こんな誉め方や叱り方をしてはいけない

 子どもは誉めて育てると言われているが、ただ誉めればいいと言うものではない。また叱り方が正しくないと、子どもは健全に育たないばかりか、とんでもない障害を起こしてしまうこともある。正しい誉め方と叱り方があるし、絶対にしてはならない誉め方と叱り方があるのだ。間違った誉め方を続けてしまうと、パーソナリティ障害を起こしたりアスペルガー症候群の症状を呈したりすることもある。また、叱り方を間違うと子どもの自己組織化が阻害されてしまうこともある。職場において、部下を誉めたり叱ったりする時も同様である。

 先ずは誉め方について考えてみたい。誉める時には、何を誉めるのかということが大切である。とかく、親は子どもが何かをして、出した結果を誉めることが多い。テストの点数が高いとか成績表が良かったりした時に誉めることが多いことだろう。ビジネスの場面においても、良い結果を出した時に誉める上司が多いに違いない。確かに、良い成果を出した時に誉めるというのは良くあることだ。しかし、部下は結果主義や成果主義になってしまい、努力をするプロセスを大切にしなくなる。誉める相手が子どもでも同じ弊害が起きてしまう。

 子どもが頑張った経過を誉めるのは、良いことだ。しかし、出した良い成果だけを誉めることをし続けると、良い結果だけを見せて悪い結果なら隠すということをしかねない。頑張っている姿を見かけたら、それをタイムリーに誉めることをしたいものだ。また、結果を誉める時に、絶対にしてはならないことがある。本人の前で、兄弟姉妹のことを誉めてはならないということだ。自己肯定感が育っていず、劣等感を持っている子どもの前で兄弟姉妹のことだけを誉めてしまうと、益々自信を喪失しまうし、やる気を失わせてしまう。

 努力したというプロセスを誉めるのも大切だが、考え方やチャレンジする姿勢、諦めない精神を誉めてあげたい。そして何よりも大事なのは、子どもが自分のことよりも周りの人々の為に頑張ろうとした行動を誉めることだ。つまり、個別最適よりも全体最適を優先した時こそ誉めてあげたい。さらには、誰かに言われて行動するのでなく、自らが主体的に自発的に行動しようとした時にも誉めたい。主体性や自発性が働いた時にこそ誉めることで、自己組織化が進化するであろう。このように誉めれば、子どもは健全に育つに違いない。

 子どもを誉める為には、子どもの言動に注目しなければならないし、深く観察することが必要である。しかも、子どもの本当の気持ちを推し測らなければならない。部下を誉める時にも同じことが言える。部下がどんなふうに誉めたら嬉しいのかを、自分のことのように推察することが必要である。そして、子どもは親のことが大好きだから、親が喜ぶことをしたいのだ。だから、子どもの言動や考え方を誉めてあげて、そのことで親がとても嬉しいということを伝えることが大事である。そうすれば、子どもは伸びるし自立するに違いない。

 さて、叱る時はどうしたらいいだろうか。子どももそうだが、部下を叱る時は皆の前では避けたほうが良い。身の危険がある時や緊急性のある場合は仕方ないが、本人のプライドを傷つけるようなことは避けたい。一対一で対面にて叱りたいものだ。メールやLINEトークなど、または電話で叱るのは絶対に避けたい。LINEのグループトークで叱るなんて最悪だ。さらに、悪い結果や成果を叱るのは避けたい。努力をしないプロセスを叱るべきだ。間違っている考え方や哲学を叱るのも大事だ。私利私欲の行動や人を傷つける言動には、しっかりと叱責したい。

 叱るのは勇気のいることだ。叱るには多大なエネルギーが必要である。勿論、相手をよく観察しなければならないし、叱るということは自分が同じことはしていないし、これからもしないということを宣言しているようなものだ。特に、思想や哲学の元になる価値観が間違っているということを叱るには、自分が正しい価値観を持って揺るぎない目的を目指して人生を歩んでいるという自負が必要である。そうでなければ、相手の間違った価値観を叱ることは出来ない。叱ることも誉めることも、相手の成長を願っての行動であることが前提だ。感情的に叱ったり誉めたり、または自己満足や自分が利する為にしてはならないのだ。

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