やはりアベノミクスは失敗だった!


厚労省による勤労統計の偽装事件では、官僚組織の隠ぺい体質も問われているが、もっと大変な問題に発展しようとしている。正しい勤労統計によって賃金動向を分析しなおすと、実質賃金が低下しているという事実が明らかになったというのである。アベノミクスによって、名目賃金が上昇しているし、実質賃金も増加していることから、経済政策は成功だったと政府は自画自賛していたが、それがまったく間違いだったということになる。つまり、アベノミクスは失敗だったということが証明された形になるのだ。

そんなことはないと思いたいが、厚労省と官邸は実質賃金が目減りしているという事実を掴みながら、それを隠ぺいするために勤労統計の偽装を続けたのではないかと主張する報道機関が多い。アベノミクスとは、金融政策によって経済全体を好況に導いて、それが賃金を底上げして国民を豊かにするというシナリオだったのに、それがまったく機能していなかったということになる。大企業の好況によって、中小企業で働く社員の所得上昇に結び付くという、トリクルダウンという手法は実現しなかったということになる。

一般庶民に対してアンケートを試みると、経済状況が改善していると実感できないという回答をする人が殆どである。一部の大企業の役職員や投資家たちは好況の恩恵を受けていたが、我々一般人の暮らしは一向に良くならないと感じていた。それが政府の勤労統計によって、実質賃金が目減りしていることが証明され、正しかったということになる。アベノミクスによって経済は活況を呈し、実質賃金も上昇しているから、政府の経済政策は成功していると自信を持って喧伝していたが、すべて嘘だったことになる。

アベノミクスの成功を評価されて、何度かの選挙で自民党は大勝してきたが、それが国民を騙した勤労統計によっての投票だったとすれば、これは大問題になろう。安倍政権の責任は大きいと言わざるを得ない。政府が発表している情報よりも、我々が普段の生活で感じているものが正しかったのだ。好況を証明するという有効求人倍率だって、数字のマジックがあって、ミスマッチであっても求人を有効にしてしまい、数字を高く見せているに過ぎない。厚労省や財務省の官僚というのは、官邸の言うなりになっていて、統計偽装でも文書改ざんだって何でもありという体質なのだということが解ったのである。

アベノミクスという政策は、大企業や資産家、さらには投資家に圧倒的な支持を受けている。さらには、若者たちからも大きな支持をもらっている。ところが、年金生活者や高齢者、低所得者層からは不評である。円高誘導によって物価が上昇し、低金利金融政策によって貯蓄が目減りしている影響もある。トリクルダウンがいずれ起きる筈だと政府自民党は宣言していたのに、一向に起きる気配さえなかった。若者たちは、巧妙に偽装された賃金統計によって騙されていたと言えよう。政府の情報を鵜呑みにした愚かな行動だ。

アベノミクスという経済政策は、大胆な金融緩和による円高誘導と低金利政策によって、市場を活況化するものである。これは金融経済を活況にすれば、実質経済もよくなるに違いないという思い込みの政策である。勿論、第三の矢として実質経済を豊かにする政策も推し進められていたが、まったく効果を上げていない。実質経済というものは、一般の庶民の収入が豊かになって、一般消費支出が増えなければ、好況になることはない。金融緩和政策の恩恵は、大企業とその役員、投資家だけしか受けていないと言える。国民のうちのごく僅かの人だけが豊かになっても、全体の消費支出が伸びないのは当たり前である。貪欲な人間というものは、自分だけの利益や利権を抱えれば抱えるほど離したくなるものである。

アベノミクスの失敗が判明したのだから、これからは経済政策のドラスティックな舵切りが必要であろう。現在行っている経済政策では、一般消費支出が増えていないのだから、実質経済を立て直す必要がある。そのためには、実質賃金を上げなくてはならず、不正規雇用を減少させ、正規雇用にシフトさせる抜本的な労働政策が求められる。大胆なワークシェアを進める労働政策、労働生産性を高める抜本的な勤務時間の短縮政策などの正しい働き方改革が必要だ。そのうえで、所得再配分機能を高める政策が求められる。所得税累進課税の見直しなどの税制改革によって、貧困家庭を根絶して、所得格差を出来得る限り縮める所得再配分に努めるべきであろう。もはや、失政とも言えるアベノミクスを止める時期に来ているし、それを決断させるのは選挙民しかいない。



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