大人の酒飲み

TOKIOの山口達也メンバーがアルコール依存症になり、再々度の入院治療を受けているとの報道がなされている。どのようなお酒の飲み方をしていたのか知る由もないが、謝罪会見で焼酎1本を飲んでいたと語っていたのを見ると、相当に無茶な飲酒を繰り返していたのだと思われる。どんなお酒の飲み方をすればアルコール依存症になるのかというと、毎日の飲酒が習慣化すると共に、相当量の酒量を摂取することで依存症になる可能性が高まると言われている。しかし、個人差もあるからどのくらいの量を毎日飲み続けると依存症になるのかは、定かではないらしい。

どのくらいの期間に渡り毎日飲み続けるとアルコール依存症になるかというと、男性では約10年、女性だとおおよそ6年と言われている。ただし、これはあくまでも平均値であり、数か月で依存性が出現する場合があるから要注意である。女性は一般的に小柄でアルコールの分解速度も遅いために、アルコールの影響を受けやすいために短い期間でアルコール依存症になりやすいと言われている。ましてや、昼間から飲める専業主婦はキッチンドリンカーになりやすい。

お酒は飲んでも飲まれるなと言われている。お酒好きな人は、どうしても酒の魅力に勝てないようだ。ついつい度を過ぎて飲んでしまうし、休肝日を守ることが出来ないらしい。これも習慣化しているので、既に依存性が出来あがっていると思って間違いないようである。毎日飲酒しないと気が済まない人は、既に酒に飲まれてしまっているのであろう。お酒というのは、麻薬や覚醒剤と遜色ないくらいに依存性を持つ。酒を飲むと快楽ホルモンであるドーパミンが分泌される。毎日飲む人や大量に飲む人は、味を楽しんでいるのではなくて、ドーパミン中毒と言っても差し支えない。

かくいう自分も、若い頃は毎日のように飲酒していた。1年のうち、飲まないのは余程体調が悪い時か宿直の時ぐらいだった。今から25年くらい前からは、自宅飲みは殆ど止めたし、付き合いでの飲酒も必要最低限にした。特別な日にしか飲まなくなったのである。体調を壊したせいでもなく、何か失敗したのでもなく、誰かと禁酒を約束した訳でもない。いつの頃からか、お酒を飲まなくても過ごせるようになったのである。お酒は嫌いではないが、何となく毎日だらだらと飲みたいとは思わなくなったし、お酒を飲んでいる時間がもったいないと思うようになったのである。

現在は特別な日しか飲酒しないのに、昨日は珍しくお酒を飲んだ。会津金山町に山菜採りに行き、帰る途中の玉梨温泉で入浴した。売店で有名な天然炭酸水を見つけ、お土産に2本買い求めた。帰宅して、夕食時にこの炭酸水を用いてハイボールが飲みたくなった。竹鶴ブレンドのウィスキーがあったので、早速ハイボールを飲んだ。実に美味である。天然水がウィスキーの甘さとコクを引き出してくれた。山菜を肴にしての飲酒によって、心地よい酔いが身体を包んでくれる。ハイボールは、1杯だけ飲んだ。これ以上飲んでは味覚が麻痺してしまい、味が解らなくなり、お酒やつまみに申し訳ないからだ。

若者であれば、節度ある飲酒をしなさいと言っても、無理がある。酒の失敗もまた人生の経験であろう。法令違反をせず、人を傷つけないという条件を守るならば、無茶な飲酒も許されるのが若者であるように思う。しかし、30歳を越えたらば、大人の酒飲みをするべきだと思うのである。大人の酒飲みとは、大量に飲まないということと毎日飲酒しないというのは基本原則である。そして、特別な『ハレ』の日にしか飲まないというのも基本である。ストレス解消やプレッシャーにおしつぶされそうになった時に飲むのは、大人の酒飲みとは言えない。

 

酒は、何もかも忘れさせてくれると、嫌なことがあると飲酒する人がある。確かに、一時的に脳を麻痺させてくれるしドーパミンを分泌させて、悲しみや苦しみを忘れさせてくれる。でも、翌日にはまた嫌な事を思い出すし、ひとつも解決していない現実が自分を苦しめる。そして、問題解決を先送りして、毎夜お酒に逃げ込むことになる。大人の酒飲みとは、このような飲み方ではない。あくまでも、少量のお酒を美味しいつまみでチビチビと味わうことである。偽ビールや人工酒などの安酒は合わない。吟醸酒やモルトウィスキーなど本物のお酒が似合う。寝酒などはもってのほかであり、手作りの肴で夕飯前に飲むのが大人の酒飲みである。自分が大人だと自覚するのならば、大人の酒飲みが出来るのが最低条件であろう。

極めて危険なアルコール依存症

TOKIOの山口達也メンバーがアルコール依存症だったことが、その詳細と共に報道されている。事件の謝罪会見後に、再度入院したと伝えられている。重度の肝臓機能障害が起きているからとのことであるが、相当にアルコール依存症が進んでいたのだと思われる。今になって漏れ聞くのは、以前からお酒の飲み方に問題があったらしいということである。相当な量を飲んでいて、問題行動もあったと証言する芸能関係者も多い。以前にも入院したことがあるというのだから、アルコール依存症は重症であったに違いない。

もっと早くちきんとした入院治療をしていれば、こんな事件が起きなかったのにと悔やまれるが、人気商売であるが故に長期間に渡る根本治療が不可能であったのであろう。アルコール依存症で苦しんでいる患者は、少なくない。その殆どの患者は、何度も同じように再発を繰り返しては入院している状況がある。それだけアルコール依存症を完全に克服するというのは、困難を伴うということだ。なにしろ、お酒は簡単に手に入るものなのである。アルコール依存症から離脱するには、非常に厳しい社会状況がある。

