパートナーとの関係性などを詳しく問診する医師がいないので、本当の原因を探り当てることはまずないであろう。

PMDDの患者さんに、HSP(神経学的過敏症)であるかどうかを問診すれば、おそらく多くの項目で当てはまるに違いない。そして、親との愛着について詳しく聞いてみれば、愛着障害であることに気づく筈である。つまり、PMDDの患者さんの多くは、愛着障害によって症状が現れていると推察される。したがって、PMDDはホルモン治療などの医学的なアプローチでは改善されないということである。適切な愛着アプローチをすれば、症状が軽減する可能性があるということでもある。

愛着障害の人は、オキシトシン・ホルモンの分泌量が極めて低いことが判明している。オキシトシン・ホルモンの分泌量が低いために、不安・恐怖感が強くて、いつも最悪の未来を予想してしまうと共に、パートナーを心から信頼することが出来ない。職場では上司や同僚の善意を感じることが出来なくて、悪意を感じてしまいがちになる。月経前には、何らかの理由によりホルモンバランスが崩れて、オキシトシン・ホルモンやセロトニンホルモンが欠乏すると思われる。その為に、PMDDの症状が強く出てしまうのだと推察するのが妥当であろう。PMDDの患者さんは症状改善を諦めているが、愛着アプローチによって症状が収まる可能性があるので、試してみてはどうだろうか。

ゲーム障害(依存症)を克服する

ゲーム依存症という精神疾患の医学的診断名は、正式には存在しなかった。つまり、病気としては認めていなかったのである。ところが、WHOは『ゲーム障害』という名前の精神疾患として認定することにしたという。今後、ゲームに依存し過ぎて、長期間に渡り通常の生活に影響を及ぼすような状況にあると、ゲーム障害と診断されることになる。今までは単なる依存の一形態だというとらえ方で、医学的治療の対象とはならなかったが、今後はゲーム障害という正式な診断名が付いて、医学的なケアを受けられるということになる。

今まで、ゲームに依存し過ぎてしまい、ひきこもりになったり学校や職場に行けなくなったりする若者や中年は多かった。我が子がそういう状況に追い込まれても、親はどうすることもできなかった。なにしろ、病気でもないから病院にも連れて行けないし、誰にも相談することができないから、悩み続けるしかなかった。今後は、病気なのだから精神科クリニックか心療内科で診察やカウンセリングを受けることが出来るようになった。しかしながら、ゲーム障害を本人は病気だと認めないし、医療レベルで治すのは非常に難しいと言えよう。

ゲーム障害を医療レベルで治すのが何故難しいかというと、現代の精神科領域における投薬中心の医療では、ゲーム障害を乗り越える治療をすることは不可能に近いと言える。他の薬物依存やギャンブル依存などの依存症においても、精神医療の対象としてやっかいなものはないのである。依存症の治療に対して、ほとんどの精神科医は及び腰になってしまう傾向がある。何故なら、依存症を完全に治癒させる方法が見当たらないのである。ましてや、ゲーム障害が深刻な病気だという認識がないから、治療に真剣にならないことが多い。

ゲーム障害になるそもそもの原因を、精神科医、またはカウンセラーやセラピストが正確に把握しているとは思えない。新しい依存症であるから、研究の成果も上がっていないことから当然なのかもしれない。これから、ゲーム障害について研究が進めば、原因も解明されてくるかもしれないし、治療法も確立されてくるであろう。しかし、現在ゲーム障害に陥っている我が子を何とか救い出そうと悩み苦しんでいる保護者にとっては、一刻も待てない状況に違いない。ゲーム障害は、当事者が病気だという認識がないから深刻なのである。

ゲーム障害は疾病であるが、その原因は脳の異常によるものではないかとみられている。前頭前野という理性を司る脳分野があるが、ゲーム障害の人はその前頭前野の機能が著しく低下しているらしい。やってはならないと思いながら、ついついゲームにのめり込んでしまうという。依存症の人たちは、感情のコントロールが苦手であることが多い。不安感や恐怖感も強く、五感の強い刺激に敏感で傷つきやすい傾向がある。安全な居場所がないと思う人が多く、満たされない思いに支配されていることが多い。だから、ゲームにしか喜びを見いだせないし、ゲームをしている時だけ不安を忘れられるから、のめり込むのであろう。

