線維筋痛症の原因を考える

繊維筋痛症や神経障害性疼痛はやっかいな疾病である。原因が解らないし、症状が起きるメカニズムも完全に判明していない。したがって治療法も確定していなくて、症状を抑えるための薬物による対症療法しか手がない。どうしてこんな原因不明の痛みやしびれが起きてしまうのか、医療界でも解明できず、不思議な症状として打つ手がない状況らしい。おそらく、他の痛みと違って、脳や神経が疼痛を起こしているのではないかと推測している専門家が多い。したがって、認知行動療法や理学療法で治療を試みているケースが多い。

線維筋痛症の原因を探るうえで、重要な点が存在する。それは、圧倒的に女性の患者が多いと言う点である。男性の患者もいない訳ではないが、圧倒的に少数である。また、子どもにも罹患者がいるという点も注目される。つまり、女性と子どもに多いと言うことは、社会的弱者といってもよい人たちが罹患しやすいということが言えはしまいか。つまり、社会的には強い立場にある男性と大人は罹患しづらく、社会的に弱い立場の人間が罹患しやすいという点が注目できる。ということは、何らかの心因による疼痛だと言えよう。

線維筋痛症の発症メカニズムは、痛みの起きる部位と脳との神経伝達系統における暴走ではないかと考える専門家が多いらしい。痛みというのは脳で認知するとされているが、痛みが起きている部位から脳に痛み信号を送ると共に、逆に脳からも痛みを感じるようにその部位に信号を送っていると考えられている。この双方向の痛み信号をやり取りしながら、痛みが強化されていると考えられている。つまり、脳と神経系統の誤作動(暴走)によって痛みが発症しているとも推測されているらしい。

だから、神経伝達回路を遮断、または阻害する働きをする薬が効果を示すのではないかと思われる。線維筋痛症や神経障害性疼痛は、今までの消炎鎮痛剤では効果が殆どなく、神経回路を臨時的に遮断する薬だけが効果をあげていると言われている。ということは、ある意味、脳がわざと痛みやしびれを起こしているのではないかと捉えることも可能になる。それでは、何故に脳がそんな痛みを起こしているのかという点が注目される。無意識の脳の働きだとしても、自分で自分の身体に痛みを起こすなんて考えられない。

自分の身体に痛みをあえて発症させる意味を深く考察すると、ひとつの仮説を思い浮かべることができる。脳が痛みを起こす理由は、痛みに意識を集中させることで、何かを忘れさせているからではないかという仮説だ。人体という完全なシステムは、意味のないことをしない。システムは自己組織化するし、常に全体最適を目指すのである。無意識の脳は、自分自身を守るために痛みを起こしているのではないだろうか。とすれば、自分の心身の大きな破綻を防ぐ為に、痛みでその破綻を防御しようとしているとしか思えないのである。

そこで、社会的に弱い立場にある女性と子どもが線維筋痛症になりやすいという点が注目される。家庭の中で、女性や子どもの発言力や立場が強くなったとしても、どうしたって男性である夫や父親の発言力のほうが圧倒的に強い。家庭内でモラハラやパワハラの受けるのは、どうしても妻や子どもになりやすい。ましてや、主な収入の担い手である夫や父親に対して、妻や子はどうしても気兼ねしてしまう。夫や父親に対して不満を持ったとしても我慢しなくてはならない。もっと強い感情である、怒りや憎しみを妻や子が持ったとしても、それを表出させられない。この怒りや憎しみを爆発させてしまうと、家族の関係を破綻させてしまう危険があるからだ。

怒りや憎しみが積み重なって、ある一定限度を超えるレベルになれば、爆発させてしまい相手を攻撃する。そうなると、その相手との関係は破綻してしまう。それは絶対避けたいと無意識の脳が選択したのが、痛みに意識を集中させて、怒りや憎しみを忘れさせてしまうという方法であろう。長い期間に渡り腰痛や肩こりに悩ませられている人たちに、身近な人に対して怒りや憎しみを抱いているかと聞くと、殆どの人がそうだと答えることが多い。そして、その腰痛や肩痛は怒りや憎しみから起きているのだと伝えると、痛みが和らぐ。心身の緊張を和らげるボディーワークをすると、痛みが劇的に少なくなる。線維筋痛症は『怒り』から起きているのではなかろうか。

※線維筋痛症は、職場にパワハラ、セクハラ、モラハラを繰り返すような問題の上司に仕える部下にも起きると考えられます。原因不明の痛みやしびれは、問題上司のせいかもしれません。相談をするだけで痛みが和らぐことがあります。イスキアの郷しらかわにご相談ください。問い合わせフォームからどうぞ。

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