お酒で身を持ち崩す訳

TOKIOの山口メンバーが女子高生に対して、強制わいせつ行為を働いて書類送検されたニュースには驚いた。あの鉄腕ダッシュや24時間マラソンをTVで観ていたファンは、あんな卑怯な行為をする筈がないと、裏切られた思いが強いと思われる。そして、事件の全貌が明らかになってきて、彼がお酒のために1ケ月も入院していたことも判明した。アルコール依存症だったものと推察できる。お酒のせいだと思われるが、それで許されることではない。

芸能人がお酒におぼれて身を持ち崩すケースが多い。薬物依存にもなりやすいし、ギャンブル依存と確信できる芸能人も多い。それだけストレスやプレッシャーの多い職業なんだと思うが、それにしても依存症になって人生を棒に振ってしまう芸能人があまりにも多いのに愕然とする。お酒で身を持ち崩すのは、芸能人ばかりではない。一般人でも、アルコール依存症は少なくない。先進国に多い傾向があるが、米国ではアルコール依存症が社会問題化している。

それにしても、あの山口メンバーのように恵まれた環境にありながら、何故アルコール依存症になってしまったのかが不思議である。人気もあって、他とのメンバーとも良好な関係にあったと聞き及んでいる。確か、離婚をしたとは聞いている。子どもがなかったらしいが、幸福な結婚生活を送っていたものだと思っていた。離婚したことがアルコール依存症になったきっかけか、それとも依存症が結婚を破綻させたのかは定かでない。結婚生活が、思ったほどの幸福感に包まれたものではなかったのかもしれない。

どうしてアルコール依存症になるのかというと、いろいろと原因が上げられている。意思が弱いとか、欲望に引き込まれやすいとか、孤独感があるとか、愛情不足が根底にあるとか、養育に問題があったとか、本人とその生き方に問題があるのは事実であろう。その他に、社会的要因としては、お酒が手に入りやすい環境にあるとか、お酒のコマーシャルが流され過ぎるとか、ストレス社会であるとか、生きづらい世の中であるとか、関係性が欠如しているとか、様々な要因もあろう。

これらのアルコール依存症になる原因はいろいろとあるものの、これらはすべて依存症になる背景やきっかけに過ぎない。アルコール依存症になる本当の原因は、これらではないのである。その本当の原因はというと、生きる目的がないからだと断言できる。そんなことはない、みんな生きる目的や人生の目的は持っていると思っている人も多いであろう。山口メンバーも生きる目的を持っていた筈だと思うことであろう。しかし、それはあくまでも生きる目標であって、目的ではけっしてない。

目的と目標を混同している人は多い。例えば、あなたの生きる目的は何ですか?と問うと、私は家族が豊かで幸福に生きられるようにすることが目的だと答える。または、人生で成功することが目的だと答える人もいる。会社で出世するのが目的だと答える愚か者もいる。実に情けないことである。目的というのは、このように具体的に現わせるものではない。これらはひとつの目標に過ぎないのである。生きる目的とは、正しい価値観や哲学に基づいたものであり、社会全体の幸福を実現させるような、崇高な目的でなければならない。このような正しくて高い人生の目的がないから、人生が破綻するのである。

山口メンバーがお酒で身を崩したのは、生きる目的がなかったからである。正しくて高邁な価値観や哲学を持ち、全体最適を目指すような素晴らしい目的があったとしたら、絶対にアルコール依存症にはならないのである。だから、彼が社会復帰することが出来るとすれば、正しくて高い価値観や哲学を学んで、真の生きる目的を持った時であろう。アルコール依存症の医療的ケアーを受けても、完全に治癒することは稀である。薬物治療や認知行動療法などの心理療法をいくら受けたとしても、完全治癒は難しく再発することも少なくない。正しくて高潔な生きる目的を持つことでしか、アルコール依存症を克服することができないのである。

 

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