どうして脳の異常が起きるのかというと、オキシトシンホルモンの分泌低下とセロトニンの分泌低下が起きていると思われる。特にオキシトシン不足からいつも不安感や恐怖感にさいなまれていて、自分にとって安全な居場所がないと感じている。苦難困難にぶつかると乗り越える勇気が持てないから、ゲームに逃げ込んでしまうのだと思われる。ゲームにのめり込んでいる時間だけが、不安や恐怖から解放される。または、満たされない思いや誰からも愛されていないという思いから、ゲームをしている時だけ心が満たされると勘違いするのかもしれない。強烈な孤独感に陥っていることも多い。ゲームをしている時間だけが、自分の幸福だと思い込むのだろう。

このようなオキシトシンホルモンの分泌低下が起きるのは、愛着に問題があるからだと思われる。親との愛着が傷ついていたり不安定になっていたりすると、オキシトシンホルモンの分泌が低下してしまう。すると、いつも不安感や恐怖感が高まっている状況になり、自分にとって乗り越えることが難しい課題が起きると、ゲームに逃げ込んで依存することになる。つまり、ゲーム障害になるそもそもの原因は、愛着障害なのではないかと思われる。そうだとすると、ゲーム障害を乗り越えるには適切な愛着アプローチが有効だということになる。ゲーム障害に陥っている当事者とその母親などの家族に対して、適切な愛着アプローチをすることで、ゲーム障害を克服できるのではないだろうか。

※我が子がひどいゲーム障害のために、生活に支障を来していて、とても困っている保護者がいましたら、是非「イスキアの郷しらかわ」にご相談ください。問い合わせフォームからまずは相談の申し込みをしてください。

休職者の職場復帰が実現するには

メンタルで休職している社員・職員が非常に多い。うつ病や双極性障害などの気分障害を起こして、職場に行けなくなってしまうケースが殆どである。もし自営業であるならば、休業せざるをえなくなってしまう。その原因は、職場における人間関係にあると言われている。さらに、本人の気質や言動にも原因があると見ている関係者が多い。中には明らかなパワハラやセクハラ、またはモラハラなどの被害が深刻な故に、メンタルを病んで休職や退職に追い込まれてしまっている社員・職員が多いのも実情だ。

休職している人の中には、あまりにも酷い仕打ちを受けて、パニック障害やPTSDになってしまい、ひきこもりの状態になってしまっている社員・職員も多いらしい。こうなると、職場復帰が難しいばかりか、社会復帰さえ困難になってしまう状況になることが多い。このような状況になってしまった社員・職員をどのようにして職場復帰させるか、管理者にとって悩ましいことである。大企業であれば専門のセラピストを雇用して対応したり、復帰に向けた専門施設を利用して復職プログラムを実行したりして、復帰支援をしている。

しかし、残念ながら中小企業や行政機関は、そのような至れり尽くせりの手厚い復職支援策をしてはくれない。中でも休職者が多い教職者に対する復職のための支援は、学校においても教育委員会においてもまったくない。教職員が休職したり離職したりするのは、まったく自己責任と捉える傾向がある。ベテランの教職者を育てるのに、どれほどの時間と費用がかかっているのか知らない訳でもないだろう。復職できないままの休職者を放置するということは、国として、また教育界として多大なる損失ではないだろうか。

メンタルによる休職から完全に職場復帰するのは、かなり難しいことだと認識されている。ましてや、数か月に及んだ長期休職者が以前のように元気で働くことはまず皆無と言ってよい。まず、メンタル疾患や各種障害が医学的治療によってその症状が和らぐことが極めて少ないという事情がある。また、休職してしまう背景が職場環境にあるとすれば、休職前の職場に復帰するのは難しいと言える。そして、職場復帰ばかりか社会復帰さえできなくて、ひきこもりの状況に追い込まれてしまうケースも少なくない。