アルコール依存症になると、実に悲惨である。山口達也メンバーのように、犯罪まで起こしてしまうような問題行動を取ってしまうことが少なくない。仕事が続けられなくなったり、生活まで破綻したりすることもある。山口メンバーの結婚生活が破綻したのも、どうやらお酒が原因であったと推測されている。アルコール依存症の家庭は、悲惨な状況になり家族も不幸にしてしまう。しかも、子どもがアダルトチルドレンになりやすく、世代間連鎖を起こすこともある。貧困家庭の原因にもなっているケースが非常に多い。

アルコール依存症による健康被害も悲惨である。山口メンバーのように肝臓機能の障害を起こしてしまうし、慢性膵炎も起こしやすい。悪性腫瘍の発症も高率となるし、心筋梗塞などの発症率も高くなる。酷くなると、妄想や幻覚まで起きる。飲酒によって脂肪肝や慢性肝炎から肝硬変になり、食道静脈瘤を発症してしまい、その破裂によって命を落とす経過を取るケースが非常に多いのである。なにしろ、アルコール依存症の余病発症率が極めて高く、死亡率も健康な人の数倍になると言われている。

このように社会的な問題行動を起こしたり、深刻な健康被害を起こしたりして、人生をだいなしにするのにも関わらず、アルコール依存症になる人は減少しない。ましてや、一度アルコール依存症になったら、完全離脱するケースが少ないのである。どうして、こんなにもアルコール依存症になる人が多いのであろうか。また、これだけ医学が発展しているのにも関わらずアルコール依存症を克服することが出来ないのであろうか。自分がアルコール依存症だと自覚していない人も多いし、自分が病気だと認めたがらない人も多いと聞く。これでは、アルコール依存症は減少せず、益々増えてしまうに違いない。

アルコール依存症の治療は、精神科や心療内科で行われる。一般内科で治療するケースもあるが、治癒率は低い。新薬が開発されて、薬物療法も進化している。精神療法や心理療法、カウンセリングなどの効果が高くなっている。ピアカウンセリングを主体にした断酒会も評価されている。しかしながら、この治療なら100%治るという手法は、いまだに確立されていない。それだけアルコール依存症の治療と完全離脱は難しいということである。何故かと言うと、何故アルコール依存症になったかという根本原因を、完全に払しょくする治療がされていないからに違いない。

アルコール依存症になる原因は、いろいろと推測されているが、これで間違いないというものは解明されていない。アルコール依存症になったバックグラウンドや環境、その人間の性格や人格などは解明されつつあるが、真の原因を突き止めている専門家は極めて少ない。人間は、正しい価値観や哲学を持たないと、生きる意味や目的を理解することが不可能になる。お酒に溺れてしまう人間は、何故自分は生まれてきたのか、どのように生きるべきなのかを正しく理解していないのである。だから、目の前の欲望に流されて、実に詰まらないものに心を奪われてしまうのである。正しい価値観や哲学を深く理解し、高潔な人生の目的を持てれば、お酒に溺れることはないし、アルコール依存症を完全に克服できるのである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、アルコール依存症とその家族に対する相談を行っています。何故お酒を飲んでしまうのか、そして問題飲酒をしてしまうのか、根本的な原因を解明して、どうしたら飲酒を止められるのかを助言しています。正しい価値観と哲学の学習と自己マスタリーをすることで、問題飲酒を克服することが可能になります。

お酒で身を持ち崩す訳

TOKIOの山口メンバーが女子高生に対して、強制わいせつ行為を働いて書類送検されたニュースには驚いた。あの鉄腕ダッシュや24時間マラソンをTVで観ていたファンは、あんな卑怯な行為をする筈がないと、裏切られた思いが強いと思われる。そして、事件の全貌が明らかになってきて、彼がお酒のために1ケ月も入院していたことも判明した。アルコール依存症だったものと推察できる。お酒のせいだと思われるが、それで許されることではない。

芸能人がお酒におぼれて身を持ち崩すケースが多い。薬物依存にもなりやすいし、ギャンブル依存と確信できる芸能人も多い。それだけストレスやプレッシャーの多い職業なんだと思うが、それにしても依存症になって人生を棒に振ってしまう芸能人があまりにも多いのに愕然とする。お酒で身を持ち崩すのは、芸能人ばかりではない。一般人でも、アルコール依存症は少なくない。先進国に多い傾向があるが、米国ではアルコール依存症が社会問題化している。

それにしても、あの山口メンバーのように恵まれた環境にありながら、何故アルコール依存症になってしまったのかが不思議である。人気もあって、他とのメンバーとも良好な関係にあったと聞き及んでいる。確か、離婚をしたとは聞いている。子どもがなかったらしいが、幸福な結婚生活を送っていたものだと思っていた。離婚したことがアルコール依存症になったきっかけか、それとも依存症が結婚を破綻させたのかは定かでない。結婚生活が、思ったほどの幸福感に包まれたものではなかったのかもしれない。

どうしてアルコール依存症になるのかというと、いろいろと原因が上げられている。意思が弱いとか、欲望に引き込まれやすいとか、孤独感があるとか、愛情不足が根底にあるとか、養育に問題があったとか、本人とその生き方に問題があるのは事実であろう。その他に、社会的要因としては、お酒が手に入りやすい環境にあるとか、お酒のコマーシャルが流され過ぎるとか、ストレス社会であるとか、生きづらい世の中であるとか、関係性が欠如しているとか、様々な要因もあろう。

