占いが当たる理由と危険性

占いブームがまたやってきているようである。世の中、スピリチュアルブームでもある。特に若い女性を中心に、スピリチュアルな物品購入、パワースポット巡り、各種のスピリチュアルを利用した占いなどにはまってしまっている人が多い。ひとつの心の拠り所として活用している分にはまったく問題ないであろう。しかし、守護霊や指導霊からの指示だと言って、本人の重要な人生の選択肢まで決めてしまう占いをする人物がいるのには、驚愕してしまう。それも具体的にこうしなさいと細かく指示をするというのだから、恐怖感さえ覚えてしまう。

日本の過去の歴史の中で、呪術者やシャーマン、そして巫女や霊媒師などが存在した。そして、そういう人物が政治の中枢に入り込み、日本の未来を歪めてきた歴史がある。人の未来が見えると占いで生計を立てている人物もいる。とても当たると評判の占い師がいて、TVのワイドショーでも取り上げられている。そういう占い師が芸能人に対して具体的にこうしろああしろと、自信を持って指示している姿を放映している。こういう占い師は益々繁盛することであろう。しかし、こんな占い師に人生を任せてよいのであろうか。

あなたの将来はこうなると占い師に言われて、実際にそうなることが圧倒的に多いのも事実である。どういう訳か、その人の未来を的確に当てる占い師がいるし、過去の経歴や親族のことを正確に言い当てる占い師がいる。評判の占い師に自分の未来を占ってもらい、不安を打ち消したいと思うのも当然である。自分の人生について、どうするのか迷っている人ならなおさら当たると評判の占い師に聞いてみたいと思うであろう。しかし、9割以上の占い師はまやかしである。人間の無意識を巧妙に利用して操っているだけである。しかも、その占い師自身が本物だと思い込んでいるから深刻なのである。

占いが何故当たるのかというと、占ってもらった本人の無意識がそうさせるからである。また、自分の生い立ちや親族のことを的確に占い師が当てるのは、占ってもらっている自分自身が占い師にヒントを与えさせられているだけである。占い師は、実に巧妙に言葉を操りながら質問しているように思わせずに、本人に答えさせているだけなのである。そして、本人の迷っていることにこうしなさいと実に潔く言い切る。迷っているようなそぶりは絶対に見せず、自信満々に断言する。

何故もそんなに自信満々に言い切るのかというと、本人の無意識を操るには断言しなければならないからである。あまりにも自信満々な占い師だから、本当にそうなるのだと本人が信じ込むのである。これが、もしかするとこうなるかもしれないなどとあやふやな言い方をすると、本人も半信半疑になるから、未来は言われた通りにはならないのである。人間の無意識というのは、こうなると100%信じたとしたら、無意識の意識がそうなるように行動をさせてしまうのである。しかも、集合無意識が働くので、他の人もそれに応じるから、占い通りの未来になっていくのであろう。

殆どの占い師は明るい未来や輝かしい未来しか占わないので、それで幸福になるのだから問題ないと言う人が多いかもしれない。実は、こういう考え方が極めて危険なのである。何故ならば、人間本来の持っている天性の機能を台無しにしてしまうからである。人間には本来、自己組織性(自律性)とオートポイエーシス(自己産出・自己産生)が備わっている。つまり、人間というのは自分が主体的にしかも自発的にものごとを決断して、自らが進んで主人公になって人生を歩んで行くものである。しかも、人生の選択をするうえで必要なその人の価値観や哲学は、自らが血の滲むような苦労して気付き学び習得していくものである。

そういう大切なプロセスを誰かに委ねてしまうのは、自らが持っている機能を低下させたり劣悪にしたりするので、大変危険なのである。最先端の複雑系科学で明らかにされつつあるシステム論、その中心になるのは自己組織性とオートポイエーシスである。人間そのものも複雑な関係性(ネットワーク)を持つシステムのひとつである。だから、パワーもエネルギーも、そして自己治癒力や自己産生能力も自分で引き出す能力を持つのである。他からインプットされるべきものではないし、内なる自己から自然と産み出されるものである。それを他人から介入(指示・指導・制御)されてしまったら、自分が自分でなくなるに違いない。占い師による傀儡に成り下がってしまう。占い師に自分の人生を委ねることだけは絶対に避けなければならない。

 

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