そんな休職者への職場復帰支援策が、例外的に見事に成功するケースがある。それは、愛着アプローチという手法を選択して実施した場合である。この愛着アプローチというのは、傷ついてしまった愛着を癒すことである。または不安定な愛着を安定した愛着に戻す作業でもある。傷ついた愛着や不安定な愛着を抱えてしまうことを愛着障害と呼んでいる。メンタルによる休職者のほとんどが愛着障害を抱えている。そして、この愛着障害が愛着アプローチによって癒されることで、メンタルも改善されて職場復帰が可能になるのである。

職場復帰支援は、休職している当事者だけに施されるのが通常であるが、愛着アプローチは当事者だけでなく、その家族にも実施されるケースが多い。愛着アプローチが劇的に効果を上げるのは、当事者の母親に実施した場合である。愛着障害になる原因が、親と子の関係性にあるのだから、当事者である子だけでなく親にもアプローチするのは当然であろう。とりわけ親子の絆の深さや豊かさが大切なのは、母子のそれである。母親と子どもとの関係性が非常に良ければ愛着障害になりにくいし、メンタル障害になることはまずない。母親が子どもの安全基地(安全で心から安心できる守り本尊)となっていれば、メンタルが安定しているし、どんな苦難困難も乗り越える勇気を持てるのである。

愛着アプローチにより、母親の安全基地としての機能を取り戻すことができる。愛着アプローチを支援者(カウンセラーorセラピスト)が適切に母親に実施すれば、劇的な効果が現れる。この適切な愛着アプローチを実施できる支援者は、優秀なメンターでなければ効果をあげることができない。適切な共感的メンタライジングや認知的メンタライジングを駆使して、母子の関係性を良好で豊かな愛が溢れるものに修復することが出来たら、愛着障害は克服できる。愛着障害を乗り越えることが出来たら、メンタル障害は改善されるし、職場復帰も可能になる。ところが、職場復帰支援が母親に対してまで実施されるケースはないし、メンタル障害を起こした当事者の母親への積極的アプローチがされることは少ない。医学的アプローチだけでなく愛着アプローチも検討してみてはどうだろうか。

※「イスキアの郷しらかわ」では、愛着障害についての研修を実施しています。そして、愛着障害を乗り越える愛着アプローチのやり方についてもお伝えしています。どうして愛着障害が起きてしまうのか、その愛着障害をどのようにすれば乗り越えることが出来るのかを丁寧に説明します。まずは、問い合わせフォームからご相談ください。

メンタル不調の原因は愛着障害にある

複雑なメンタルの不調を抱えている人が多いが、それらのメンタル障害が愛着障害によって発症していることが判明したという。メンタル障害の医学的治療は難しいし、効果は限定的である。さらに、それが愛着障害から発症したものであれば、薬物治療などの医学的治療で根治するのはなおさら困難である。現代医療では治療が困難だとされる、双極性障害、慢性うつ病、気分障害、境界性パーソナリティ障害、PTSD、摂食障害、妄想性障害、各種依存症、ADHDなどは愛着障害による影響が大きいとされる。それらのメンタル障害が、適切な愛着アプローチによって見事に改善するという。

不登校やひきこもり・ニート、休職者の当事者は複雑なメンタル障害を抱えているケースが少なくない。そして、その根底になっているのが愛着障害だと推測されるケースが殆どである。愛着障害というのは、英国の児童精神科医ジョン・ボウルビーが1950年頃に提唱した、児童精神発達障害理論のひとつである。愛着障害は日本の精神医学会ではあまり注目されてこなかったが、近年大きな話題を集めている。著名な児童精神科医である岡田尊司氏がその豊富な臨床経験によって編み出した愛着アプローチが多大な実績を上げているからだ。

岡田尊司先生は、長い期間に渡って少年院に送致された子どもたちの精神的ケアーに携わっていらした。その中で、それらの生きづらい少年たちが複雑なパーソナリティ障害を抱えていることに驚き、その克服に尽力されてきた。現在は、大阪で岡田クリニックを開所されて、メンタル障害で苦しむ青少年たちの治療をされているという。そして、岡田先生はパーソナリティ障害などのメンタル障害の根底に、愛着障害が潜んでいること気づき、愛着アプローチを実践して、多大な効果を上げているのである。