これらのアルコール依存症になる原因はいろいろとあるものの、これらはすべて依存症になる背景やきっかけに過ぎない。アルコール依存症になる本当の原因は、これらではないのである。その本当の原因はというと、生きる目的がないからだと断言できる。そんなことはない、みんな生きる目的や人生の目的は持っていると思っている人も多いであろう。山口メンバーも生きる目的を持っていた筈だと思うことであろう。しかし、それはあくまでも生きる目標であって、目的ではけっしてない。

目的と目標を混同している人は多い。例えば、あなたの生きる目的は何ですか?と問うと、私は家族が豊かで幸福に生きられるようにすることが目的だと答える。または、人生で成功することが目的だと答える人もいる。会社で出世するのが目的だと答える愚か者もいる。実に情けないことである。目的というのは、このように具体的に現わせるものではない。これらはひとつの目標に過ぎないのである。生きる目的とは、正しい価値観や哲学に基づいたものであり、社会全体の幸福を実現させるような、崇高な目的でなければならない。このような正しくて高い人生の目的がないから、人生が破綻するのである。

山口メンバーがお酒で身を崩したのは、生きる目的がなかったからである。正しくて高邁な価値観や哲学を持ち、全体最適を目指すような素晴らしい目的があったとしたら、絶対にアルコール依存症にはならないのである。だから、彼が社会復帰することが出来るとすれば、正しくて高い価値観や哲学を学んで、真の生きる目的を持った時であろう。アルコール依存症の医療的ケアーを受けても、完全に治癒することは稀である。薬物治療や認知行動療法などの心理療法をいくら受けたとしても、完全治癒は難しく再発することも少なくない。正しくて高潔な生きる目的を持つことでしか、アルコール依存症を克服することができないのである。

 

※アルコール依存症や各種の依存症で苦しんでいらっしゃる方に、イスキアの郷しらかわでは、正しい価値観や哲学の学習と正しい目的を持つための研修を実施提供しています。依存症から完全に脱出したいと思っている方は、是非ご相談なさってください。問い合わせフォームからお願いします。

ゴルフマナーが悪い社員は使えない

昨今のゴルフ場におけるゴルファーのマナーは、まったくなっていない。ゴルファーのマナーやエチケットは、地に落ちたと言っても過言ではない。それはゴルフを始めたばかりの若者だけではない。立派な中年ゴルファーや老年愛好者までもが、ゴルフのマナーを守らない。おそらく、ゴルフのマナーを知らないのではなかろうか。または、一度も教えてもらってないのかもしれない。一緒に回るようなことがあると、目をそむけたくなるような光景に出くわすことがしばしばである。

ゴルフの個人会員が減っていることもあり、ゴルフ場からの指導や教育がないせいかもしれない。または、企業内のゴルフ部の活動が少なくなったことに加え、接待ゴルフが激減したので、ゴルフのマナーをしっかり教える機会もなくなった影響もあろう。それにしても、ゴルフのマナーやエチケットは最悪の状況にある。というか、人間として当然な行動さえ出来ていないのだから、周りの人に迷惑をかけているという実感を持てないのかもしれない。

ゴルフのラウンドにおいてスロープレーは、絶対に避けなくてはならない基本マナーである。何故ならば、ゴルフのラウンドというのは、パーティとパーティの間で1ホールを完了するプレー時間は、ホールの移動時間も含めて7分程度と決められている。次から次へと7分間隔で3人から4人のパーティがスタートして行く。その中で1人でもスロープレーのゴルファーがいると、その組のパートナーだけでなく、後続のプレーヤーはその間待たせられるのである。当然、その後に続く組のすべてのゴルファーは待たせられることになる。

例えば、7時スタートの組の1人がスロープレーヤーだったとしよう。その人が1ホール当たり3分ずつ遅れてプレーしたとする。そうすると、前半9ホールトータルで27分もその後のプレーヤーが遅れてしまうことになるのだ。休日ともなると人気のコースでは、ぎっしり予約者がいることが多い。7時7分から10時30分までのスタートで、12組の48名のゴルファーが27分ずつ遅れてプレーすることになるのである。後半も同じように遅れれば、なんと1人の遅延プレーヤーのお陰で48名のゴルファーが1時間も浪費するのである。遅い時刻スタートのプレーヤーは、遅延プレーヤーのせいで日没してしまいラウンドを完了できないケースもあるのだ。

ゴルフの技術が未熟な初心者は仕方ないだろうと擁護する人も少なくない。しかし、今までいろんなゴルファーをみてきたが、未熟な初心者だからスロープレーになることは少ない。どちらかというと、中級者や経験者のほうがスロープレーになることが多い。まずはアドレスに入るまでの時間がかかり過ぎる、素振りを3回も4回も行う、アドレスをセットしてからスィングを始めるまで数秒要する、打った後にずっとその場に立ち止まる、走らないばかりかゆっくり歩く、クラブやボールを余計に持たないからカートまで戻る、こんな非常識なことを平気でするのだ。特に、パットの時のスロープレーは酷い。自分の番になって初めてラインを確認する始末である。回りが見えないし、空気が読めないのである。

