パワハラ上司の取扱説明書

 パワハラ上司というのは、自己愛性の人格障害でありヒットラーのような人格を持っているから、危険極まりない人間なんだということを、ブログで警告発信したことがある。その際には、多くの方々から反響を頂いた。中には、現在パワハラ上司の下で苦労しているという方から相談も寄せられた。私たちの想像以上に、自己愛性人格障害の上司に仕えて苦しんでいる職員が多いんだと認識させられた。自分も自己愛性人格障害の上司の元で働いた経験があるが、苦しい職場生活が続くので本当に嫌になる。メンタルを病んでしまう部下も多い。

 何人かの自己愛性人格障害の上司に仕えてみて、彼らがどうして自己愛性人格障害になったのかが解ったような気がする。パワハラ上司に共通しているのは、自己否定感情が極めて強いということだ。絶対的な自己肯定感がまったく育っていないのである。自己否定感がいつも自分を支配している。だからその反動で、周りの人を自分より劣っているのだと否定することで、自分の自己否定感を慰めているのである。極めてひねくれた性格なのである。自分が一番優れていると、周りの人に思ってもらえないと気が済まないのである。

 パワハラ上司は、自信たっぷりな態度を取るし、自分が一番だと思いたがっているから、自己肯定感が高いんだろうと周りの人たちは思いがちである。しかし、自己肯定感がないから自分を必要以上に自分を大きく見せようとしたり有能だと思わせたりするのだ。なにしろ、何よりも称賛を求めたがる。上司だけでなく、部下からも誉めてもらいたいのだ。誉めてもらえないと、拗ねたりもする。パワハラ上司は他人を平気で批判したり否定したりする。ところが、自分が否定されたり批判されたりことを嫌がるし、そうされると落ち込むのだ。

 何故、パワハラ上司は自己肯定感が低くて、自己愛性人格障害の症状を起こすのかと言うと、彼は愛着障害だからである。幼児期に母親から、まるごとありのままに愛されるという経験をしていないのである。愛情不足の幼児期であったろうし、無条件の愛で包まれて育ったことがないのであろう。おそらくはダブルバインドのコミュニケーションで育てられたのだと思われる。悲惨な幼児期から少年期(少女期)を送ったと思われる。それで深刻な愛着障害を抱えてしまい、二次的症状として自己愛性人格障害の症状を呈してしまったのである。実に可哀想な人なのである。

 パワハラ上司は、自分が万能の神だと言わんばかりの横柄な態度をする。世界は自分を中心にして回っていると勘違いしているような姿勢をする。自分に逆らうような部下は絶対に許せないし、自分よりも高い能力を発揮するような部下はとことんまでいじめ抜く。ましてや、自分の地位を脅かすような部下は徹底的に貶める。自分の地位や名誉を何よりも大切にするし、上昇志向が強くて、人を蹴落としてでも出世を目指すのだ。こういうパワハラ上司に逆らうことは、命取りになりかねない。職場で生き残るには、絶対服従するしかないのだ。

 こんなパワハラ上司に仕えるというのは、毎日辛くて仕方ないし、メンタルが傷つくような体験を何度もさせられる。こういう上司に仕えたら、余計なことは言わないことだ。表面的には従順なふりを続けることが肝要である。そして、目立ってはいけないし、出しゃばってはならない。少なくても、パワハラ上司よりも有能なそぶりをしてはならない。特に、パワハラ上司の上役がいる場で、高い能力を発揮したらアウトである。パワハラ上司は自分よりも能力や人気がある部下が許せないのだ。

 こんなパワハラ上司に仕えていたら、従順な態度を取り続けるしかない。しかし、けっして心まで屈服してはならない。「ハイ、かしこまりました。おっしゃる通りです」と言いながら、後ろ向いてあかんべえをするくらいで良いのだ。心の中では、パワハラ上司を軽蔑して良いし、ああ可哀想だなと見下していいのである。彼は愛着障害という気の毒な障害者なのだから、面倒を見てあげようと思えばよい。愛着障害のパワハラ上司は、心の裡でものすごい不安感や恐怖感を持っている。自分の地位や名誉を失わないだろうか、部下に足を引っ張られないだろうかと、臆病なのだ。だから、部下を叱咤するのだ。彼の不安や恐怖心を刺激しないように過ごすのが良い。触らぬ神に祟りなしである。

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