我が子を心から愛せない親

千葉県の心愛(みあ)ちゃんが親から虐待を継続的に受けていて、虐待死を迎えてしまうという不幸な事件が起きてしまった。父親の心愛ちゃんに対する異常なまでの虐待や妻へのDVの内容が報道されているが、こんな親がいるのかと慄然としてしまう状況が明らかになっている。母親が虐待に加担せざるを得ない状況まで追い込まれてしまった原因が、夫からの暴力を伴う支配や制御にあったとされる。こんな両親の元に生まれた心愛ちゃんがあまりにも不憫である。この親のように、子どもを心から愛せない親が増えている。

子どもを心から愛せない親が、この心愛ちゃんの親だけでなく、他にも多く存在していることは、虐待事件が無くならないことからも推測できる。虐待事件まで発展していないものの、何となく子どもを心から愛せない親は多いはずである。我が子に愛情を感じなくても、周りの目を気にするとか常識から外れないようにと気を付けて、何となく『良い親』を演じている親は想像以上に多い。こういう親は、子どもを『しつけ』だと勘違いして、自分の価値観を押し付けたり、必要以上に子どもをコントロールしたりする。

こういう親は、子供どもを自分の所有物だと勘違いしているし、支配するために暴力を奮ってしまう。そして、自分の思い通りにならない子どもに虐待と言えるような『しつけ』を繰り返す。自分の意に添わない行動をする子どもに対して、平気で暴言・暴力やペナルティーを与えて、支配・制御を強めていく。本来、子どもは自由であるべきだ。そもそも大人だって人間は自由であることで、人間本来の自己組織性やオートポイエーシス(自己産生性)を獲得していく。支配・制御を繰り返された子どもは、自己成長しなくなる。

子どもをまるごと、そしてあるがままに受け容れて許す愛情は、母性愛と呼ばれる。母性愛は、無条件の愛とも言われる。子どもが生まれたら、自動的に母親に母性愛が育まれると思っている人が多いが、そんなことはない。どうしても生まれてきた我が子を愛せない母親だって存在する。そして、そんな我が子を心から愛せない母親が増えているのである。我が子のことが愛しくて仕方がないと思わなくてはならないと、義務感のように感じてしまう母親がいるのだ。そして、自分が母親失格であることに悩み苦しむのである。

どうして、我が子を心から愛せない母親や父親がいるのだろうか。それは、自分の親からまるごと愛されるという経験をしていないからであろう。いつも親から条件付きの愛だけを注がれてしまい、無条件の愛である母性愛を享受できなかったからに違いない。人間は模倣の生き物であるから、自分が経験しなかったことを出来る筈がないのである。人間が健全に育つためには、まずは母性愛をたっぷりと注がれて、それから父性愛である『しつけ』がされなければならない。母性愛が中途半端で終わってしまい、父性愛中心の子育てをされると、愛着障害を起こしてしまうのである。

愛着障害の親から子育てをされた子どもは、同じように愛着障害を起こしてしまう。つまり、愛着障害の連鎖が起きてしまうのである。虐待をされて育った子どもが親になり虐待をすることが多いし、DVも世代間連鎖することが少なくない。虐待やDVをする大人は、愛着障害を抱えているし、学校で日常的にいじめをするような子は、愛着障害を起こしている。子どもの時に学友や弟妹にいじめをしていた人間は、大人になってから我が子を素直に愛せないばかりか虐待やDVを起こしてしまう。心愛ちゃんの父親もそうだった。

それでは、心から我が子を愛せない親は、ずっと我が子を愛せずに過ごしてしまうのかというと、けっしてそうではない。適切な『愛着アプローチ』を受ければ、愛着障害は癒えて我が子を愛せるようになるのである。愛着アプローチをしてくれるような医師・カウンセラー・セラピスト、またはメンターの資質を持った第三者によるサポートが必要である。共感的メンタライジングと認知的メンタライジングの知識と技能、そして豊富な経験を持ったメンターが支援する必要がある。子どもが愛着障害を起こしてメンタルで苦しまないように、母親が我が子を心から愛せるように支援する制度が求められている。

※「イスキアの郷しらかわ」では、我が子を心から愛せない親に対して、愛着アプローチを実施しています。まずは、何故我が子を愛することが出来ないのか、その原因や成り立ちと背景を学び、その克服のために必要なことを学習します。また、適切な愛着アプローチを受けることで、愛着障害を癒すことができます。まずは問い合わせフォームからご相談ください。

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