こういったゴルファーは絶対に上達しない。いつまでもスコアー100を切れない。マナーやエチケットを守れる人は、いつも他人に対して迷惑をかけまいと努力している。当然、自分の自己満足のためではなくて、周りの人々に対する配慮のために、自分自身の力量を磨いている。当然、こういう人は自分の結果が出ないのは、自分に責任があると認識して、技能とメンタルを磨き続ける。平常心を持てないと、ゴルフは失敗する。スロープレーをしている人は、メンタルが弱くミスを犯しやすく、自分を振り返って自分の非を認めないから、いつまで経っても上達しない。

ゴルフのマナーとエチケットが素晴らしい人間は、技術も素晴らしいしメンタルも鍛えられている。手前勝手で自己中心的な人間性を持っている人間は、ゴルフは上手くならない。責任性を持ち、自発性や主体性を発揮できず、いつまで自分の悪い点を認めないし受け入れられないから、自己成長できないのである。人間性の低劣な人間は一時的には成功するが、長い期間に渡り活躍することは出来ない。全体最適を目指し、関係性の哲学を重視する人間だけが、ゴルフのマナーやエチケットの向上が出来る。こういう人間は、ビジネスでも間違いなく成功するのである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、ゴルフのマナーとエチケット講座を開催しています。ゴルフのメンタル講習も実施します。メンタルトレーニングを、マインドフルネスと前後裁断の方法を含めてレクチャーします。ゴルフの技能はそこそこ行っているのに、なかなか100を切れないでいるとか、ゴルフで詰まらないミスばかりをしている人は、是非とも受講してみてください。問い合わせのフォームからお願いします。

無条件の愛を注げない親

子育てにおいて、母性愛と父性愛の両方が必要なのは言うまでもない。母性愛とは無条件の愛、または無償の愛と言い替えることができる。一方、父性愛とは条件付きの愛、しつけ愛や承認の愛とも言われている。父性愛も大事であり、子育てにおいて必要な愛であるが、母性愛である無条件の愛こそが子育てで最も重要で必要不可欠な愛と言えよう。これがないと、子どもは健全な成長が妨げられてしまうだけでなく、大人になって大きな生きづらさを抱えてしまうからである。

この無条件の愛は、母親からの愛でしか受け取ることが出来ないかというと、そうではない。母親だけでなく、祖母や祖父から受容することもあるし、父親が無条件の愛を注ぐことも稀ではない。大切なのは、父性愛と母性愛を注ぐ順序であると、児童精神科の専門家は説いている。まずは、母性愛をこれでもかとたっぷりと注いで、それから父性愛を注ぐべきだと主張している。乳幼児期には、まず無条件の愛で満たされることで、しっかりとした自己肯定感を確立したうえで、父性愛を注ぐことが大切なのである。

何故、無条件の愛が最初に必要かというと、子どもの発達段階においては、まずは自分の存在価値がしっかりと感じられ、いかなる時も愛されて見捨てられることがないんだと確信する必要があるからだ。この見捨てられるかもしれないという不安や恐怖感があると、その後の生き方に大きく影響してしまうのである。この見捨てられ感というのは、大人になっても深刻な影響を及ぼすし、父性愛を注がれた時に、いう事を聞かなければ自分は見捨てられてしまうのではないかという恐怖心に追いやられるのである。

母性愛である無条件の愛をたっぷりと充分に与えられず大人になってしまった人間は、健全な子育ても出来なくなってしまう。どちらかというと条件付きの愛しか我が子に注げなくなってしまうのである。また、パートナーに対していつも無条件の愛しか与えられなくなり、健全な夫婦愛や恋愛を育めなくなってしまうのである。夫婦関係や恋愛関係が破綻しやすいし、子どもが何らかの問題行動を起こしやすくなる。こういう無条件の愛の枯渇状態は、世代間連鎖を起こしてしまうことが多い。負の連鎖が続くのである。

この無条件の愛を注げない親というのは、想像以上に多いのが実態であろう。おそらくは、少なくても半数以上の親が無条件の愛を注げないのではなかろうか。大人になって問題行動を起こす人々、例えば犯罪者、セクハラ、パワハラ、モラハラをする人々、覚醒剤などの薬物依存、アルコールやニコチン依存、ギャンブル依存、過食や拒食、各種依存症、生活習慣病、メンタル障害などを起こす確率が限りなく高くなる。恋愛恐怖症の人も無条件の愛が不足したからであろう。

無条件の愛が不足して、条件付きの愛しか与えられないで育ってしまった大人は、揺るぎない自己肯定感が確立されていない。いつも不安感や恐怖感を持っている。愛する人から見捨てられるのではないかという不安を持つ。配偶者から見捨てられてしまうのではないかという不安もあるし、子どもから見捨てられてしまい愛されないのではないかという不安もある。激情的に怒り出したかと思ったら、いやに子どもにおべっかを使い始めたりする。子どもにおもねるような態度をしたかと思うと、急に怒り出すような不安定な子育てをするのである。

無条件の愛を注げない親というのは、すべてではないものの『愛着障害』的なパーソナリティを持つことが多い。無条件の愛が枯渇しているが故に、いつも無条件の愛を渇望している。パートナーや周りの人から愛されたいと熱望するが、その人格の歪み故に、無条件に愛されることがない。益々、孤独感が増してきて、我が子を無条件で愛することが出来なくなってしまう。愛というのは循環するものだ。豊かに無条件の愛で包まれた人間は、周りの人々を愛で満たすことができる。無条件の愛を注げない親は、まずは自分の本当の心を知ることから始めることが必要であろう。

 

※イスキアの郷しらかわでは、無条件の愛を注げない親のサポートをしています。または親から無条件の愛を注げられなかった子どもの支援もしています。自分がもしかするとそうではないかと気付かれた方は、ご相談ください。問い合わせフォームからお願いします。

