新卒離職者が止まらない

新卒で採用された新人社員のうち、3年以内に3人に1人以上が離職しているらしい。どうやら、中小企業のほうが離職率は高いと言われる。超人手不足と言われる現代では、益々人材の確保が難しくなっている。特に2020年にオリンピックが開催される東京周辺では、建築や土木工事のラッシュで、人手不足は深刻だ。それでなくても人材不足だというのに、新卒採用の新人がこんなにも簡単に離職してしまうとなると、首都圏にある中小企業の人手不足は相当に深刻であろう。

どうしてこんなにも新卒者の短期離職者が多いのかというと、本人への聞き取り調査によると、次のような理由からだという。入社してから、事前に聞いていた労働条件とあまりにも違う労働実態があることに気付いたという。あまりにも仕事が忙しく、残業が多くて有給休暇も満足に取れないらしい。入社して満足な指導教育もされないまま、難しい技能や経験を要求される職場にすぐに回されたともいう社員もいるということである。人手不足が深刻なあまり、すぐに一人前としての業務を求められるし、厳しい労働実態になるのだと思われる。

このように、人手不足であまりにも忙しいので満足な教育も出来ないし、残業が多く休みも取れないという労働を強いられるのである。これでは悪循環に陥ってしまい、何時まで経っても労働環境は改善されないことになる。今の若者が働く際に求めているのは、給与収入額の多さではなくて、働く際の余裕や労働環境の良さである。残業が少ないことと休日が多いことを求めている。有給休暇を自由に取得できることを、働く最低条件として要求するらしい。遮二無二労働することは避けて、余裕のある働きを求める傾向にあるのは当然であろう。

我々のような60歳を過ぎた人間には、到底考えられないような要求である。今から40年前なら、深夜近くまで残業するのは当たり前であり、有給休暇なんて満足に取れたこともなかった。そういう時代は、仕事がすべてであったのだ。しかし、時代は変わった。仕事だけが人生ではない。仕事は人生の一部であって、家族との触れ合いや余暇・趣味を楽しむこと、キャリアアップや自己啓発などの学習をすることも人生を彩ることとして必要だと考えているようだ。こういう考え方は間違いではないし、うらやましい限りである。こういう時代に生まれたかったという思いが強い。

さて、このような新卒者の短期離職をどのようにして防げば良いのであろうか。それは、教育の充実しかないと言わざるを得ない。新戦力として期待しているから、教育をする時間も惜しいということは解る。しかし、新人教育をしっかりしないと、すぐに辞職されてしまうのである。どんなに人手不足であったとしても、新人研修を充実することで短期離職を防げるのである。何故なら、人間というのは仕事によって自己成長する生き物だからだ。仕事によって自分がこんなにも自己啓発を出来たと実感出来たら、仕事を辞めることはないのである。

社員満足度を高めることで、離職を防ぐことが出来る。この社員満足度というのは、労働条件の良さではない。それは社員不満足度要因である。社員満足度要因とは、仕事を通して、どれだけ自分が社会貢献や会社に貢献できたかということであり、人間としての自己成長が実験できたかどうかということである。この社員満足度を高めるには、充実した教育研修が必要なのである。その教育研修とは、技能の研修も必要であるが、それ以上に価値観や労働哲学や理念の学習も要求される。

人間という生きものは、何かをする際に『何の為に』という理由を求めるものであり、この理由が希薄だとモチベーションがなくなってしまう。つまり、働く目的がないと、働く意欲が湧かないのである。若者に何故働くのかと問うと、そりゃ生活の為でしょうとあっけらかんとして答える。確かに、そういう側面はあるものの、それだけではない筈である。仕事を通して社会貢献をすることと、仕事をすることで自己啓発や自己実現をすることこそ、人間の生きる目的とリンクしている筈である。こういう基本的な教育研修こそ、必要なのである。こういう哲学や価値観を学ぶ機会を充分に与えられる会社であれば、優秀な社員は絶対に離職しないのである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、働く意味や生きる目的などの哲学や価値観などを学ぶ新人研修を実施しています。このような研修教育を受講すれば、離職する社員は激減しますし、メンタルを病んだり休職したりする社員がいなくなります。新人社員は、技能研修だけでなく、実はこのような価値観の学びを求めています。目の色を変えて学ぶようになります。会社の人事ご担当の方は是非ともお問い合わせください。

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