効果のない研修は無駄

会社の人材育成、学校の授業・講義、講演会、各種研修会・セミナー等でいろんな学びをする機会があるが、その効果は限定的である場合が多い。それも、嫌々ながら受講しているならいざ知らず、自ら進んで参加するケースでさえも学びは不完全なことが少なくない。受講した当の本人は、すべて学んだと勘違いしていることが殆どであるが、学んだことがそのエッセンスの1割にも満たないことが多いのである。何故そんなことが起きるのかというと、教える側の問題もあろうが、受講者のメンタルモデルに問題があるからである。脳科学者の養老孟子氏が、「バカの壁」と呼んだあの先入観念・固定観念や拘りのことである。

 

たいていの人間は、自分自身でこうでなければならないとか、こういう時にはこのように言動をするという無意識の行動規範を持っているものである。これを最先端の脳科学では、メンタルモデルと呼んでいる。このメンタルモデルは、優秀なそれであれば良いのだが、残念ながら低劣な価値観に基づくメンタルモデルのケースが殆どである。だから、自分が新たな正しい価値観に目覚めたり自己成長したりすることが阻害されるのである。逆説的に述べると、謙虚さや素直さを失っているのは、このメンタルモデルがガチガチに固まってしまっているからであり、そしてそのことを本人がまったく認識していないところから不幸が始まっているのである。これが、人間の自己成長を妨げている理由である。

 

同じことを最先端の心理学用語で述べると、こうなる。人間は自己物語とも呼ばれる「ドミナントストーリー」を持っている。このドミナントストーリーというのは、家族との関わりや他人との複雑な人間関係の交わりの中で学んで、身に付けてしまったこだわりや固定観念である。これは、自分自身を他人からの攻撃を守るための盾であり鉾でもある。実はこのドミナントストーリーは、一度身に付けてしまうと手放すことが非常に難しくなる。そして、メンタル障害を起こすに至った問題が起きた原因でもあるから複雑である。このドミナントストーリーを一度破壊して手放し、オルタナティブストーリーを身に付ければ、自分を苦しめてきた問題を解決できるのである。

 

これらのメンタルモデルやドミナントストーリーを先ずは完全に壊すことが必要なのであるが、簡単ではない。何故なら、この低劣なメンタルモデルがあるうちは、人の助言や指導を聞かないからである。それも、有用で自分の自己成長にとって必要な情報ほど素通りさせてしまうのである。経営学において、イノベーションを起こすには創造的破壊が必要だとシュンペーターは説いていたが、まさしく人間学においても創造的破壊が必要なのである。各種セミナーにおいて、創造的破壊を出来た人だけが深い学びをして自己成長が可能となる。何故、メンタルモデルの破壊的創造が出来ないのかというと、潜在意識というか無意識がそれを邪魔しているからである。メンタル障害が改善しないのも、低劣なメンタルモデルが邪魔をして、心理療法が効果を生み出さないからである。

 

最先端の心理療法や認知行動療法において、この低劣なメンタルモデルやオルタナティブストーリーをぶち壊す方法が見つかったのである。今までは、低劣なメンタルモデルやオルタナティブストーリーの間違いを指摘したり、何とか変更させようとしたりしていた。これでは、クライアントは益々頑なになり、貝のように心を閉ざしてしまっていたのである。その状態を変えるには、相手の自己物語を否定することなく、まずはその低劣なメンタルモデルに共感することが必要なのである。クライアントは自分の苦しさ悲しさ辛さを理解してもらったと安心して、自らの心を開くのである。そして、助言者を心から信頼し、その助言にも耳を貸すようになるのである。そして、物語的な助言法を駆使しながら、ドミナントストーリーを切り捨てて、自らオルタナティブストーリーという正しい価値観に基づく新たな物語を構築するのである。これが、ナラティブアプローチという方法である。

 

大勢の聴衆を集めた研修セミナーにおいては、このようなドミナントストーリーを破壊するような講演をすることは難しい。個別対応のセミナーでしか使用できないと思われる。集団セミナーで、メンタルモデルに対して創造的破壊をするのは難しい。しかし、数人のクライアントと向き合い、じっくり会話を繰り返したり、ピアカウンセリング的なワークショップを続けたりすることで、破壊的創造が起きて自ら気付き学ぶというイノベーションが起きる可能性がある。こういう破壊的創造と人間自身のイノベーションを起こすのが、『イスキアの郷しらかわ』である。是非、自らの問題に気付き自己マスタリーを実現する為にも、イスキアの郷しらかわのグリーンツーリズム(研修旅行)を経験してほしい。ナラティブアプローチを是非とも体験して、正しいメンタルモデルを獲得してみてはどうだろうか。

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