新卒離職者が止まらない

新卒で採用された新人社員のうち、3年以内に3人に1人以上が離職しているらしい。どうやら、中小企業のほうが離職率は高いと言われる。超人手不足と言われる現代では、益々人材の確保が難しくなっている。特に2020年にオリンピックが開催される東京周辺では、建築や土木工事のラッシュで、人手不足は深刻だ。それでなくても人材不足だというのに、新卒採用の新人がこんなにも簡単に離職してしまうとなると、首都圏にある中小企業の人手不足は相当に深刻であろう。

どうしてこんなにも新卒者の短期離職者が多いのかというと、本人への聞き取り調査によると、次のような理由からだという。入社してから、事前に聞いていた労働条件とあまりにも違う労働実態があることに気付いたという。あまりにも仕事が忙しく、残業が多くて有給休暇も満足に取れないらしい。入社して満足な指導教育もされないまま、難しい技能や経験を要求される職場にすぐに回されたともいう社員もいるということである。人手不足が深刻なあまり、すぐに一人前としての業務を求められるし、厳しい労働実態になるのだと思われる。

このように、人手不足であまりにも忙しいので満足な教育も出来ないし、残業が多く休みも取れないという労働を強いられるのである。これでは悪循環に陥ってしまい、何時まで経っても労働環境は改善されないことになる。今の若者が働く際に求めているのは、給与収入額の多さではなくて、働く際の余裕や労働環境の良さである。残業が少ないことと休日が多いことを求めている。有給休暇を自由に取得できることを、働く最低条件として要求するらしい。遮二無二労働することは避けて、余裕のある働きを求める傾向にあるのは当然であろう。

我々のような60歳を過ぎた人間には、到底考えられないような要求である。今から40年前なら、深夜近くまで残業するのは当たり前であり、有給休暇なんて満足に取れたこともなかった。そういう時代は、仕事がすべてであったのだ。しかし、時代は変わった。仕事だけが人生ではない。仕事は人生の一部であって、家族との触れ合いや余暇・趣味を楽しむこと、キャリアアップや自己啓発などの学習をすることも人生を彩ることとして必要だと考えているようだ。こういう考え方は間違いではないし、うらやましい限りである。こういう時代に生まれたかったという思いが強い。

さて、このような新卒者の短期離職をどのようにして防げば良いのであろうか。それは、教育の充実しかないと言わざるを得ない。新戦力として期待しているから、教育をする時間も惜しいということは解る。しかし、新人教育をしっかりしないと、すぐに辞職されてしまうのである。どんなに人手不足であったとしても、新人研修を充実することで短期離職を防げるのである。何故なら、人間というのは仕事によって自己成長する生き物だからだ。仕事によって自分がこんなにも自己啓発を出来たと実感出来たら、仕事を辞めることはないのである。

社員満足度を高めることで、離職を防ぐことが出来る。この社員満足度というのは、労働条件の良さではない。それは社員不満足度要因である。社員満足度要因とは、仕事を通して、どれだけ自分が社会貢献や会社に貢献できたかということであり、人間としての自己成長が実験できたかどうかということである。この社員満足度を高めるには、充実した教育研修が必要なのである。その教育研修とは、技能の研修も必要であるが、それ以上に価値観や労働哲学や理念の学習も要求される。

人間という生きものは、何かをする際に『何の為に』という理由を求めるものであり、この理由が希薄だとモチベーションがなくなってしまう。つまり、働く目的がないと、働く意欲が湧かないのである。若者に何故働くのかと問うと、そりゃ生活の為でしょうとあっけらかんとして答える。確かに、そういう側面はあるものの、それだけではない筈である。仕事を通して社会貢献をすることと、仕事をすることで自己啓発や自己実現をすることこそ、人間の生きる目的とリンクしている筈である。こういう基本的な教育研修こそ、必要なのである。こういう哲学や価値観を学ぶ機会を充分に与えられる会社であれば、優秀な社員は絶対に離職しないのである。

 

※イスキアの郷しらかわでは、働く意味や生きる目的などの哲学や価値観などを学ぶ新人研修を実施しています。このような研修教育を受講すれば、離職する社員は激減しますし、メンタルを病んだり休職したりする社員がいなくなります。新人社員は、技能研修だけでなく、実はこのような価値観の学びを求めています。目の色を変えて学ぶようになります。会社の人事ご担当の方は是非ともお問い合わせください。

ネットは単なるツールなのに

インターネットは現代ではなくてはならない情報ツールになっている。情報の収集と公開をする手段として、大変便利でありコミュニケーションツールとしても必要不可欠になっている。ビジネスの世界では、営業ツールのひとつとして殆どの企業がウェブサイトを活用している。個人間でも、フェイスブック、LINEなどのSNSに通信手段として多くのユーザーが登録している。ネットがなくては、人々の経済や生活が成り立たなくなっていると言えよう。

そんなネットを、ビジネスにしている人がいる。ウェブサイト作成やウェブデザイナー、またはソフトウェアーやアプリ作成をしている企業と個人ではなくて、ネットそのものを収入源にしている人である。アフィリエイターとかユーチューバーと呼ばれる人たちである。アフィリエイターとは、ネット上の自分のサイトでアフィリエイト広告をクリックするだけで、収入を得る人たちである。ユーチューバーとは、動画をユーチューブにアップして、その広告で収入を得る人たちである。他に定職もなく、これだけで生活しているというのだから驚きである。

