女王蜂症候群にならない為に

女王蜂症候群という語句を聞いたことがあるだろうか。最初は、1970年代の米国で盛んに話題になった注目ワードである。その後、ずっと忘れられていたものの、ここ数年この女王蜂症候群という言葉が話題になっているというのである。本来の意味とは、企業内で幹部職に昇進した女性が、女王蜂のように君臨して、部下を働き蜂のようにこき使う姿を揶揄したものと思われる。ちょっと前までは、女王蜂のように颯爽と仕事と家庭を両立させている女性幹部に憧れていた女性が、自分もやがてそうなりたいと頑張っていたのだが、最近は逆に減滅してしまい、経営幹部になりたがらないというのである。

女性キャリア職ならば、やりがいのある仕事を任せられ、やがては業績を残して昇進したいと願うのは当然であろう。せめて部長職まで昇りつめたいと思うのではなかろうか。男女共同参画社会の意識が高まり、一般企業においても女性管理職に対するアレルギーが少なくなり、女性管理職が増えてきた。しかし、せいぜい係長や課長止まりが多くて、部長や取締役まで昇進する女性は極めて少ないという。何故かと言うと、課長までならいいけど、部長までにはなりたくないと思う女性キャリア職が多いと言うのである。その多くが、女王蜂のように活躍する部長職の下で働いているというのである。

女王蜂のように君臨して、バリバリ働いている幹部職は女性の部下を実に上手く使いこなせると想像することであろう。自分も女性であり、女性の細やかな感受性を持つのだから、女性部下の気持ちが良く解る。女性特有の体調にも配慮できるし、家事育児の両立を経験してきたから、女性が働くための環境を整えることが上手に出来る筈である。同性だという気安さもあり、いろんな助言や指導が適切に行える。女性ということで、社内の根回しも出来ることから、部下も仕事がやりやすいことであろう。

ところが、実際に女性管理職の下で働く女性キャリア職たちは、様々な不満を抱えているというから驚きである。まず、子どもの軽い体調不良があり、休みが欲しいと申請すると、そんな風邪ぐらいのことで自分は休んだことがなかったと皮肉を言うというのである。さらに、若い頃の自分はもっと仕事を頑張ったし、業績も残していたと部下に頑張りを押し付けるというのである。それも自分の実績を過大評価して、自分の過去を美化するというから始末に負えない。こんな上司の下では働く喜びを感じられず、過大なストレスを抱えて、うつなどの気分障害になる女性が多いというから深刻だ。

人間という生きものは複雑である。自分が苦労して手に入れた地位や名誉は、手放したくなくなるものである。自分よりも仕事が出来て、能力も高くて他からの評価や信頼が高い部下に対して、無意識で排除したがるのはよくあることである。これは女性に限らず、男性の管理職にも多い誤謬でもある。管理職というのは、自分よりも出来る部下を育てることを無上の喜びとしなければならない。ところが保身意識が強い上司は、自分の立場が脅かされると、無意識で部下を育てたくなくなってしまう。特に価値観の低劣な上司ほどこういう対応をしやすい。

このように、部下を育てられず部下を使い捨てにしてしまう、女王蜂のような女性管理職が増えてきたというのである。そして、女性管理職が陥ってしまっているこれらの症状を、『女王蜂症候群』と呼んでいるらしい。実に困った状況になっている。熊本市議会の女性議員などが、市の職員に対して乱暴な言動をしてパワハラをしているのは、まさに女王蜂症候群だと言えよう。権力や権威を長く持つと、どうしても自分が一番だと思いたがるようである。男女共同参画社会がこれだけ浸透しているのに、こんな議員や幹部職員がいると、逆行しかねない。由々しき大問題である。

女王蜂症候群に陥ってしまい、部下を気分障害にしてしまったり、やる気を削いで辞職に追い込んだりする原因は、正しい哲学や価値観を持たないからに違いない。何のために仕事をするのか、どんな目的のために業務を遂行していくのかという、そもそも正しい働く目的がないのである。出世してトップになり、会社の業績を伸ばして、会社の役に立ちたいというのが目的だというなら、これは完全な間違いである。これは個別最適であり、社員同士やお客様、そして取引先との関係性を棄損してしまう。そうすると、結果として業績も伸ばせない。本来、働く目的とは人々のため世の中の為に、社業を通して貢献することにある。つまり全体最適にあるのである。その為に、関係性を重要視した管理が求められる。この全体最適と関係性重視の正しい価値観を持たないから、『女王蜂症候群』に陥っているのである。女性管理職には、正しい価値観を学んでほしいものである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、幹部職及び幹部候補生に対して、正しい経営哲学と価値観の学習を支援しています。部下がメンタル障害になったり休職離職に追い込まれたりしているのは、上司が正しい価値観を持たないのが要因のひとつです。是非、研修を受講してください。問い合わせフォームからご相談ください。

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