若さを保つ秘訣は「骨」

人体神秘の巨大ネットワークというNHKスペシャルを見ていて、びっくりした。老化を制御する働きを骨がしていることが判明したというのだ。骨は、老化をさせるか、それとも老化を防止するのかのキーマンだというのである。そんな馬鹿なと思うであろうが、最新医学はそんなことまで解明しつつあるということである。勿論、老化の原因は他にもあるが、骨がその重要なファクターとなっているとは誰も気づいていなかったが、骨に存在する骨細胞が、老化の鍵を握っていることが判明したのである。

まず骨は、記憶力の向上や低下に関係しているという。骨の細胞から出るオステオカルシンというホルモンが血液によって脳の海馬まで運ばれて、海馬を刺激する。そうすると海馬の働きが活性化するだけでなく、海馬の細胞も増加して大きくなるという。反対にオステオカルシンが分泌されないと、海馬の働きは衰え、海馬の体積も縮小するという。極端に海馬が委縮すると、認知症にもなりやすい。つまり、骨細胞が脳の老化をさせるかどうかを決めるというのである。何とも怖ろしい事実である。

さらに、骨細胞から分泌されるオステオポンチンというホルモンが、人体の各組織に送られて、免疫力を高めるのに役立っているというのだ。オステオポンチンが不足すると免疫力が低下して、ガンや生活習慣病、または重篤な感染症を引き起こすのである。それだけではない、オステオカルシンが筋肉組織に届くと、筋肉組織の細胞を増加させて、筋力アップにも寄与するらしい。さらに驚くのは、オステオカルシンが精巣に届くと、なんとテストステロンというホルモンを活性化させ、精子の生産力を向上させるというのである。こんなにも骨細胞が、人体の老化と若返りに関係しているという事実が解ったというのである。

どうして骨が人体の老化に関係しているのかというと、どうやら骨の状況によって寿命を延ばすかどうかをコントロールしているのではないかと見られる。どういうことかというと、骨の密度が低下してスカスカの状況になってくると、もう無理して長生きさせる必要がないと記憶力や免疫力を下げるのかもしれない。さらには、筋力も低下させてしまうし精力も必要ないと判断するとみられる。骨の状態から判断して、少しずつ老化させて死にむかって進ませるのではないかと推察できる。ある意味恐怖というか、残酷なシステムとも言える。

その際、オステオカルシンやオステオポンチンというホルモンを出す骨芽細胞を増やすかどうかをコントロールするのが、スクレロスチンというホルモンらしい。このスクレロスチンが骨細胞を作るかどうかのアクセル役とブレーキ役を果たしているという。スクレロスチンが多いと破骨細胞が多くなり骨芽細胞が減少する。逆にスクレロスチンが少ないと破骨細胞が少なくなり骨芽細胞が増加する。つまり、スクレロスチンが少ないと骨細胞が増えるし、スクレロスチンが多くなると骨細胞が少なくなる。

ということは、スクレロスチンというホルモンを少なくすれば、骨細胞を増やして老化を防げるということである。もし、スクレロスチンを減少させることが出来たら、若返りすることも可能になるのである。このスクレロスチンをどうしたら減少させることが出来るのかを研究したら、運動することでそれが可能になるということが判明した。その運動も、骨に対してショックを与えるような運動こそ効果が高いということが解った。つまり、歩く、走る、ジャンプする等、骨に対して負荷をかけることで、スクレロスチンが少なくなることが判明したのである。

どんなスポーツをすると効果があるかというと、ジャンプをするといえばバレーボールやバスケットボールが代表的であり、陸上競技も同様である。走って急停止するテニスやランニングも効果がある。高齢者はこんな激しいスポーツは出来ないから、軽登山、ハイキング、散歩でもよい。ただし、階段や急坂を下る時に骨に負荷がかかるのが良いので、平らな処を歩いても効果は少ない。高齢者が骨折して寝たきりになると、急激に老化するのはこのスクレロスチンが増加するからであろう。寝たきりにならないように注意すると共に、ある程度骨に負荷のかかる運動を継続して、若さを保ちたいものである。

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