その年収たるや、1000万円を超える人たちも沢山いるらしい。小学生の憧れる職業のトップ5にも入っているというのだから、びっくりするばかりだ。楽しいこと、気楽なことをして収入を得ることが出来るからという、実に情けない理由で憧れの職業にしているというのだから、実に困ったものである。労働に対する考え方が軽薄というか、何の為に働くかという基本的な労働価値観を育てられていないのであろう。自分の利益のためにだけ働くという、実に愚かで低劣な価値観である。

ネットをすることそのものを目的にしている人間が、増えているように思えて仕方ない。SNSやブログをやっている人の多くは、アクセス数がとれだけあるか、どれだけ『いいね』をもらったかに心血を注いでいるのだ。当然、いかに面白い動画や写真を撮って載せるか、センセーショナルで人目を引く題名をつけるかに苦労している。確かに、ビジネスに活用するというなら、それはひとつの戦略として有効である。しかし、インスタ映えという言葉のように、単なる友達への自慢や自己満足の為でしかないように感じる。

SNSはコミュニケーションのツールとして、とても有効である。またブログは情報発信ツールとして、誰でも簡単に利用できるので便利だ。しかし、ネットというのはあくまでも、コミュニケーションや情報発信のための単なるツールでしかない筈である。または、ビジネスを成功させる手段でしかない。いくら素晴らしく魅力的なウェブサイトであったとしても、売るものやサービスの価値が認められなければ売れない。ところが、どれだけネットでアクセスされたかに一喜一憂しているネットユーザーが多いのである。本末転倒であろう。

今日は何を食べたのか、どこに行ったのかという個人情報を日常的にアップして、『いいね』を求めているSNSユーザーがいる。何の役にも立たないくだらない情報のアップを見て、リアクションするほうも問題であるが、ネットを自分の人生の重要なアイテムにしてしまっている人がいる。ネット依存とも言える状況になっているし、ネットを人生の目的にしてしまっているようである。毎日、どれだけのリアクションがあったかで、その日の満足になっているし、ブログのアクセス件数を上げることを目標にしている愚か者がいるのだ。繰り返し言うが、ネットとは目的ではなくて、単なるコミュニケーションのツールでしかないのである。

SNSやブログは、自己満足や自己表現のひとつであっても一向にかまわないが、人生の目的にしてはならないであろう。あくまでも、ネットは本来ビジネスや公益活動のひとつの手段でしかない。コミュニケーションツールのひとつとしてネットがあるのであって、対面でのコミュニケーション(リアルコミュニケーション)を基本に据えるべきである。SNSやツィッターは、お互いの関係性を豊かにするためのひとつのツールでしかない。あくまでも、リアルの世界で相手の目をみながら対話をして、付き合うのが基本になる。ネットは単なるツールでしかないことを、深く認識したいものである。

ゴースト血管が怖い!

現代人にゴースト血管が増えていて、深刻な健康被害を起こしているということがNHKスペシャルで放映されていた。今までの医学常識によると、高血圧や高脂血症によって血管の動脈硬化が起きて様々な心臓疾患や脳疾患が起きているということだった。ところが最新の医学研究から、それらの主要血管だけでなくて毛細血管の異常も深刻な疾病を起こすことが判明したというのである。毛細血管が消えてしまい、まるでゴースト(幽霊)のようになるので、『ゴースト血管』と名付けられたらしい。

人間の血管は、心臓から送られて還ってくる主要血管と毛細血管から成り立っている。そのうち主要血管は全体の1%程度であり、残りの99%は毛細血管だという。主要血管から枝分かれした毛細血管は、各臓器・組織に縦横無尽に張めぐらされている。そして、各臓器や各組織に血液を流して、その中に含まれている酸素や養分を届けているのである。つまり、人間の身体の機能は毛細血管によって維持されていると言っても過言ではない。毛細血管は人間にとって必要不可欠で、とても大事な血管なのである。

心臓、肺、肝臓、心臓、脳、筋肉、骨などすべての大事な臓器と組織に毛細血管が張めぐらされている。酸素や養分だけでなく、人間の巧妙なネットワークに必要な神経伝達物質である各種ホルモンなども届けている。これらがもし届かなれば、大変なことになる。各臓器や組織が死滅するだけでなく、人体のネットワークシステムも破綻してしまい、重篤な疾患になり兼ねない。毛細血管がゴースト化してしまい、その働きを失ってしまったら、人間の各種機能が低下するのは間違いない。だから、ゴースト血管は由々しき大問題なのである。

どうしてゴースト血管になってしまうかというと、どうやら血流障害がその原因らしい。高脂血症や高血圧などの基礎疾患があり、そこにストレスや不適切な食事や生活習慣が加わり、血液の流れが滞って毛細血管の外壁が壊れてしまい、毛細血管の途中から血液が漏れてしまい、その先に血液が流れなくなるという。そうすると、その先にある毛細血管が消失してしまい、ゴースト血管になると考えられている。その為に、実に様々な症状や疾患が起きていると言われているのである。

その症状や疾患とは、主なものを上げると、認知症、薄毛、しわ・たるみ、骨粗鬆症、腎機能障害、肝機能障害、心臓血管障害、脳血管障害、冷え症などである。あくまでも想像であるが、毛細血管の本来の働きがなくなり、血液が届かないのであるから、ナチュラルキラー細胞や免疫細胞も届かなくなるのだから、悪性腫瘍だって発生する危険性も高まるであろう。血流が阻害されると身体全体の体温低下が起きることから、癌ができやすくなるとも言える。子宮に血液が届かなくなると、子宮筋腫ができやすくなるし、乳房に血流障害が起きると石灰化してやがて乳癌になる可能性もある。