不登校やひきこもりの青少年たちだけでなく、生きづらい大人にも愛着障害が潜んでいるし、各種のパーソナリティ障害に苦しんでいる人々にも根底に愛着障害があるというケースが多い。愛着障害というと、乳幼児期に養育者からひどい虐待やネグレクトを受けた子どもたちが持つ障害だと思われている。または、乳幼児期に養育者から見捨てられる経験で愛着障害になると思われてきた。ところが、ごく普通の家庭で育てられた子どもでも愛着障害を抱えているケースが少なくないという。そして愛着障害から発症したパーソナリティ障害などのメンタル障害で苦しむ大人に成長してしまうケースが多いのである。

すべてのメンタル障害が愛着障害から発症しているとは言えないが、想像以上に愛着障害が根底にあるケースが多い。薬物治療などの医学的な治療ではまったく効果がなかった症例が、愛着障害と診断され、適切な愛着アプローチを受けると見事に改善されるのである。それも驚くことに、愛着障害を抱えた当事者への愛着アプローチだけでなく、母親に対する愛着アプローチのほうが大きな効果を上げることが多いというのである。今までの医学理論ではそんなことはあり得ない。しかし、実際に母親への愛着アプローチによる支援によって、当事者の症状が劇的に改善するのである。

愛着障害が発症するのは、虐待やネグレクトなどの特殊なケースだけではない。ごく普通の家庭教育を受けて、家庭の外から拝見すると親から愛情一杯に育てられて、何も問題がないと思われているケースでも愛着障害が発症してしまう。特に、両親が高学歴で知能レベルが高く、あまりにも教育熱心な親である場合が多い。子どもに対して必要以上に親が介入して、子どもの主体性の発達を阻害してしまうのである。こういう場合は思春期に、いじめなどをきっかけにして、強迫性障害、摂食障害、不安障害などを発症して、不登校やひきこもりを起こしやすい。酷くなると、家庭内暴力までも起こす。これも愛着障害である。

不登校、ひきこもり、メンタル不調による休職などは、殆どのケースで愛着障害が基になっていると言っても過言でない。したがって、医学的な治療ではまったく効果がないが、適切な愛着アプローチによる支援を受けると見事に回復して社会復帰する。この愛着アプローチとは簡単に言うと、不安定になった親子の関係性(愛着)を、親密で安定した関係性に戻すことである。それも、当事者よりも母親への適切なアプローチ(支援)のほうが、効果が大きいという。母親からの子どもに対する愛情が、寛容性と受容性の極めて高い母性愛に変容すると、子どもは変わる。まさに親が変わると子は変わるのである。

※愛着障害が根底にある不登校、ひきこもり、メンタル不調による休職者への愛着アプローチによるサポートを「イスキアの郷しらかわ」では実践しています。特に、子どもが不登校、ひきこもり、休職などの問題を抱えて悩んでいる母親に対する支援をさせてもらっています。愛着障害が起きる原因とその対策に関する研修、そして実際に愛着アプローチのやり方を学ぶことが可能です。まずは「問い合わせフォーム」からご相談ください。

摂食障害を乗り越える

摂食障害に苦しんでいる人たちは、世間で想像している以上に多い。何故ならば、当事者は勿論のこと保護者も内密にしているので、文科省や厚労省はその実数が掴めていないからである。児童生徒の時から摂食障害の辛い症状が始まる場合もあるし、青年期に起きるケースもある。いずれにしても、圧倒的に青少年の時期に摂食障害が始まることが多い。摂食障害の症状は、過食、拒食、そして過食の後に嘔吐するという特徴的な状態が続くのである。最初は拒食から始まることが多く、その後過食の症状になり、拒食と過食を繰り返し、最後は過食後に吐くという症状を長く続けるケースが多いと言われている。

