うつ病が発症する本当の原因

うつ病またはうつ状態に陥ってしまっている患者が激増している。うつ病は脳の機能障害だと思われている。神経伝達物質セロトニンの不足が影響して、神経伝達回路における不具合がうつ病の発症に関係しているらしいと思われている。だから、SSRIという選択的セロトニン再取り込み阻害薬がうつ病に効果があると言われている。このSSRIという画期的な抗うつ薬が発売された際には、これでうつ病患者は救われたと思った人も多い。ところが、うつ病患者は減少するどころか、逆に数倍にも増えてしまったのである。

そんな馬鹿なことはあり得ないと思うかもしれないが、実際にSSRIという薬が出来たお陰で、うつ病患者は激増したのである。しかも、SSRIという薬によってうつ病が完治する人は殆どいない。だとすれば、うつ病にSSRIは効かないし、うつ病の医療費だけが増加させる役割しかないということになる。ましてや、うつ病の発症が脳の神経伝達回路系の不具合によるものではなくて、違う原因らしいということが判明している。脳だけでなく、腸内細菌や人体全体のネットワーク回路の不具合もうつ病の発症に関わっている。だから、脳だけに働くSSRIの薬効がないというエビデンスが得られたのである。

それでは、何故腸内細菌などを含む人体全体のネットワークシステムが不具合を起こすのであろうか。ネットワークシステムの不具合は、システム論から観ると実に良く理解できる。複雑系科学におけるシステムとは、構成要素が全体最適を目指して、それぞれが関係性を発揮して自己組織性(自律性)とオートポイエーシス(自己産出)を機能させる。ところが、何らかの原因によって関係性を損なって個別最適を目指してしまうと、ネットワークシステムが破綻を起こす。これが人体というシステムにおける不具合(疾病)である。

人体における構成要素とは、60兆個に及ぶ細胞や100兆個以上あると言われる腸内細菌などであろう。ネットワークシステムの不具合は、構成要素そのものに問題の原因がある訳ではなく、それらの関係性(ネットワーク)の劣化にある。そして、その関係性の劣化や希薄化は、ストレスに起因しているというのが医療界における定説になっている。ストレスとは精神的なそれだけでなく肉体的ストレスも含まれる。食品添加物、化学肥料や農薬、クスリ、過大な飲酒や喫煙などが身体に過剰なストレスを与える。対人ストレスや過大過ぎるプレッシャーなども影響している。

それらのストレスが原因になり、人体ネットワークシステムの不具合を起こし、身体的疾患や精神疾患を起こすと考えられている。それでは、何故人間はこんなにもストレスに弱いのであろうか。ストレスを乗り越えることが出来るなら、システムの不具合が起きないからうつ病にはならない筈である。人間には、そもそもある程度のストレスなら乗り越えることが出来る自己組織性とオートポイエーシスを持っている。ところが、多重ストレスや連続したパワハラ・セクハラ・モラハラを受けると、それらの機能が劣化してしまうのである。それも人間関係が破綻しているとなおさらである。

うつ病などの精神疾患が発症する本当の原因は、本人だけでなく社会システムそのものの不具合にある。家族という社会システム、会社や各部門における社会システム、地域社会のシステムなどにおいて、ネットワーク(関係性)の不具合や破綻を起こしていると、その構成要素である人間にも大きな影響を与えてしまう。人間の精神そのものにも自己組織性がありオートポイエーシスが本来備わっている。つまり、主体性・自発性・自主性・責任性などの自律性があるし、自らが価値を生み出すオートポイエーシスを持つ。家族どうし、社員どうし、住民どうしの関係性が希薄化したり劣悪化したりしていると、精神の自己組織性とオートポイエーシスが機能劣化を起こしてしまうのである。

人間という生き物は、様々な社会システムの中で、どれかひとつのネットワーク(関係性)悪化だけならば、何とか乗り切ることができる。ところが家庭でも、そして会社や地域社会でも関係性を無くしてしまうと、ストレスを自ら乗り越えることが出来なくて、人体のネットワークシステムの不具合を起こす。これがうつ病発症の本当の原因である。企業における関係性を改善することはなかなか出来ないが、家族というシステムの不具合なら、家族どうしが努力して協力し合うことで改善することは可能だ。勿論、身体的ストレスを解消する食生活の改善も可能だ。食生活も含めた生活習慣を改善し、家族という社会システムを本来あるべき姿(介入せず・支配せず・制御せず・攻撃せず)に改善して、関係性を良好なものにすればうつ病は完治できるのである。

 

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