それでは、どうすればゴースト血管を防げるのだろうか。NHKスペシャルでは、ゴースト血管を防止するために、こんな方法を薦めている。まずは、血流を滞らせる生活習慣を見直すことだという。睡眠を十分にとること、シャワーだけでなく湯舟にゆっくり浸かること、タバコを止めること、過度な飲酒をしないこと、食べすぎないこと、糖分・塩分・脂質を取り過ぎないこと、適度なアウトドア運動を週に3回以上すること、を薦めている。それにストレスを溜めないことも大切だとしている。筋肉、特に下腿の腓腹筋(ふくらはぎ)を鍛えることで効果があるとしている。

さて、ゴースト血管が出来るのは、すべて自分の生活習慣や暮らし方に関わっているということが解った。とすれば、ライフスタイルを変えることが必要だということになる。ゴースト血管は、一度そうなったとしても、短期間に生活習慣を改善すると元に戻るらしい。何となく冷え症になってきた、手先が冷たくなったという自覚症状があったら、自分の生活全般を見直すことが必要だ。特に、食習慣が大切だと思われる。野菜中心の手作り惣菜で、塩分・糖分・脂質を摂り過ぎない腹8分目の食事が大事であろう。カップ麵などのインスタント食品やジャンクフード、そしてファーストフードこそがゴースト血管の元凶だと言わざるを得ない。

 

※イスキアの郷しらかわでは、ゴースト血管を再生するような食事を提供しています。無農薬でオーガニックの野菜と米を用いて、健康的で美味しい食事を食べてもらいます。出来たら、4泊5日の滞在をしてもらえたら、ゴースト血管を再生させるその効果を実感してもらえます。ストレス解消もできますし、睡眠障害も驚くように改善します。問い合わせフォームから問い合わせください。

仕事で失敗や挫折をする訳

仕事は人間を大きく成長させてくれると言うが、確かにそうだと思う。行政などの官公庁の仕事でも人間は成長するが、やはり民間ビジネスにおける厳しい仕事こそが大きな成長をさせてくれるような気がする。最近は、民間ビジネスを嫌ってNPO法人などに勤務したがる若者が増えているし、独立して起業したがる人も少なくない。好きでもない仕事を無理やり押し付けられて、しかもパワハラ・モラハラやセクハラにさらされる民間ビジネスの職場も多い。だとしても、民間ビジネスの厳しい環境で、失敗や挫折を乗り越えてこそ人間は成長するのではないだろうか。

行政や独立行政法人などにおいて、失敗や挫折を繰り返すこともあるだろう。しかし、その責任を痛感して、自分の進退にまで発展することはまずない。しかし、民間ビジネスの世界では、会社・組織に多大な損失を与えたとしたら、本人の進退や降格につながるケースが多い。大きな失敗や挫折をして、その責任の重さに耐えきれず、メンタルを病んでしまうことも少なくない。だからこそ、民間ビジネスの厳しさを耐えて乗り越えてきた人間は、強い精神力と忍耐力を獲得できるのではないかと思われる。

とは言いながら、出来ることなら失敗や挫折は避けたいし、ましてや取り返しのつかないような大きな失態は演じたくない。大事な顧客を失ったり、多大な損失を与えたりするようなことは、ビジネスマンとしては絶対にしたくないものである。企業内のいろんな社員を見ていると、何度も大きな失敗を繰り返す人と、小さなミスはするけれど大きな失態はまったくしない人がいることに気付く。どうして、大きな失敗を繰り返す人としない人がいるのだろうか。

失敗や挫折を繰り返す人には、明らかな特徴がある。それは、非常に独善的であるという点である。表面的には、会社に対して忠誠心を持っているように振る舞っているが、自分の地位や名誉に固執し、自分にとって損か得かで行動を決めがちである。したがって、自分の利害が一番であり、他人がどうなろうと知らんぷりの態度を取りがちである。企業内も競争社会である。出世競争もあるし、手柄を立てたいというのは人情であるが、あまりにも自己の利益にこだわる傾向にある社員が、どういう訳か失敗を繰り返す。

大きな失敗や挫折を繰り返す人は、他人の気持ちに寄り添うことが苦手なようである。つまり、同僚や部下の気持ちを推し量ることが不得意である。相手の気持ちになり切って、自分のことのように共感することが出来ないから、周りの人から好かれない。同僚や部下に対して冷たいので、敬愛されないし信頼されない傾向にある。端的に言えば、良好な関係性を作ることが苦手なのである。当然、顧客や取引先との関係性も劣悪になることが多い。クレームや解約になるケースも少なくない。

会社や組織というのは、ひとつの完全なシステムである。構成要素である部門や社員が、全体である会社を支えている。そして、構成要素である部門や社員は、会社というシステム全体を最適化するように最大の努力をしながら働く。全社最適を目指すのである。当然、会社だけの最適を目指すだけでなく、社業を通して地域社会や社会全体の幸福や豊かさにも貢献する。つまり、全体最適を目指して活動しているのがシステムとしての企業であり、それを支える社員も全体最適を目指すべきなのである。そして、全体最適を実現するには、構成要素どうしの関係性が何よりも大切なのである。

ところが独善的で自分の損得を第一義的に考えている社員は、個人最適を目指しているのである。全体最適と関係性というシステム思考に反する行動をするのだから、不適合を起こすのは当然である。つまり、失敗や挫折という不適合を起こすのは、システム思考という哲学に反するからなのである。このように個別最適を目指す社員が出世して経営トップになった企業は、間違いなく大失態を起こしたり経営破綻したりする。東芝や神戸製鋼が失敗したのは、これが原因である。失敗や挫折を避けるには、全体最適と関係性を重視するシステム思考の哲学に基づいて行動すれば良いという結論になる。

