詐欺や偽投資話に騙されない為に

ジャパンライフという会社が2,000億円の負債を抱えて倒産したというニュースが流れた。投資した多くの出資者は、その投資額の殆どが戻らないと言われている。なけなしの退職金をつぎ込んだり、細々とため込んだ虎の子の老後資金を投資したりしてしまい、これから生活もままならないという可哀想な人もいるという。最初から巧妙に騙そうとしたのではないかと疑われている。騙されるほうも悪いなんてことは言わないが、どうして人はこんなにも簡単に、儲け話やうま過ぎる話に騙されてしまうのであろうか。

世の中において、巧妙に詐欺を働く人間は後を絶たない。天下の一流企業でさえころっと騙される世の中である。積水ハウスが地面師グループに55億円を騙し取られる詐欺事件が起きたのは記憶に新しい。なりすまし詐欺事件も、これだけ注意喚起されているのに、続々と起きている。高齢者を騙す、偽請求事件や偽投資話も増えている。結婚詐欺も巧妙化していることもあるが、騙されてしまう人も少なくない。人間と言うものは、実際に痛い目に遭わないとその怖さを認識できなくて、騙されてしまう生き物なのだろうか。

詐欺に遭ってしまうという人は、疑うことをしない人で素直に信じてしまう人なのかというと、実はそうではないらしい。客観的に、そして合理的な判断をする傾向にある人だというのだ。そして、知識や教養もあり、高い学歴もあり知能も高いという。だから、どうしてこんなにも簡単に騙されるのか、不思議でならないと警察関係者は言うのである。だとすると、誰でも騙されるのかというと、そうでもないという。騙されない人というのは、どんなに巧妙に仕組まれたとしても、絶対に詐欺には引っかからないらしいのだ。

それじゃ、騙される人と騙されない人との違いは何なのか、それが解れば詐欺に遭わない方法が解るであろう。詐欺に遭う人が居なくなれば、詐欺という行為をする人がいなくなるというものだ。積水ハウスの詐欺事件でも、この地面師たちは違う不動産会社にこの話を持ち掛けたが、疑われてしまい失敗したという。その際に、この売買交渉に当たった不動産会社の社員は、地面師たちとの会話から何かおかしいぞと感じて、断ったらしい。積水ハウスの社員は嘘を見抜けなかったことになる。その違いは何だろうか。

その違いのヒントは、松下電器産業の創始者松下幸之助氏が著作の中で述べている。松下幸之助氏の元には、儲け話を持って沢山の人たちが集まったという。それらの儲け話によって、幸之助氏は一度たりとも騙されたことがなかったというのだ。巧妙な嘘をすぐに見破ったし、そんな騙しには乗らなかったというのである。それらを判断する際に、基準としたのはこういうことである。氏は最初から疑わしいぞと先入観を持って話を聞いたことがないというのである。相手の話を100%信じて聞いたというのである。それも、相手の気持ちに成りきって、あたかも自分のことのように聞いたのだ。

そうすると、こんなにもおいしい話をどうして私の処に持ってきたのか不思議だと感じるというのだ。こんなにも儲かるような話なら、自分なら独り占めしたくなる。それを敢えて他人である私に何故儲けさせようとするのか、おかしいと気付くというのである。そして、相手の話を疑いもせずありのままに聞くことによって、相手の本音が認識できるというのである。ありえないようなうまい話を持ってきたら、うさん臭いぞと思うのが普通の感覚である。そうすると、騙そうとする人はありえないことがあり得る根拠をこれでもかというくらいに羅列する。聞いているほうは、一時は疑っていたのに疑問点がすべて解消されることによって、徐々に信じてしまうのであろう。客観的合理性の考え方をしている人が騙されるのは、こういう仕組みなのである。

騙そうとする人は、相手の弱いところや足りない部分を巧妙に見抜く。そして、騙そうとする相手の欲望や弱点をついてくる。騙す人は、そういう意味では客観的合理性の感覚ではなく、相手の気持ちを解ろうとする努力を続けるのである。想像力や感受性が強い人間しか、詐欺行為は務まらない。相手の気持ちが手に取るように解るからこそ、相手の欲しいものを提供しようと提案するのである。ということは、巧妙な詐欺に騙されないようにするには、客観的合理性の考え方にとらわれず、ある意味では主観的でしかも関係性を重視する考え方を持つことである。近代教育は、客観的合理性を重視しているあまり、皮肉にも騙されやすい人間を育てているとも言える。近代教育の見直しが必要であろう。

 

※イスキアの郷しらかわでは、客観的合理性の近代教育によって作られてしまった人間性を、主観的互恵関係の研修によって改善することをサポートしています。ある意味、歪んでしまったメンタルモデルを改善する研修でもあります。問い合わせフォームでご相談のメッセージをください。

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