摂食障害は病気ではないと思っている人が多い。だから、治療も受けず当事者と家族は苦しみ続けている。確かに厳密に言うと病気ではないが、メンタル障害であるのは間違いない。心療内科などのクリニックに通院している人もいるし、重症の場合は極端な栄養障害に陥り、入院するケースもある。投薬治療も行われるが、あまり効果は期待できない。劇的に症状が改善する場合もあるが、治癒することなく長い期間に渡り摂食障害の症状で苦しんでいる人が多い。20年以上の長きに渡り摂食障害で苦しんでいる人も少なくない。

摂食障害が治りにくいのは、そのはっきりした原因が掴めていないからである。これだけ医療や精神医学が発達しているのに、まだ摂食障害の原因は謎の部分が多い。例え原因が特定されても、その原因を解消することが極めて難しいというケースが多い。つまり、摂食障害というのは難治性の症状だと言えよう。摂食障害の症状が起きるのは、脳の神経伝達回路の異常ではないかと考えられている。それでは、この神経伝達回路異常が起きるそもそもの原因は何かと言うと、完全には解明されていない。だから治りにくいのである。

摂食障害の症状が現れる子どもや若者に共通していることがある。それは、とても生きづらい生活を送っているという点である。その生きづらい生活というのは、言い換えると愛に飢えているということが言える。つまり、溢れる愛によって満たされていて、人生を楽しんでいるような子どもや若者は、摂食障害の症状が起きにくいということである。また、必要以上に無理したり我慢したりしている子どもや若者も摂食障害になりやすい。あるがままというか、自然体で生きているような人は摂食障害になりにくいのである。

すべてがあてはまるという訳ではないが、摂食障害を起こすのは、どちらかというと『良い子』である子どもが多い。無邪気でやんちゃで、自分の思いを親に素直にぶつけるような子どもは摂食障害になりにくい。手がかからず、親には一切反抗せず、親の機嫌を損なわないようにおとなしくしていて、我慢強くわがままを言わないような子どもが摂食障害を起こしやすい。そして、親からいつも「早くしなさい」「こうしないと駄目よ」「こうしたいんでしょ、こう言いたいんでしょ」と言動を先取りされて育った子どもが多い。さらに、自尊感情が育っていなくて、自己否定感が強い子どもというのが特徴である。

摂食障害という症状が起きるのは、心が不安でいっぱいになり恐怖が次から次へと押し寄せて、このままだと心が壊れてしまうのではないかという時に起きることが多いらしい。つまり、心が壊れてしまうのを防ぐのに、摂食障害という辛い症状を起こして防いでいるかのようである。心のバランスが崩れていくのを防衛するかのような不思議な働きと言えよう。だから、治りにくいのである。つまり、この崩れそうな心のバランスを正常に戻さないと治らないし、不安や恐怖感を収めないと完治しない。さらに、自己否定感情を払拭して、自尊感情を高めないと摂食障害の症状は収まらないのである。

脳摂食障害を治すのは、当事者の努力だけではなしえない。やはり、経験豊かで優秀なカウンセラーやセラピストの助けが必要だと思われる。そして、こういう摂食障害を乗り越えるには、家族も変わらなければならない。何故かと言うと、家族との関係性にこそ摂食障害が起きた原因が隠れているからである。何も親の子育てに問題があったという訳ではない。あくまでも、親子の関係性や両親夫婦の関係性にこそ、摂食障害を発症した原因があるということだ。という意味で、ミラノ型の家族療法である『オープンダイアローグ』が効果を発揮すると思われる。ご両親と当事者を含めたオープンダイアローグ療法が、家族の関係性における課題に気付かせ、自ら変わり関係性を修復することにより摂食障害を乗り越えることが出来よう。

※イスキアの郷しらかわでは、摂食障害の症状の克服に、オープンダイアローグを駆使しての対応をしています。出来る事なら親子一緒にオープンダイアローグを体験していただくのが最適です。家族療法というと、親が批判されたり子育ての拙さを指摘されたりするのではないかと危惧される方が多いと思います。しかし、オープンダイアローグは特定の誰かに原因や責任を押し付けることはしません。安心して、問い合わせをしてください。