 

※イスキアの郷しらかわでは、失敗や挫折を繰り返す社員の教育研修をしています。システム思考の哲学を学習することは勿論のこと、自己マスタリーという大切な人間成長の基本となる原則を学びます。真のリーダーシップを獲得するための研修も充実しています。MIT上級講師のピーター・センゲ氏が提唱しているシステム思考を深く理解し、「学習する組織」を創造するためのサポートをしています。

春の体調不良は山菜で治す

長い冬が終わり、やってきた春の訪れは、心身をウキウキとさせる。その一方で、春の体調不良に悩まされる人も少なくない。何となく身体が思うように動かなかったり、不定愁訴のような症状に苦しんだりする。病院に行って各種の検査を受けても、検査結果に異常は見つからず、単なる心身症として処理される。原因不明であるから、投薬治療の対象でもなく、手の打ちようがないのである。ストレスによるものだろうと言われるものの、心当たりのストレスはなく、春が過ぎて行く頃には症状が収まってしまう。

この春にやってくる体調不良の原因は何であろうか。免疫学の大家で先年亡くなった、新潟大学医学部教授の安保徹先生は、その体調不良は気圧の変化による自律神経のアンバランスだと主張していた。春がやって来ると、日本列島に移動性の高気圧と低気圧が交互にやって来る。高気圧は気圧を高くするから酸素濃度を濃くするし、低気圧は気圧を低くするので酸素濃度が薄くなる。その差はごく僅かだろうと思うが、人間の身体にとってはこの変動が大きく影響する。特に、移動性なので酸素濃度の変化の速さがあり、人間の自律神経の調整機能が追い付かないのである。

高気圧によって酸素の摂取量が増えると、自律神経の交感神経が活性化する。古来より、晴の日は外に出て狩りや農業をしてきたので、交感神経を高めて身体を活動体制にするのであろう。一方、低気圧は酸素摂取量を減らして、自律神経の副交感神経を優位にして、身体をリラックスさせる。雨の日は、休養に充ててきた体験からそのように進化したのではないかと思われる。晴の日と雨の日によって、身体をその天気に適応させる調整機能が発達してきたのであろう。この調整機能が災いして、春に体調不良を起こすのだから皮肉なものである。

自律神経の交感神経が優位になると、コルチゾールなどのステロイドホルモンを増やして、血圧を上げて脈拍数も増やし、身体を活動しやすいようにする。アドレナリンやドーパミンを増やす働きも活性化させると見られている。一方、自律神経の副交感神経を優位にすると、脳内神経伝達物質の分泌も抑えて、血圧を下げて脈拍数を減らして、休養をするように仕向けるのであろう。気圧変化が徐々に起こり、高気圧と低気圧が長く停滞するのであれば、自律神経の調整機能は問題なく働く。しかし、高速で移動する春の高気圧と低気圧に調整機能は追い付かなくて、自律神経の不調が起きるのではないだろうか。

さて、この春の移動性高気圧と低気圧に対して起きてしまった自律神経の不調を、どのように治せば良いのであろうか。現代人は、近代医療の恩恵を受けてきたが故に、投薬治療に頼りたがる。確かに、交感神経を優位にしたり副交感神経を優位にしたりするクスリは存在する。気圧の変化に対応して、そのクスリを飲んで調整すれば良いと思うが、そう単純なものではない。頻繁に交互にやって来る高気圧と低気圧に対して、タイムリーにしかも瞬時にどちらのクスリを飲めばよいかを決断するのは、医師でも難しいだろう。

この春にやってくる体調不良を、田舎に住む高齢の人々はあまり起こしていない。自律神経が鈍くなっているのだろうと思うのは、浅はかである。都会に住む高齢者は、体調不良で苦しんでいるのだ。都会と田舎では何が違うのかと言うと、その食生活である。田舎に住む中高年者は、春になると近くの山で採れる山菜を沢山食べているのである。山菜が美味しいから食べるということもあるが、山菜を食べると春の体調不良を無くすことを経験的に解っているから食しているのだ。日本の伝統的食文化は、人間の健康にも貢献しているのである。

どうして山菜が春の体調不良を改善するのかの科学的根拠は、完全に証明されている訳ではない。しかし、ある程度は想像できる。山菜には、身体に有用なミネラル類微量元素が豊富に含まれている。亜鉛、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどの人間にとって大切な微量元素が豊富である。さらに、シュウ酸などのアクが含まれているものが多い。これらの必須微量元素が身体のホルモン調整機能を高めてくれるのではなかろうか。良質の食物繊維も野菜よりも遥かに大量に含まれている。身体に溜まった重金属などの毒素をデトックスする効果もあるらしい。アレルギーも改善すると言われる。春になると、山に住む動物は山菜を必ず食べる。同じ理由からであろう。春の体調不良は、山菜を食べて治すのがよい。

※都会のスーパーで販売されている山菜は、栽培されているものが多く、体調改善の効果は低いと思われます。山で採れた本物の山菜をイスキアの郷しらかわで提供しています。春の体調不良やアレルギーで苦しんでいらっしゃる方は、イスキアの郷しらかわで新鮮で美味しい山菜を堪能してみませんか。さらに山菜は腸内環境を改善してくれるので、気分も改善してくれると言われています。山菜採りのツアーも開催しています。